今回のカンブリア宮殿のゲストは『スーパーホテル』会長の山本梁介会長です。
とても面白い方でした。(再放送があればぜひ見たいと思います。)
今日は私事で恐縮ですが夜遅い商談があり、放送の半分弱はカーナビで視聴しており
普段の様にメモを取りながら・・・と言う状況ではありませんでした。(こんな時に限って面白
いんですよね~
)
私は全国をよく旅行します。独身ですから旅館やホテルにはなかなか宿泊できないので
どうしてもビジネスホテルに良く宿泊します。ただスーパーホテルには今まで宿泊したこと
がないので・・・次の旅ではぜひ
狙い撃ちをしようと思いましたよ。
スーパーホテルの稼働率は89%、リピート率は70%・・・え~っ、凄い 
また泊まりたいと思わせるホテル作りを山本会長は志向されておりまして・・・。ビジネ
スホテルにお客さんは何を求めているのか?とはたと考えたそうです。
ビジネスホテルのチェックイン~チェックアウトまでの滞在時間は約10時間。その内
7割は睡眠時間なんですって。(私はもうちょっと短いなぁ~。)
それならば『睡眠』にこだわろう・・・と考えられました。
①フロントで枕を7種類から選べる、②館内、室内の明るさの工夫、③ベッドの大きさ、
シングルルームでもダブルベッドが入って居るそうです ④マットの固さも2種類から選
択、⑤冷蔵庫の音なども配慮、図書館並みの静けさを提供、⑥天然温泉(半数の店舗)
等々の施策を実施しているんですって。私からするとこれだけやってくれておれば今まで
のビジネスホテルの大半の不満は解消されています。知らない土地でよく眠れると次の
日の活動が充実しますからね。
一方で、チェックイン、チェックアウトは自動にしていたり、室内の電話、冷蔵庫内の
有料ドリンクは省いているそうです。(全然OKですよね
)
基準は『100人のお客様が1人しか困らないサービスはどんどん切り捨てる
』
明確
これを実現するので『良く眠れて、安い』ホテルが出来上がる・・・。
番組の順を追わないでごめんなさい・・・。
スーパーホテルの凄さの秘訣は上記の『無駄を省いて、追うモノは追う姿勢』なので
しょうが・・・私にはもっと面白い話しがありました。
『パーソナライズ』です。ちょっとした一言なのですが『あなただけ』の言葉をスタッフが
キチンとかけているのです。これって難しいですよ。マニュアル化の上を行く行為ですか
ら。でも『この前は○○に泊まられて・・・』とか、チェックイン後の外出から戻った際に、
『外の寒さはいかがでしたか?』・・・。スタッフ力、ホテルマンの差・・・に驚きました。
申し訳ないですが有名なホテル・ビジネスホテルに宿泊してもそんな事、言われた事が
ありません。この一言で痺れてしまいそうです。龍さんもこの点は触れておりまして、あの
一言って教えられても出て来ませんよね・・・と話しておりました。
龍さんの疑問・・・『なぜこの人はこんなに素晴らしいホテル経営者になったのか?』
山本会長、ずっとホテル業界に居た訳ではないんですよ。まずは商社で繊維を扱う。
その当時は地味な女性下着ばっかりだったんですって。そこで山本さんは『花柄の下着』
を作って売った。今でこそ当たり前ですが、時代はまだちょっと早くてあまり売れずに上司
から大目玉。ちょうどワコールさんがショーでそういうものを提案しようとしていた時だった
ので損はしなかったそうです。(時代より先に行きすぎたんですね。)
その後、賃貸マンション業界へ。当時あまりなかった独身専用マンションをたくさん建
築したそうです。今の数からすると相当儲けたんでしょうね 
そして50歳をまわってからホテル業界に入られたそうですよ。時代を先取りするセンス
があるんですね。山本さんは言っていました。
『世の中に先駆けたモノを出したい
』 『それに必要なモノは好奇心です。』
面白いでしょ
これを知っておいていただいて・・・また面白い話しです 
横浜関内店。震災後の稼働率、4月は63.6%まで低下しました。89%が平均ですから
随分悪いですよね。そこで『ベンチャー支配人』を派遣した。ベンチャー支配人とはホテ
ル界の経験を問わず、研修を受けた方(夫婦が必須)が1DKのビジネスホテル内の部屋
