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カンブリア宮殿・・・モリタ(消防車メーカー)、新村会長

 今回のカンブリア宮殿は消防自動車の『モリタHD・新村鋭男会長』でした。

 私は鉄ちゃんですが、消防自動車もファンが多いので、ある意味マニアには堪らない

回でしたね 色んな消防自動車がテレビに出たし、創っている最中のモノから最新作

まで・・・マニアにとっても素敵なモリタさんなのでした。

 さてモリタさん。名前は聞いたことがありましたけれど創業1907年の100年超の業歴の

ある名門企業なんですって。従業員は1500人、売上は617億円。日本初の木造ハシゴ

車なんかを創って来た。現状の国内シェアはポンプ車50%、ハシゴ車は95%なんだそう

です。ハシゴ車ってそんな技術が要るとは思いませんでしたが実はかなり難しい技術な

のだとか。アメリカを除くと世界で3社しかハシゴ車は創っていないそうです。難しいんで

すね。ハシゴをコンパクトにかつキチット収納する事も難しければ、伸びると下向きにシ

ナルそうで下向きにしならない様に予め上向きにハシゴを反らしてあるんですって。ここ

が匠の技なくして出来ないハイレベルの技。

 今や世界でモリタの技術が認められ、世界中からモリタの消防車を買いに来ている

らしい。消防車の価格って予想できないでしょ。空港用の科学消防車だと2億円、ハイテ

クハシゴ車だって1億円だそうです。(ちなみにモリタが作るのは車輛のボディから上の

部分。トラックは買って来るそうです。) ハシゴは53メートル、17階まで届くそうです。だ

から役員室は17階より下にある事が多いんですって。 シラナカッタ。

 トヨタやソニーでも出来ない技とハイテクが消防車には詰まっている。モリタだから出

来る消防車なんですと会長さんは自信たっぷりにお話しされていました。わがさいたま市

の消防車もテレビに出ていました。さいたま市の新消防車は泡で消化できるタイプでな

んと94%も水を削減して、かつ消化時間も短縮できるモノなんだそうです。これは阪神

大震災で至る所で水道管が破裂して、火災現場に到着しても消火活動が出来なかった

反省から来ているそうです。市民の知らない所でこんなに工夫をしてくれていたんです

ネ。ちょっと感動しました。

 消防車は以前は10年で買い替えていたそうですが財政難で更新も15年だとか20年

なんて車も出てきていると言う話しは それで大丈夫なん?と言う思いです。

 まぁ庶民の心配は置いといて、モリタにしたらパイが小さくなっている訳ですから環境

は厳しくなっているのは間違いないです。ただ新村会長、シェアを取りに行けと号令を

かけます。営業マンはシェアをとる事は利幅を削る事と反発しましたが・・・違う ち

ゃんと役に立つものを革新的な技術でもって売れば利幅は削らなくても売れると断言

します。ここで『企業理念』と言うお話しが出て来ます。

 業界トップ、100年企業には慢心があった。改革するために外部の血(新村さんは

山一証券副社長でした。)が必要だった。伝統が改革を阻害する。日産のゴーンさ

んと同じ仕組みがモリタの新村さんだったと。

 新村さんが企業再生でやった事の第一は『企業理念』を策定した事だそうです。

 既にモリタには社是はあったのですが誰も知らないものだった。社是(企業理念)は

なぜ必要なのか?新村さんはこう言っています。『会社はこういう事を考えている』

と言う意識を共有する事が大切だ。その中で会社の、また社会的な役割を各個人

が認識する事だ。それには個人の役割を明確にするって事も大切だ・・・。

 モリタでは仕掛の車輛にはそれぞれ誰が責任車か車ごとに明示しているそうです。

棚にも責任者の名は書いてある。これで自分の仕事を、会社をリスペクトし、リスペ

クトされる環境を創りだしたんだと言っておられました。これは凄いですね。ここしばらく

人間関係に置いても、仕事においても『リスペクト』と言う言葉に遭遇します。恋愛だっ

てリスペクトが大切なんだと別の番組で言っていました。リスペクトとは自分が認められ

ていると感じることであり、他者を認める事でもあります。お客さんからリスペクトされる

事って営業の仕事ではとても大切だと痛切に感じますね。(閑話休題)

 利益が無ければ会社は永続できません。しかしながら利益をただ産めばいいと言う

のでもない。利益を産み出す為には目指すべき目標(経営理念・社是)があってその方

向に進まなければ意味がないと言っておられました。山一証券の崩壊を見、モリタの簿

外債務を整理した新村会長だからこそ言える言葉かも知れませんね。

 山一でシビアな覇権争いを経験し、そこで経験した者だけが持つ強さと優しさを・・・

と龍さんが言っていましたが、新村さんの話し方、風貌を拝見していると優しさが強調

されるご仁だなと私は感じました。

 山一の廃業に至るプロセスを経験したからこその達観か、優しさか・・・。

 最初は単純に『働く車好き』としてカンブリアのモリタさんの巻きを見ていたのですが

経営とは・・・と言うとても大きな命題をドンと付きつけられた会となりました。

 私の会社はまだ玉子のカラがくっついている様な出来たてのホヤホヤみたいな会社で

すが、100年も存続している会社にだって淀みが出来る。慢心が生じる。赤ン坊みたい

な会社だって、オジイサンみたいな会社だって常に改革する心が必要なんですね。

 利益が無いと確かに会社は存続できません。が・・・お金に色は無いモノのお金の

儲け方には方法がなきゃいかん、と言うのは我が意を得たりです。浮利は狙ったらアカ

ンのです。浮利にはリスペクトは伴わない。悪評、ノレンを汚すだけですわ。信用・信頼

を得て永続するのか商売です。利益は血液の循環ですから利益がなきゃ本体は死ぬ。

ただ何でもいいから利益をとって来いではやはり会社は崩壊するのだと思います。

 真面目な事を真面目にしてたらお金は儲からないと良く言います。しかし逆にそれを

飽きないでコツコツやる事、慢心の芽を摘みながら地道にやるのが商売なのかも知れ

ませんね。

 消防車を創るモリタだけに野望は ジュジュジュと消火され、商売の道を実感する

カンブリア宮殿・モリタさんの巻きでした。

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