商売の心得
『汚く儲けてきれいに使う』・・・上方の旦那衆のお商売の極意だそうです。しっかり儲けた
お金は寄付や小学校建設などで社会に還元していたそうです。
これは直接的ではないですがお金の圧力に潰されない方法を説いた名言だと思います。
と言うのも前半の『汚く儲けて』の解釈が今とは違うので、お金はご不浄のもの、また商人
の身分が低かった訳で口銭を取る事そのものが蔑まれていた時のお話しだからです。
『ぼったくれ』と言っているのではありません。この解釈は『適正な利潤はいただきながら、
儲けたお金は社会還元、お得意先、仕入れ先にも儲けていただきなさい。決して自分だ
けが潤う様な事はしたらアカン』と説いているのだと思っています。
商売の極意を説いた言葉も間違って解釈するとあさっての方向に行ってしまいます。
商売とは利の薄いモノ。飽いたらイカンから飽きない(商い)と言う様になったとも言い
ます。利が薄いと言う事はお客様を大切にしていると言う事です。利だけが薄くても今の
世の中はダメで良いモノを提供しなければなりません。悪いモノを安く売るのは商売の
王道ではない。良いモノを売る事に精一杯の努力をし、安く売る事に切磋琢磨する。
松下幸之助さんや本田宗一郎さんもそうして今の繁栄を築いた訳です。
我が商売を振り返ってみますとまだまだ努力の仕方が不十分な所がございます。
安く提供する心は既に出来ている様に思いますが、(精一杯お客様の為に汗を流そう。
お客様以上にお客様の事を考えよう。) 良いモノが提供できているのかと言う点につい
てはまだまだ努力の余地がある様に思います。
不動産経営においても『経営』ですから通ずる所はあると思います。商売の心得をし
っかりと順守する心がなければいつか淘汰されてしまいます。本稿最初に書いた旦那衆
の会社の中で今も操業をしている所は数えるほどしかないはずです。奢れる平家も久し
からず・・・飽きない心、薄い利で辛抱する心がなければ屋台骨は持ちません。濡れ手に
粟のビジネスモデルはパッと咲いてパッと散る桜の様なビジネスです。人間の気持ちは
弱いですから一度覚えた楽はなかなか記憶から消えなくなります。これが商売の難しい
所です。清水健太郎さんと薬の様な関係になってしまいます。清水さんは警察が更生
させようと努力してくれますが、お商売は普通は助けてくれません。道を反れたら帰って
来るのが難しいんです・・・。
商売って難しいんですよね。
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