カンブリア宮殿・・・P&Gジャパン / 桐山一憲社長
台所洗剤の『ジョイ』やシャンプー『パンテーン』、衣料洗剤『アリエール』、『レノア』・・・。
まぁたくさんの有名商品がある企業さんです。世界で300のブランドを販売しており、
年間7兆円を売りあげる会社。凄いですね~。
P&Gは【完成されている企業】でした。カンブリア宮殿で村上龍さんと小池栄子さんが
斬りかかって行っても跳ね返された感が強く、語りつくせない回だった様に感じました。
今放送の1時間の短かったことったら・・・。
P&Gの強さの根源は『消費者ニーズの理解』にあると桐山社長は語っていました。
P&Gは紙おむつ『パンパース』を引っ提げて日本市場に参入したのですが、大いに
苦戦し、日本からの撤退も考えられていた時代が1985年頃あったそうです。桐山社長
はその頃に入社します。その頃のP&Gでは日本市場を『厳しい市場だが野望を持って
シェアを倍にしよう』と言う活気はあったそうです。
そしてP&Gはこの10年で売上は3倍になったそうです。
龍さんが尋ねます。
『市場を拡大する秘密は?』
桐山社長さんの回答は・・・。
『日本の市場は厳しい。(消費者の眼が) 誰の為に製品を作っているんですか?』と
言う事をP&Gでは徹底してやっています。全てのスタートポイントは消費者のニーズに
あります。消費者ニーズの理解がとても大切なのです。
【パンテーン】の開発を例にとって日本人が好むポイントを調査により理解し、極めて
感覚的な嗜好を的確に分析し、商品化する姿が画面に映っておりました。
日本人は商品に対して辛口の評価をするのだそうです。だからその辛口な評価に
挑む姿勢を常に繰り返して行く事で世界的に通用する製品が出来る・・・。
貧しくてシャンプーのボトル1本に手が出ない国であれば、小分けして使って貰う努力
もしている。1回の利用が2回、3回と増えて行く事を期待している。使ってもらえる様に
ニーズに合わせる事は、P&Gの手間暇よりも優先すると言う徹底したポリシーが全社
員に共有化されています・・・と言いきっておられました。
良い会社ですね。完成された会社と言うべきなんでしょうか。
次に番組では『ヒット商品の作り方は?』と言う質問を投げかけました。
桐山さんは市場調査と答えておりました。
市場調査では一般家庭に理科系のスタッフが直接訪問して一日の家庭内での主婦の
動きを直接見て、質問されていました。龍さんはその姿を見て、『カウンセラーの様です
ね。』と感心されていました。
桐山社長の一言です。『インタビューの回答に答えがあるのではなく、その回答の向こう
にあるものを掴む事です。』
一例をあげると『ファブリーズ』の開発があるそうで、主婦の困っているモノに『ソファ
ーや絨毯など洗いにくいモノを簡単に洗いたい』と言うのがあった。どうしたら簡単に洗
い難いモノが洗えるのか・・・そういう発想から消臭殺菌のファブリーズが生まれたんです
って。私もファブリーズにはお世話になっていますので大したもんだなぁ~と言う気持ち
です。
洗濯洗剤ではP&Gのブランドは『アリエール』だそうですが、私は一度も買った事がな
いですね。洗濯洗剤では苦戦しているのかなぁ。でも今度『アリエール』が凄い商品を創
ったみたいです。子供は食べこぼしをしますよね。私も味覚がお子ちゃまなのでスパゲ
ッテイやハンバーグが大好きなのですが、衣類に時々食べこぼすんです。油のせいな
のか一度衣類に着くとなかなか落ちませんわ。
私は独身ですから食べこぼしのシミと独りで格闘するなんて事は頻繁にあって、大抵
は食べこぼしの方が勝つんです。いろんな洗剤を買ってあって悪戦苦闘しているのです
が小さなお子様がいる家庭では主婦はご苦労されているんですね。そこで発想の転換
で衣類をイオンコートして汚れをつきにくくしてしまえと言う【予防洗い】なる商品が出る
らしいですよ。独りで手洗い、揉み洗いをするのはむなしいので絶対買おうと主婦の
私は思っている次第です。
『消費者はボス』と言う信念のもと、年間350億円をかけて一般家庭に出向いて訪問
調査を続けている所にP&Gの力の源泉がある・・・これは間違いの無い事でしょう。
さてさて村上龍さんはもう一歩突っ込んでのご質問。『年間350億円もかけられない
中小企業にアドバイス出来る事はないですかね?』と質問されました 。
桐山社長は明確に返答をします。
『コストや時間を大量に投下すれば良いと言う事ではないと思う。例えば社長自ら
消費者ニーズを得る為に出向く事が出来るのではないか?』消費者ニーズは足で
知るんですヨ。
最前線で市場調査の為に一般家庭を訪問して、インタビューをしながら観察をして
需要を知る為には人材育成が欠かせません。全社員共通のトレーニングがあり、
受講科目は多岐に渡っているので社員さんが自由に選択して勉強しているんですって。
社内公用語は英語だそうです。
P&Gでは人材とは育てるモノと言う発想があるのでヘッドハンティングなんてしないそ
うです。そう言いきれる姿がまた完成された会社である証明ですね。
従業員さんはP&Gの事を『当り前のように人材育成に力をそそぐ会社だ』と語ってい
ました。
人間はある程度負荷をかけないと成長しない。筋肉と一緒ですね。しっかりトレーニン
グしないとダメなんです。自分でチャレンジ出来る人を何人育てる事が出来るか?と言う
のが力の源泉だ・・・と人材育成のマネージャーさんは語っておられました。
P&Gは女性にも門戸が開かれている会社だと言う評価があるそうですが、桐山社長
はP&Gは決して甘い企業ではないですよ。性別や国籍によって差がない会社なだけで
す。しかり取り組めば正しく評価されているだけです・・・。
龍さんが『最後に今の若者達に一言』・・・と振った桐山さんの回答です。
『日本人は優秀だと思います。若い人達に求められるのは新しいカルチャー、価値観
の中で自分を変えて行ける覚悟があれば通用しますよ。成功したいと言う想い覚悟に
変えて自分を変化させて行く事です。』
P&G・桐山社長は完ぺきな会社の完ぺきな社長さんでした。
村上龍さんのショートエッセイが今回も流れたのですが・・・今回は割愛です。
龍さんのワンフレーズ・・・『正確で繊細な戦略』 。
P&G・・・いい会社なんでしょうね。完成されているからなかなかどこから手をつけて
いいのやら・・・と言う感じだったなぁ~。龍さんも手を焼いていた様に感じます。
歴史があって、組織を鍛え、磨いて来た会社ですから、パパッと真似る事など出来な
いのかも知れません。
だから『考え方の源』の紹介をしておこうと言う巻だった・・・本日のカンブリア宮殿で
した。
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コメント
・・というより敢えて多くは語らない、ノウハウは決して明かさない会社なので社長といえどもペラペラしゃべれない。もとP&G、
投稿: 岩本憲俊 | 2011年9月26日 (月) 09時01分