に住み込んでお仕事をする制度で任期は4年。家賃や光熱費は会社持ちなので大半の
給与は貯蓄に廻せるそうですよ。夫婦で1300万円程度の年収になるとの事でした。(成
績により上下はあるそうですからもっと頑張れば良いのでしょう。)
さてさて関内店ですよ。新しく派遣されたベンチャー支配人さんはまずは近隣のビジネ
スホテルの価格の調査をしておりました。震災が影響しているのでどこも価格を下げて
いました。ただこの店長の偉い所は価格競争には踏み込みません。支配人さんには
たくさんの権限があって価格やプランの稟議を本部にあげられるそうですが、彼は関内
の特性を活かして40個のプランを作ったそうです。クルージングのセットプランやら中華
街のお食事プランなど。宿泊料の値引きはせずに集客をしようと試みるのは偉い 
7月の稼働率・・・97.8%にまで改善して『満室』の看板が出ている事も多いそうです 
この関内の支配人さん・・・4年後はご実家のある青森で小料理屋さんをしたいそうで
す。
また淡路島でダイニングを経営されている支配人OBさんのお話しも取り上げられてお
り、彼の発言がまた良かった・・・ 
『店舗経営とはリピーター、ファンをどうやって作るか・・・と言う事であって、スーパー
ホテルの4年間で充分に学びました。そのノウハウが活きているんだと思います。』
人気店を創られたからこその発言ですね 
山本会長曰く、
『燃えて貰うのには夢がなきゃダメ
』 『仕事と夢の両立です。』 『夫婦には阿吽の
呼吸と言うモノがあります・・・。』 会社も嬉しいし、従業員さんも嬉しい・・・。
この辺に、ちょっと前に話した『パーソナライズ』がスーパーホテルで自然に根付いた
根拠があるのでしょうね。ここまで聞いたら『ファン』になりませんか・・・
龍さん・・・なるほどの一言です。
ホテルには結婚式やらパーティーやらいろんな催し物が付き物ですが、スーパーホテ
ルの業務内容がシンプルだからこそ未経験者が50日弱の研修で活躍出来ると言う事
なんでしょうね・・・。
『どこにも、誰にも出来る事を徹底してやり、お客様の納得を得るんですよ。』
『ビジネスモデルとしては(色んな部分を切り捨てているので) お客様の不満もあると思
う。ただ全てのお客様が満足しなくても良いと思う・・・。』と山本会長は笑っておられま
した。
村上龍さんのショートエッセイです。
『選択と集中』は流行語と化したが、ターゲットとする客層とサービスを絞り込むのは簡
単ではない。選択とはあれもこれも選ぶのではなく不要だと判断したものを切り捨てる
ことだ。スーパーホテルは団体客への依存と不要なサービスを勇気を持って削ぎ落す
事で本当にスーパーな存在になった。必要不可欠なサービスを徹底し、個人のリピータ
ーを獲得しなければこれからはどんなサービス業も生き残れない。
その通りだと思います。
山本会長、凄い人だと思います。まずは泊まってみて感動を経験したいなぁ~。
近くだと大宮にはありますね~。知れば知るほど好きになりそうな・・・そんな素敵な
リーダーに率いられた素晴らしい会社だなぁ~と思いました。
最も難しいサービス・・・『パーソナライズ』の醸造方法と言うのは『仕事と夢の両立か』
今、田原総一朗さんがネットで『仕事に活かす読書術』と言うテーマでマルクスの資本論
を書いています。マル経と言うだけで敬遠されがちですが、今だからこそ資本主義を考
えよう・・・。とてもよく分析されているのですがマルクスの限界、労働組合の限界は、
労働とは奴隷労働であり資本家からの搾取だとされているが・・・『働きがい』と言う概
念が欠如していると書いていました。
http://www.mikasashobo.co.jp/column/tahara/20110719.html
話しが脱線しましたけれど『働きがい』の創造と『選択と集中』を徹底する事で、突出し
たトンガリがスーパーホテルの場合は出来たと言う事です。
今回のお話しはしっかりと自分で消化して、将来に活かしたいと思いました 
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