牛丼に見る300円の壁
モノの値段って何回かここでも書いていますが難しいですよね。購入する側として
はより安い方がいいのは分かりますが、価格を設定する側としては難しい。
牛丼の価格戦争が始まるとかなんとか言っておりますが、それに加担している
のはゼンショーの『すき家』さんと『松屋』さんだけで、今のところ『吉野家』さんは動か
ない。牛丼に関しては『吉野家』さんだけが上昇思考で、まずはおいしいモノをゆっ
くりと食べていただきたいと言うスタイルのお店にリニューアルしてますし、やっぱり
380円のお値段の中にもこだわりが見えます。これは商人の道としては正しいスタイル
の様に思います。すき家さんと松屋さんはやはり低グレードの肉を使ってそこそこの
モノをそこそこの価格で・・・と見えなくもない。290円、280円で出来るものを今まで
300円取っていたんでしょと言う気分になってしまいます。浮利(フリ)を取る仕事を
する事は暖簾(ノレン)に傷をつける事。ゼンショーさんの経営スタイルはどうも強引
でハンバーガーチェーンの切り捨てなどもかっこよくない。全勝を気取ってゼンショー
と名付けたらしいですが、全焼にならない様に切にお祈りいたします。M&Aで拡大
するのは良いのだけれど、その後、どう企業文化を作って行くのか・・・と言う事に
真剣でないのが、牛丼から見えるゼンショーさんの経営スタイルです。お客さんをも
手玉に取って、テキトーにあしらっていれば280円位ならばお金を落とすと思っている
様に見えてしまうのは私だけ・・・。パサパサの牛丼を280円で売るのもいいですが
すき家さんのこだわりのテイストをしっかりと提示してほしいものです。
こんな時代になってしまったのだから、最も得意とする分野にしっかりと経営資源を
集中させてよりよいモノを(高付加価値なモノを)これが『当社だ』と旗を高々とあげ
なければならない時代になったのだと思います。値段の中にその企業努力が見える
技をしっかりと打ち出して貰いたいものです。デフレの寵児『牛丼』の低価格
戦争と言われている現状から、吉野家さんは『戦争』での勝ち負けではなく、330円
の商品を磨く努力でこの時代を乗り切ろうとしている事に『経営者として素晴らしい』
と思いますので、敢えて記事をアップしました。
本家か元祖か知りませんが、やはりナンバーワンは堂々としていて自身を磨く事
で自信をお持ちなのでしょう。それに比して2番手、3番手がこうフワフワしていては
戦う前から勝負あったと言えなくもありません。こんな時こそ下位のモノが追い越
すチャンスはあるのです。それが価格戦争では芸がないと思われても仕方がないで
すね。吉野家さんも松屋さんも前年対比の売上は落ちているそうです。その事実を
どういう手法で乗り越え様としているのか。すき家さんは吉野家さんから50円の価格
差で顧客を取り込む事を狙っているのでしょうがなかなかに顧客にも拘りはあるよう
に思います。店舗数ではすき家さんが牛丼界ではトップになったらしいですが店舗内
のオペレーションを含めてとても管理状況は悪いと感じます。臭い、衛生面・・・トイレ
などはヒドイです。280円だから仕方ないか・・・と言うレベルです。飲食店ですから、
そういう質は上げて頑張ってほしいものですが・・・。本家・元祖の吉野家さんと2・3
番手の方々の動向についてしばらく注目していたいと思います。(とても勉強になる
と思いますので、皆さんもウオッチしてみましょう。たまにはお店に入って食べてみて
みたら・・・本当は食べ比べるのが一番いいんですけれどね。)
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