カンブリア宮殿・・・建築家 / 隈 研吾さん
我が不動産業界と関連性の深い分野である建築。
ただちょっとアパート建てたいんですとか、9階建てのマンションを建てたいなどと言う分
野と全然違う世界の『建築家』の先生のお話しです。
隈 研吾さんってお名前は聞いたことがありましたけれども・・・めちゃくちゃに忙しい方
なんですって。現在日本で20件、海外で30件のお仕事が同時並行で進んでいるそうです。
パリに行って8時間滞在で、次はロスに飛んで・・・のスケジュールでお仕事をされてい
ます。
番組では長岡市のアオーレ長岡と言う施設の建築で、隈さんが長岡に到着。まちかま
える現地スタッフ5名が打合せのシーンが放映されました。滞在2時間で長岡を後にし
てました。現地に行くことの意味は【質感など、現地で手に取らなければ分からないもの
があり、材料の素材、色ギメなどをされる】と言う事でした。
隈さんのお仕事の仕方は次の通りです。
①まずは隈さんが基本的なデザインのイメージを決める
②スタッフが具体策を練る。たくさんのプランを作る
③その案から隈さんが選択して仕上げて行く・・・と言うものらしいです。
私には凡人なので分からない世界です。110名のスタッフ君達の事を考えました。
②で具体策をどんどん考え、取捨選択を隈さんの部下として受け入れる事で勉強
にはなるのでしょうが・・・①の【基本的なイメージ】だったり、仕上げて行く過程だったり
・・・そのジャッジメントが隈さん任せになっている気がして、若者達はこれで育って行け
るのかな~と心配になったりしました。(隈さんの元で働けるので、またジャッジの根拠を
聞く事で勉強になる訳で、そこでの吸収があるんでしょうね 。建築家って怖ろしく
感覚的な世界であって【ジャッジメント】がブラックボックスになっていたらスタッフの勉強
にならないのではないかなぁ~と思ったのです。
隈さん、歌舞伎座の建て直しや、サントリー美術館、ティファニー銀座の建築を請けて
おられるそうです。世界的に評価されている建築家さんです。
隈さんの建築のポリシーは原産地の素材を活かし、地域や環境と密着し融合する
『負ける建築』を貫いているそうです。日本だけでなく世界での評価が高いのが隈さんの
建築なんだそうです。もう20年も前になりますが、私もヨーロッパを1カ月半旅行して廻り
ました。ヨーロッパの建築を見て廻って感じたのは自然も制覇・征服する左右対称の幾
何学的建築です。有名な建築物のシェーンブルン宮殿等を見て否応なく自然をも屈伏
させる不自然さが鼻につきました。その点ガウディーの建築には親近感が湧きました。
日本的建築を進化させた結果行きついた姿・・・そんな感じがしましたので、日本よりも
むしろ欧米で評価が高いんじゃないかな・・・と感じた次第です。(個人的な見解です。)
地元の特産素材にこだわって建築をする。木の制約を活かしてコンクリートと違った建
築が出来る・・・なんてお話しをされていました。
私は建築が一人で独走をすることなんてないと思うんだけど違うのかな。コンクリート
が悪者の様な言われ方をしていますが、文化系的な感覚的な言葉で装飾しても始まら
なくて武田邦彦さんが科学者の眼として発言されている【経済的な合理性】と言う客観
的な評価が建築の素材を決める様に思います。地元の素材を使う事、その素材の良
さを最大限引き出すことはとても大切でそれに秀でているから隈さんは評価されている
んだと思うんです。ただ木材が良くてコンクリは過去の遺物ではない。求める形に最も
経済的かつ加工しやすいものに淘汰選別され、それが結果として地元の素材になる様
な働きかけを隈さんが意図的にやられているのだと思います。(そうしないとコンペに勝
てないだろうと思うんです。)
隈さんが番組でお話しされていた【同じモノは繰り返さない】と言う発言や、【達成感】が
ないとダメだと言っていた事。
母校東大の教授として教えているのはフツーの授業ではなく、学生をコンペに参加させ
る形態で具体的な授業をしている・・・と話していました。授業風景が放映されましたが、
こんな授業を受けられる学生さんは幸せですよ。建築家って・・・こうだ と言う路線
が出来たら・・・どんどんそれを絞り出して行くだけ・・・。デザインや素材、コンセプトなど
こねくり廻した理屈はつけるけれども才能を消費して行くスタイルだと感じるのですが、
隈さんは過去を肯定しない事でどんどんと新しい物を取り入れる事、固定概念を持たな
い大切さを教えている様に思いました。建築・素材ってどんどん変わる(新しいモノだって
出てくるんです)。【自然に負ける】って良い表現だと思うのですが、雄々しくそびえない建
物と言うのが陳腐化を防ぐ最大の防御であり、それを可能にするのが溶け込む事なんじ
ゃないかな・・・と思うんです。わびさび・・・なんかに通ずる日本建築の自然観なんじゃな
いのかな・・・と勝手に思った次第です。
村上龍さんのショートエッセイです。
隈研吾さんの建築を見る時、『神は細部に宿る』と言う有名な言葉をいつも思い
出す。全体ではなく材質・ディテールからイメージされ自然と人工物の境界線がデ
ザインの対象となる。20世紀はコンクリートの時代だったと隈さんは言う。確かに
『短期的な効率性』と言う昔の価値観の象徴かも知れない。その価値観は間違っ
ていた訳ではない。だが現代にはフィットしない。コンクリートに代わるものをわた
したちは常に探し続けなければならない。
隈さんのお話しでは勝手な私見を述べすぎましたか?
感覚的なお話しなので私にはなかなか消化不良です。理解不足でブログしてスイマセ
ン m(_ _)m コンクリに代わるものを探し続ける事は科学であり、それが社会的な発展
だと思うのですが、私の頭の中は龍さんが否定された20世紀的な価値観なのかな・・・
短期的な効率性。短期長期ではなく【経済性と加工のしやすさ】が素材のモノサシだと
思うんだけどなぁ~。それを無視するのでなく、特産物等にスポットを当てて特産物その
ものの価値を創造する事。前に使ったモノを否定して常に新しいモノを求めて行く信長
的な発想を隈さんは語っていた様に私には感じられたのですが・・・。
m(_ _)m やっぱり謝っておきます。勝手な事を言いました。ごめんなさい。
謝りついでに・・・もう1つ。現地に行くこと、特産物を活かす事、環境との融合の為に
現地に行くことが大切と言われていました。これは納得です。だけど【2時間】の滞在で
判断出来るのかな~。天才・隈研吾さんならば出来る と言われればそうなんでし
ょうが・・・、私が同様な事を話したらクライアントさんからブッ飛ばされるんだろうな
きっと・・・。
面白い事、好きな事をしているからめちゃくちゃな多忙も苦じゃないですよ・・・と言うの
は分かるなぁ~とは思いましたけれど
| 固定リンク
「カンブリア宮殿」カテゴリの記事
- カンブリア宮殿・・・ハローデイ 社長 加治敬通さん(2013.12.19)
- カンブリア宮殿・・・株式会社シャルマン 代表取締役会長 堀川 馨さん(2013.11.07)
- カンブリア宮殿・・・ナカシマメディカル 代表取締役社長 中島 義雄さん(2013.11.01)
- カンブリア宮殿・・・トレジャー・ファクトリー 社長 野坂英吾さん、BSIZE 代表 八木啓太さん(2013.10.25)
- カンブリア宮殿・・・コッコファーム 会長(創業者) 松岡義博さん(2013.10.18)
コメント