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カンブリア宮殿・・・物流大混乱に立ち向かえ クロネコヤマトさん・イオンさん

 今回のカンブリア宮殿は震災の影響を『物流・流通』の観点から見た特番でした。

 サブタイトルは『ニッポン復活のカギは企業にあり』。

 再三に渡って被災地の状況が報道されています。港や鉄道が壊滅状態でした。震災から

40日が経過して、被災地の今をカンブリア宮殿なりに捉えた回だと言えました。

 『思いやりも大切ですが、物を届ける事、物流が命を助け、危機を救う』と言うテーマです。

 物流・流通の2点から構成されていたのですがまずは『物流』としてクロネコさんがとり

あげられておりました。

 市の管理する支援センターに自衛隊員に混じってクロネコのドライバーさんが働いて

います。

 支援センターは市と自衛隊が管理しているのですが、やはりマンパワーが足りず、

在庫管理のノウハウもないので現場は混乱していたそうです。そこで見かねたクロネコ

の社員さんが本社の支持ではなく無償で協力を申し出た30人の有志の方々が居たそう

です。彼らも被災者で家を流された方も居た。本社もそれを聞いて支援に動きます。

全国からそれぞれの分野のプロを現地に派遣されたそうです。

在庫を倉庫のどこに何が何個あるのかデータベース化し、避難所の数、年齢、状況や

要望もデータを取って管理をされた。ミスマッチを無くすことと9台のトラックで90か所を

定期便化する事で不満と不安を解消して行くことに務められておりました。

必要なモノは日々変わりますが、定期便と要望を聞く姿勢を支援センターが汲み取る形

が出来上がって行っておりました。自衛隊は7月には撤退予定なのだそうですが、地域

はその後も活動して行かねばならない訳で、その支えをヤマトさんは引き続き支えたい

とお話しされておりました。瓦礫の山の中で泥だらけになって走るクロネコさんのトラック

が、おそらくは被災者を数多く勇気づけた事と思います。

 社長さんが語っていた言葉です。

 『社員さん達が本社の許可も取らずに、会社のトラック・燃料を使って支援したいと申し

出た事は大変勇気がいる事だったと思います。ただその思いに涙が出るほど嬉しかっ

た・・・。』クロネコヤマトさんの社風・企業風土なのだと思います。

 ドライバーさん達が『差出人の思いを届けたい』と冠水しめちゃめちゃになった建物を

グイグイと進んで3階まで荷物を届けに行く姿や、避難所か捜索に出かけているのであ

ろうやはりめちゃめちゃになった家屋に荷物を届け、不在を確認して、避難所か日中

片づけに戻る所を見つけて荷物を届けようと努力されている姿や、○○避難所、2階

▽△様と言う宛名のみで荷物を届けようと努力しているドライバーさん。そしてその荷物

を受け取った被災者さん。荷物の中身は被災者さんの親族からで被災者さんの職業の

理容師さんの仕事道具でした。店舗は無くなったけれど元のお客さんに出向いても理髪

出来れば喜ばれると思うし、店舗が無くても生活が始められる・・・。宅急便が復興を支

え、未来を繋ぐ仕事をされていました。

 村上龍さんの言葉です・・・。

 ガソリンは物流の基礎。ヤマトさんは被災地で非番の人が交代でガソリンを入れて

物流を支えた。ガソリン不足に対して政府の対応のまずさはひどい有様だった。ガソリ

ン不足によって支援物資の物流も滞った。ガソリンがいつ来るのか、生産状況・出荷

状況を発信する事がとても大切だったはずなのですが、『物流に対する危機感が政府

には欠落していた』と語っておられました。

 キチンと発信できており、例えば1週間待って貰えればガソリンは皆さんに届くので

1週間だけ辛抱して欲しいと言う意思が伝わればガソリンの行列はもっと短くなり、支援

物資ももっとスムーズに届いたのではないか・・・。

 精神的な支援も大切なのですが、マンパワーと物資を被災地に届ける事がとても大切

