笑いと涙の位置関係
関西のお笑いは悪ノリ傾向があってなかなかついていけない・・・とご指摘がありました。
複数の方からそういうお話しを頂戴しております。皆さまにこれだけご覧いただいている
のだなぁと嬉しく思っております。
さて『笑い』と『涙』なのですが、通常は対極にある様に思われますが、実は案外そうで
はなくお隣同士の位置関係にあるってご存知ですか?
いいドラマと言われているものは、泣くばっかりでなく、笑って泣くからお腹いっぱいに
なるんです。笑い7 に対して涙3 ぐらいがいいバランスでしょうかね。落語にも人情噺
と言う部門があって号泣できる落語がいくつもあります。聞く側にとりましてはついつい
泣かせる噺家さんが名人上手の様に思われますが、やはり笑わせる方が泣かせるよ
り数段難しいですわと数人の名人と言われた方々の発言にありました。関西において
は落語と並んで『新喜劇』と言うものがありますが、吉本と松竹と2種類あります。芸術
度合いから行きますと、松竹>吉本です。ただ人気は、松竹<吉本かな。テレビ等の
媒体を吉本は持っていますし、安いお金で製作してドタバタに徹していますから、吉本
の方が人気なんでしょう。ただ笑って泣いて、また笑わせる松竹のお芝居を見ると、
本当にお腹いっぱいになります。いいものを見させてもらいました・・・と言う気分にな
りますわ。探偵ナイトスクープはたぶん笑いと涙の塩梅がいいと思います。涙と笑い
はそれぞれを引き立たせるスパイスになりうるモノと言う認識が大阪人にはあります。
これが大阪以外の土地の方には鼻にツクと評されるのかも知れませんが、これ
に慣れますと『笑い』と『涙』がそれぞれ増長されますから・・・お腹いっぱいになれるん
ですけれどね。笑っている内に涙が出て、また笑っている・・・セピア色の想いでには
そんなシーンが誰の心の中にもあると思います。本当に悲しい部分は涙が昇華させ
ていい想い出となる様に神さんが人間を作ったんです。笑いの部分はずっといい想い
出のままになる。人間は大半ツライ事、修行の場が続く様に出来てある。だけど人生
何回か生きててよかった~と思える事に遭遇します。この喜びに出会うために日々
の暮らしに頑張っています・・・。アレっ何の話でしたっけ。そうそう、笑いと涙です。
だから対極の位置関係やなく、ご近所にしてあると思うんです。きっと大阪人はソロバ
ンでその位置関係を掴んだんでしょう。だから『俄』から新喜劇へ・・・藤山寛美さんが
喜劇王と呼ばれる様になったんでしょう。藤山寛美さんのお芝居のDVDが我が家には
36本ありますけれど、もし良ければご覧になって下さい。ああこれがお芝居だなぁ・・・
とお腹いっぱいになると思います。私は『大阪嫌い物語』が好きで時々見ては泣き笑い
をしております。藤山寛美さんの精神と探偵ナイトスクープの精神は同じ所に根がある
様に思います。
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