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カンブリア宮殿・・・万協製薬 / 松浦信男社長

 今回は阪神大震災で被災、神戸での操業をやめ三重県多気町で復活を果たした『万協

製薬』さん、社長の松浦信男さんがゲストでした。

 テーマは『必要とされる会社とは』。

 冒頭では工場の設備をずっと放映していました。年間1000人が工場見学に来るそ

うで地震に対する備えにとても配慮した設計にしているとの事。それは阪神大震災で被災

したからその経験を踏まえて、従業員が亡くならないために、そして被災しても1カ月後に

は再稼働できるシステムをかなりのお金をかけて作っていると言う事でした。

 ??? イントロダクションでしょうか。

 さて『万協製薬』さんって何を作っている会社かな?あまり聞かない名前だなぁ。

 正解です。実はOEMで外用薬と言う皮膚などな塗る薬やハンドクリームなんかを作っ

ている会社なのです。OEMですから相手ブランドで商品は流通しています。それで我々

には認知度がない会社なんですね。OEM専門メーカーとして65社・200種類に及ぶ商品

の製造に携わっているそうで、年商は19億円、従業員は100名の会社だそうです。

 松浦社長は阪神大震災で地獄を見ました。『二度と震災と同じ目に遭いたくないと思う』

とお話しされていました。

 震災で何があったのか・・・。

 会社の設立は1960年でお父様が創業され、『レーバン』と言うぢの薬を作っていた会社

です。松浦信男社長は1982年に入社します。そして1995年阪神大震災が発生します。

 3階建ての社屋は1階が倒壊し、親父さんはショックで体調を壊します。そんな中で再建

をする為に従業員さん達に後片付けをしようと提案するも、けがをした時の保障などのお

話ししか出て来ない状況にあ然とされます。従業員さんに必要とされていない会社になっ

ていたんですね。『自分の会社は世の中に、そして従業員に必要とされているのか?』と

言う存在意義に悩みうなされる3日間を経て、全従業員を解雇します。希望なんか全く

持てなかった。そんな時にお客さまから商品を求める声が届きます。『必要とされている

声』ですね。そこに希望を託しますが、神戸の工場跡地は激震災害地区の長田区であ

り再開発地区に指定、立退きを求められ6000万の立ち退き料と5000万の借り入れで

三重県多気町の競売物件の工場を買い求めて操業を再開します。

 ただレーバン1種類では働けど働けどお金が足りない状況になります。3年間は『倒産』

の事ばかりを考える毎日だったそうです。

 親族・知人を頼って新しい仕事の獲得に動いた矢先に、今までチューブ入りの外部薬

しかやって来なかったところに容器に入れての販売話が来まして、顧客の要望に応える

べく初のOEMの仕事を受注します。ここが転機になるんですね。

 OEMで勝つにはオリジナル商品を創らなきゃいけない。独自の開発室を持ち自社で

商品を開発。その商品の売込を続けているそうです。営業スタッフはおりません。

新製品をDMで送り、感度のあった先でプレゼンをして顧客を開拓して行く。

 ライバル品との成分比率比較から始まって、パッケージデザインまで・・・もうすぐに

売れる状況まで煮詰めたプレゼンをされています。あなたじゃなければ他社で売って

いただきましょう・・・と言う状況ですから決して下請けではないですね。

 実際、水虫薬を例にとりますと成分は違う商品ですがチューブからパッケージに至るま

でブランド名は違えども同じ寸法で作られています。1つの商品の製造が終わるとライン

の洗浄をした後、他社ブランドの商品を同一ラインで作っています。徹底しているのは

常にライン稼働率は30%以下に設定して、新商品が来たときの為に備えておられるそ

うです。OEMだからこその配慮ですね。

 従業員にも世の中にも見向きもされなかった会社が今や必要とされる会社に産まれ

変わった。自分たちのブランドでなく相手ブランドで売って貰いながら主体性を持って

経営をする会社に進化したんです。

 松浦社長はこれをレンタルビデオ方式だと呼んでいます。

 どう言う事か?