なのです。物資は集まっているのにガソリンが無いので動かせない・・・。大いに問題が

あったのですが、民間企業が誰に命ぜられる事もなくボランティアとして会社の支持で

なく末端のドライバーさん達が地域を支え、勇気と元気を泥だらけのトラックで届けた

事は称賛されるべきだと思います。

 次は『流通』です。

 流通では『イオン』さんが取り上げられていました。

 イオンさんでは震災等の発生時には大量の物資を届ける契約を結ばれているそうで

す。ただイオンさんも震災で288の店舗が被災をしました。物流センター(RDC)も被災し

東北の物流拠点は稼働しなかったそうです。そこで執行役員が現地に入り、拠点を京

都・三重に移して西から荷物を運んだそうです。PBブランドが有り、在庫も持っている

からこそ出来る力とも言えるのでしょう。グループ内にガソリンスタンドもあるのでガソ

リンの確保も出来た事は幸いしたと番組内で語っていました。

 石巻の店舗では店舗内はめちゃくちゃだったけれども震災後20日で屋上のみで販売

をはじめておられました。値札は商品に手書きです。再開の日の朝の唱和では社員さ

んが涙を流されているシーンが印象的でした。

 別の店舗での再開シーンではたくさんの物資を陳列している姿にお客さんが『買い物

を楽しめる』『品揃えも震災以前と同様で、なかなか周りの店舗では物が揃わない中で

とても助かる』と喜んでおられるシーンがありました。

イオンの岡田社長さんは『物資を届け、安心して暮らせるようにするのが最低限の

役割だ』と語っておられました。

 また『東京発の終わりのはじまり』とも語っておられ、一律ではなくこれからは地域ごと

に経済活動を行っていくようになるのでは・・・とも話されていました。

番組のラストでは営業再開の店舗で揃えられた600台の自転車売場の行列に並ぶ1人

の中学生の女の子を取り上げていました。

 海のそばの中学校に以前は通っていたのですが余震が続き津波の心配もあるので

転向するのだそうです。少し遠い学校に新しく買った自転車で通うのだとの事でした。

この自転車で少しでも早く『震災前の日常生活』が送れるようになる事を心より祈りま

す。

 村上龍さんより。

 『日本の民間の物流システムはその力を試された。そして彼等は平時の業務で

 鍛えられた成果を見事に発揮したと思う。』

 緊急車両優先として物流を支える車は『緊急車両』ではないとされたそうです。

それ故に集まった物資が届けられなかった。東京ではクロネコさんの活動が分からなか

ったのでしょう。やはり現地に出向いて陣頭指揮を取れる体制を築くことです。イオンさ

んは西から物資を届けられた訳ですから。政府は未だに現地に統合本部を置かず縦割

り行政の弊害を放置しています。呆れます。

 物流・流通により『日々の生活』を支えられて、未来に向かって被災地は歩きだそうと

しています。心を痛め、復興支援の手助けをしたいと言うヒューマニズムは日本全国に

芽生えていますが、被災地では『今の暮らし』が有るわけで、衣食住からはじまってこれ

からの生活の目処、そして未来への希望が醸造されなきゃいけない訳です。

 命の危機が去り、失った財産の悲しみを乗り越えて未来に子孫をそして地域を届ける

為に頑張らなきゃいけないわけです。

 とてもご苦労の多い事だと思いますが、地域は復興の意思が芽生えて来ています。

そしてそれを支えているのが『物流』であり『流通』でした。

一企業としてやれる力には限りがあるのでしょうけれど、高い志のもとで地域に元気

を届けておられました。

 会社が素敵だから社員さんも素敵なのか・・・社員さんが素敵だから会社が素敵な

のか。地域に根差した活動をしている企業さんにエールを贈りたいと思います。

 ありがとうございます。そして活動を応援します。

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