桂 枝雀さん
上方落語の爆笑王。ご存命ならば今年が70歳になるそうな。枝雀一門で70歳のお
誕生日会と言う趣向で、全国のホールを回っていると言う事です。
実は我が家には桂 枝雀師匠のDVDやら米朝師匠、談志師匠、志の輔師匠他、
落語のDVDが70本近く、松竹新喜劇(藤山寛美さん)のDVDも36本ありますので、こ
こで改めて、枝雀師匠の落語を見てみました。たくさんあるネタの中から『佐々木裁
き』と言うネタを見たのですが、一言で言うとやっぱり面白いですね。お話しのテンポ
はものすごく速いです。大阪弁が今一歩よく分からないと言う方だとついて来れない
かも知れません。知れませんが、落語、殊に上方落語はリズム、テンポも大切なの
です。以前、上方落語の前座噺として、旅モノを稽古するのですが、それは一にも
二にも話すリズムを作る為だと、あのはげ頭で、ニコニコと語っておられたのを思い
出します。ここで『佐々木裁き』を見ても、立ち居振る舞い、仕草で笑わせるというよ
りも、リズムで落とす落語をされている様に思います。そういえばためしてガッテンで
家電品の取扱説明書を、一般人と落語家さんて読み比べると言うのがありました。
なんと落語家さんが取扱説明書を読むと、一般の方の半分くらいの人は笑ってし
まい、ほぼ100%の人が神経を集中させたまま、聞き終えると言う驚異的な実験データ
を私は見てしまった事があります。そうなのです。ネタがどうのこうのではなく、存在そ
のものが面白くなり、呼吸をするだけ、話すだけで面白いのです。まさにそんな噺家さ
んの中でも、最高位に位したところ居た枝雀さんでした。あの実験を見てたら病気に
ならなくても良かったのかもしれませんし、あの世で、アハハと言いながらあの実験を
ご覧になられていたかも知れませんね。
最近では鶴瓶さんや志の輔さん、文珍さんに談春さんと言った中堅どころの方々が
うんと頑張って、芸事の高みを目指し始めておられ、落語界そのものを牽引している
姿が目に付きます。事実、鶴瓶さんの全国落語ツアーは即日完売、その他の噺家さ
んに関しても、芸事として精進されている方のチケットはなかなか入手困難な状態が
続いています。50~60歳位の方々が今、ものすごく面白い進化を遂げています。
DVDやCDで聞ければ、もっと裾野が広がる様に思うのですが、噺家さん達はライブ
にこだわるので、鶴瓶さんなどは1枚も出されておりません。
近いうちに一度は見に行きたいなと思っている今日この頃です。
鶴瓶さんと志の輔さんの二人会があったんですよね。これは力と力のぶつかりあい、
とてもいい落語会になるだろうとチケット獲得に動いたのですが、とてもとても採れませ
んでした。残念なことです。彼らは六人の会のメンバーですから、またのチャンスがある
だろうと思いますので、次のチャンスにトライしたいと思っています。
話は枝雀さんに戻りまして、私がよく使う、このブログの結びの言葉。○○な今日この
頃でございます。と言うのは、実は枝雀師匠のテレビ番組、枝雀寄席のオープニング
トーク(エンディングやったかも知れません)で、お一人で舞台に立たれて、いわゆるマク
ラをお話しされて、最後の結びに使われていた言葉をパクった訳です。お日さんが
カーッと言いながらはげ頭を見せたり、金魚売りの金魚~ォェ金魚ョ~♪と言う売り言
葉に眠たくなって、頭をゴトッと舞台にぶつけ、寝てしまう・・・などの仕草と、スビバセン
ネと言う酔っ払いのギャグがおかしくて、上方落語の爆笑王と呼ばれた枝雀さんでござ
いました。この往年のギャグも鉄板ネタでいつ見ても面白いですよ。このいつ見てもお
もしろいのが芸なんだそうで、笑われているのではなく、笑わせているのでございます。
とエッセイに書いておられた様に思います。先日、小三治師匠もそんな事を言っておら
れましたかね。やすきよさんと同様に、枝雀師匠も再度スポットライトが当たってもいい
んじゃないかなと思います。文珍さんの本には、まだ鬼籍に入られたと言っても生温か
いものを感じます。ただ、上方落語の地位向上に努められた名人ですと書いておられ
ました。落語を見てもらうために、全国津々浦々を回ったからです。そして今、文珍さん
や鶴瓶さんなどが、同じように、灯を消したらアカンと全国を回っておられるのです。
枝雀さんも喜んでおられる事でしょう。上方落語は元より、東京の落語家さん達も
一生懸命やられています。三枝さんが中心となって、天満繁盛亭と言う落語の定席
も出来たしね。あの世で、アハアハアハと笑っておられる事でしょうね。
追伸
米朝師匠の体調がすぐれないと聞きますが、まだ連れて行かない様にお願いいたし
ます。
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