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【賃貸管理】督促における留意点 賃借人居住安定法案

  宅建業務法令研修会、第3部【法務研修】です。

 賃借人居住安定法案の第60条についてのお話しでした。

 上法はまだ継続審議中との事ですが、極めて悪法ですので国会議員の方々、心して審

議していただきたいのですがあの体たらくではね。こんなバカな法案を創る者が一番い

けないと私はおもうのですが・・・。

 この法案は、一部の家賃保証業者が不払賃借人に対して鍵を勝手に変えたり、室内の

家財道具一式を倉庫に移すなどの強硬措置を取った事が社会問題化して提出された法

案との事ですが、こんな法律はなくとも鍵を勝手に変えたり、室内の家財道具を持ちだす

事は違法だった訳ですからこんな規定を創る必要はない訳です。むしろ不払入居者に対

して手間暇とお金のかかる現行制度を改めれば、家賃保証会社だって強硬措置に出な

い訳ですがバカな議員には分からないのでしょう。

 この法律によると『威迫』が問題になります。督促行為そのものが威迫に当たると判断

される事があるので要注意せねばならないとの事です。督促の仕方そのものが非常に

難しくなりますね。お仕事をしている不払入居者に対して夜間の電話・訪問も規制されて

います。『社会通念上』と言う定義がありますが、不払側が『時間』に対して拒絶したら

アプローチが出来なくなると言う趣旨の法案なのです。(『正当な事由』と言う除外規定は

ありますが)

 『自力救済』に対しては裁判所は厳しい対応を現在はしています。鍵の交換で入室で

きない事案では居住用で有ればその間の宿泊費を賠償させられます。また正当な理由

なくして入室した場合は住居侵入として刑事罰が科せられます。(物件所有者でも正当な

事由なく賃貸物件に立ち入る事は出来ません。)

 第60条に関しては今後修正される事をっかりと望むべく行動をしなければ、ただでさえ

大家さんの権限は弱いのですが、更なる不良入居者に対する権利が弱くなってしまいま

す。キチンと不払は責められ、賃借しているお部屋はスムーズに明け渡される法案に

改正されなければ、どんどんと賃貸事情が『こじれる』と言う意味で悪化します。これで

は大半のキチンとお家賃をお支払いされている入居者さんが困る形になりかねません。

一番悪いのは悪意のある不払入居者であって、悪意ある者が『法』を盾に賃貸人に

金を要求する今の事態を看過しているのは大間違いだと思います。社会通念上許され

ざる行為はキチンと罰せられないと悪は蔓延ってしまいます。そんなおかしな立法に加

担している議員には猛省を促したい。

 具体的な事例として・・・

賃借人 Y が賃料を延滞したまま夜逃げをした。家財道具一式が置いたままとなって

いる。連帯保証人の父親に荷物を片づけて貰い、明け渡しを受けたいと考えているが・・

①連帯保証人の父親が荷物の受領を承諾して来訪。鍵を開けて欲しいと言われたが・・・

 ☞ 鍵は勝手に開けられない。住居侵入として刑事罰がある。裁判所に持ち込む事。

②連帯保証人が遠方なので着払いで荷物を送って欲しいと言われた。

 ☞これも同様にダメ。

③連帯保証人の父親は荷物の引き取りを拒否。ただ賃借人 Y が帰る事もないので

 家財道具を処分して欲しいと言われた。

 ☞これもダメ。裁判所に許可を貰う事。

 と言うのが今の判例なのです。こういうケースは充分に想定されると思いますが留意

しておいた方がいいですね。

 契約書上の条文についても制定文言そのものが『無効』と解されるものが多くあります。

 誤解を招くといけませんのでここでは触れませんが、充分に法の趣旨を理解して契約

書を作成しなければ、双方が合意をして契約した『契約書』ですが、貸主側の意向は

『無効』と判断される事もたくさんあると言う事です。

 従いまして、『立法の精神』を充分に考えて条文を作成し、また不払いと言う事態に

遭遇した際にも『出来ることと出来ない事』は充分に理解する必要がありますね。

 ちなみに『管理会社』が大家さんに代わって督促行為を行う場合、管理会社の立場

はあくまで『代理』であると言う事を認識し、『明け渡し行為』について諸条件の交渉を

賃借人とした場合に、別途報酬を得ると『弁護士法違反』となるそうです。

※弁護士法第72条・・・弁護士資格を有しない者は法律上認められている場合を除き

報酬を得る目的で法律事務を扱う事は禁止されています。違反は2年以下の懲役また

は300万円以下の刑罰が科されます。『明渡料等の条件についての交渉を進める事』

は法律事務になるとの事でした。

 宅建業者で賃貸管理を行う者は明渡交渉を行う場合が往往にありますが、明渡交渉

単独で報酬を得るものでない(管理委託契約による行為)としても、弁護士法に問われな

い事はないとは断言できないと弁護士が言っておりました。

 

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