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トキの事

 国宝の仏像や絵画の輸送を手掛けている日本通運の『海老名さん』が私の学生時代

日通の引越・美術品センターアルバイト時代の師匠だった事は前にここで触れました。

 現代の名工に選ばれており、プロフェッショナル等のテレビ番組にも出演されておりま

すし、法隆寺等の仏像美術の報道にもよく出て来ます。日本で仏像にあれだけ造詣が

深い運搬屋さんはおそらくいないのでしょう。海老名さんがテレビでお話ししていた事で

すが、何百年も人々の信仰の対象であった宝物を自分が壊すことなど出来ようはずが

ない。ただ何百年も前の仏像を移動させる事はとても恐怖です、と語っておりました。

だから各仏像毎に資料、文献に当たって最適な輸送方法を研究する。何度も何度も

話し合い、テストして博物館に仏像を運ぶ姿がテレビで映りました。上野に来た阿修羅

像も海老名さんの仕事でした。

 さて『トキ』が9羽、テンに殺されてしまったそうです。そして調べてみたら何百個と言う

穴があり、構造上のミスだと言われています。しかも小動物が入ってきていた事も知って

いたと言いますから呆れたものです。環境庁の職員には『トキ』が日本の宝であり、莫大

な予算をかけて守られていると言う事実を認識していないのでしょう。私はトキを見た事

がないので、守らなければいけないものかどうか判断できませんが、少なくともあの仕事

に関わった職員全員にプロの意識があるとは思えません。絶滅しかかっている命が失わ

れたらそれを再生できない訳です。その意識が環境庁には全く感じられません。そんな

人がトキを扱っていい訳がない。まだトキはいるらしいので即刻今まで携わった職員は

更迭させて別な管理者を探すべきであろう。国の宝を扱っていると言う自覚がないのだ。

職業倫理が欠如している。新潟の美術館でも国宝展示をしようとしている館内に『カビ・

クモの巣』が散見されるので文化庁から国宝を貸与しないと言う通告がなされたと言う

記事を先日目にしたが、これなども同様である。善良なる管理者としての注意などとは

比べ物にならぬ細心の配慮で国宝を扱わなければならないと言うプロ意識がそこには

見られない。それで博物館・美術館と名乗れないと言う意識がない。そんな輩に国宝は

貸さないと言う文化庁は偉いと思う。

 さて度々登場する職業倫理と言う言葉。大変に重いモノであり、しっかりとした職業倫理

を持って仕事をする事を常に心がけて日々の仕事に臨まなければなりません。いい加減

な気持ちで仕事をしてはいけない。西岡常一さん著の『木に学べ』を今は常に手元に置

いて仕事をしています。宮大工さんは凄いと思いますよ。仕事のオフの時も常に宮大工

さんですわ。心の在り方、日々の暮らしの中まで、神様に使える人の様です。だからこそ

仕事に魂がこもる、魂が入るのでしょう。

 我々庶民も、志は高く持って仕事に取り組みたいものです。天職を探すのは難しいと

よく言いますが、天職にするべく自身を研ぎ澄ませる事、それだけ身を律する事が実は

難しいのかも知れません。

 トキを国民の代表として扱っている環境庁の職員さん達にも、それだけの自覚を持って

ぜひ仕事をしてもらいたいと思っています。

追伸

 そういう眼で見ると司法書士のF君などは『職業倫理』と言う観点ではとても優秀な法を

扱う職業人だと思いますね。日々の心掛けが一般人とは異なります。やはり日々の暮ら

しの中にも『職業倫理』が透けて見える人と言うのが、専門職の人間ですね。

 法を扱う人もいろいろです。ここは殊に『宮大工』的であって欲しいと思いますね。

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