 一度見るだけならば高いお金を出してまでソフトそのものを買わなくてもレンタルしたら

良いじゃないか。 ???何の事かな・・・頭の回転が悪い私にはピンと来ませんでした

が、例えばドラッグストアなどがPB商品を出すのに際して、都度高額な機械を購入しな

いでも万協製薬が持っている設備を使えばいいでしょう・・・。レンタルビデオ方式とは

自分がビデオ店になる事なんです。ただ主体性を持っているから『企画の統合』は自分

の所でやっているんですね。ここがミソで『お上手』な経営、ビジネスモデルですわ。

 ここから後は『従業員の働きがい』について・・・です。

 工場には4000冊の漫画が置いてあり、卓球台やボクシングのリング・サンドバックな

んかが置いてあります。従業員さんは『楽しい』とテレビカメラに向かって言っています。

『社員から必要とされている会社』とは『働いている人にとって良い会社』であり、それ

は『自分の意見が社長に届く会社』だと松浦社長は考え、『提案書』を制定します。良い

案には賞金が出るそうです。以前ここに書いた『未来工業』的な方向性ですね。

 改善の方法を提案書に求める事から、海外旅行支援制度・・・似ていますね 

 仕掛け部分ではちょっと違っていて『班』を他部署の方とチームを作って1年間活動す

るのだそうです。(社内では『プチコミ制度と呼んでいる)・・・ チームで海外旅行に行き

たいと言えば補助される仕組みなんですって。これで何を求めているのか。連携連帯、

家族的な雰囲気の醸造する事にあり、実際組織の距離感が近くなり問題解決能力が高

まっているそうです。社員から必要とされる為には社員の意見が届きやすい会社を作る

事。それを機能的な社内システムで昇華させる為の制度なんでしょう。

 もう1つあります。感想文制度です。これは???ですね。

 映画や本などお題を決めて3カ月に一度感想文を書き、社内のシステムにアップする

んです。誰でも読めるんですって。1つのお題に対して、彼はこんな風に考えるのか~

といろんな方々が認知する。大きな家族を会社内で作ろうとしておられるのです。

 『今度こそいい会社を創ろう、素晴らしい会社を創ろう』と言う思いの実現の為に、

冒頭の工場の徹底した防災意識(従業員を震災から守ろうと言う意識を従業員に分かっ

て貰う感覚的な意味とお客さんへの商品提供を早期に立ち上げようと言う2刀流の意味

がある)と言う事をあれだけ長時間放映したのか・・・と言う思いでした。

 東日本大震災で被災した多くの企業にも『万協製薬』と同様の環境が迫っていると思

われます。

 松浦社長は被災した立場より、『3年、5年は頑張れよと言われて悔しかったです。

実際頑張って居ましたから。それを言葉にすると苦しくなるので自分の会社を取り戻す

戦いを続ける信念で頑張って欲しいと思います。』

 さらに『被災地はインフラが整っていないので現在の場所を離れても経営を続ける努力

を選択肢に持ってもいいんじゃないか。今まで作ってきた商品やサービスに誇りを持って

経営者は続けて行く事が務めだと思う。』とお話しされていました。

 雇用と言う視点に立つと地場で経営を続けて欲しいと言う想いもありますが、会社の

炎を絶やさなければ今の万協製薬さんみたいに復活して、良い会社に出来るチャンス

はありますよ・・・と言う事かも知れません。

 東北魂と言いますか今回の被災地の皆さんは会社を復興させようと社員一丸となって

努力されているシーンばかりが報道で流れますが、皆が皆そうではないのでしょうね。

 人間万事塞翁が馬・・・の言葉の例えじゃないけれど、一度ドンと落ちる過程で何か

を掴んで転機となせる場合はありますね。何かを手放さなきゃ別の何かを掴めない。

OEMへの第一歩のチャンスを掴んだのは失ったからこそだったのかも知れません。

 村上龍さんの評です。

松浦さんは「必要とされる会社」を目指し、見事に達成した。日本社会特有の「甘え合い」を拒否したのだ。何かして欲しい、だから誰かを必要とする、それが甘えだ。会社も個人も、必要とされるためには、誰かのために何かを為すことができる存在にならなければいけない。必要とされる存在になるのは、非常にむずかしい。自立し、さらに実力と魅力を備えていなければならない。

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