ガイアの夜明け 『住まいの価値に異変あり~震災後激変した不動産市場~』
ガイアの夜明けで震災後の不動産特集をやるとの事ですのでしっかりと拝見させていた
だきました。
見終わった感想は『ガイアの夜明け』はやっぱりスポンサー枠なんだなぁ~と言う事です。
ウォーターフロントのタワーマンション、東雲地区で野村さんが12月から販売するタワー
マンション、三菱地所レジデンスさんが来年1月に販売するタワーマンションの販売の舞台
裏・・・。
野村さんのショールームでは液状化対策コーナー、防災展示コーナーなど1億円以上の
カネをかけてセットを創って3時間かけてご案内をしておられるそうです。一方三菱さんは
今から購入見込み客を屋方船に乗せてご見学。これくらいはやらなければダメと販売
責任者さんはお話しされていました。
耐震か免震かと言うのも大きな違いだとの事。耐震は家の中は震災発生時にはめちゃ
くちゃになりますが免震はコストは高くなりますが被害は抑えられる・・・。
防災グッズの準備にも力を入れて、それこそ専門家を招いて確認して貰いながら努力
しているシーンなんかもありました。コミニティーが大切だから遠方にマンション専用の
畑を持ってもらって収穫の楽しみを味わって貰いながら横のつながりを創るんですって。
番組スタッフが『販売価格』に当然免震装置や震災対策全般の経費が乗った価格に
なるのでしょう?と質問したら、『販売価格はプロジェクト段階から想定されている。意味
のあるモノにはカネをかけるが販売価格には反映しない』と胸を張っておられました。
私、個人の意見ですが震災の報道をそれこそ嫌と言う程全国の方々がご覧になった。
震災で大きな被害がありました。あの大量の報道を見て消費者の志向が激変した不
動産市場で今、何をやっているのか・・・と言うのが今回のコンセプトです。マンションは
数年がかりのプロジェクト。震災が発生したからって方向転換出来ません。ましてタワー
マンションならなおの事。予算総額がありますから売るのに必死だろうと思います。
面で考えて地震の揺れの被害、津波の被害、液状化の被害がどうだったのか。
タワーマンションはどうしても『揺れ』がテーマで、ましてウォーターフロントだと『液状化』
まで背負い込む土地と言う事になりますね。津波・・・は東京湾はそれほど大きなモノは
発生しないと思っていいのでしょうね。その一方で『帰宅難民』があれだけあったのはメリ
ットですね。今回の震災で停電によるエレベーターと言うのはクリアされているのでしょう。
『建物』、『ライフライン』、『生活エリア』、『お仕事(通勤)の事情』などを考慮して決めなけ
ればならない事ですね。
番組では次に『液状化』について触れていました。戸建てでも液状化は大変なテーマ
だし、何もウォーターフロントだけでなく内陸だってアチコチ被害が出ました。
古地図が売れているそうで、元の地形を知る努力をしている人も大勢いますと言う
情報提供。これがイントロになって『地盤改良』の大切さを訴えておられました。
天然砕石パイル工法を紹介されていましたね。番組で取り上げられていたのは38本の
石の柱を創るのに78万円のコストがかかると言ってました。
『建築で一番大切なのは地盤』と言ってました。またこの工法は前年対比4倍で伸びて
いるとも話してました。
私はこれも変だと思います。地盤が大切ではなくて地盤も大切なんだと思う。地所は
それぞれで状況が変わりますから調査して対策を施しながらトータルで予算の縛りもあ
ります。予算と言う縛りの中で何をどうするのか・・・を考えるのが建築のお仕事だと思
います。大理石の床のバラックに住むのが施主さんの幸せではないでしょう。
4倍と言う数字だけを一人歩きさせるのもズルいやり方。実数値を出さないと比較値とし
ては正しくないんじゃないかな。報道ではなくて『経済バラエティ』なのかな・・・。
番組でちょこっとだけ触れた『大手ゼネコン』も地盤改良の研究を必死でやっている
と言うのは一方で大切な情報提供だと思いました。
『ガイアの夜明け』は日本の技術をナメテいる様に思います。津波の被害はどうにも
ならないですね。防波堤・防潮堤をどうするのか、町そのものを高台に・・・と言う都市
計画が対処する問題ですが、液状化や耐震・免震はもうちょっとするとコストも効能も
比較できないモノが出で来ると思うんです。ただ地震の揺れや液状化については相当
各企業や研究機関が努力していると思います。数年後にはいろんなモノが世に出てくる
と思います。不幸なのは現在進行形のプロジェクトだけ。
過去のモノは評価が出来てしまっています。これから1・2年のタワーマンションをどうす
るか・・・。施工中だったものは売らなきゃ仕方がないですし、タワーマンションの販売
責任者の言葉を借りれば、既に予算組みから収益の管理まで出来ている訳で、赤字
を出してまで売り切るのかどうか?大半はそうではないですよね。だから『売り方の工
夫』で対処している訳でしょう?
震災の報道を見て感じるのは建物は案外揺れには耐えていたと言う事です。ただ津
波で大きな被害を受けた。阪神の時は火災ですね。『備え』はあるに越したことはない
ですが600年に一度(東日本の震災周期との事)の地震に備える為に20年耐久の家を
建てるのが最善なのか・・・(全く無防備がいいとは思いませんが) とは思います。
おそらくは地震の予知は出来ないのでしょう。ならば命と財産だけは死守したい。その
為に何をするのか・・・。これが『不動産市場の激変』の根本原因で、産学が必死になって
対処しようとしているのだからフツーの消費者は慌てないで待てばいい。どうしても不
動産を購入しなければならない理由のある方、産学の努力の結果を待たずして生命・
財産を保全しなければならない方は技術の陳腐化と言うリスクを取ってでも対処されれ
ばいいと言う事なんでしょう。
ガイアの夜明けは不安心理を煽り過ぎで、今のタワーマンションは安全だよ、これだけ
業者さんは考えているよ、売れているよ・・・って言う消費者心理を誘導している様に感じ
ました。
不動産は個人にとって大きなご資産。点でなくて線で考えるのが大切です。震災で
大なり小なり怖い思いを東日本の方々はしていますが、あまり近視眼的に考えず『線』
で考えるのが大切だと思います。バブルの時のネコも杓子も・・・と同じ事が、震災の
不安心理で起こるのもいかがなものかと思います。『線』をイメージすると数年間の考
慮期間の余裕がある方かどうか・・・ご自身で判断できると思います。ご自身のライフ
プランに産学の技術がついてくるのを待つ意識も大切なんじゃないかなぁ~。
カネを持ってあの世に行けない・・・と言うのもありますね。自然災害への備え方は
それぞれのご判断。費用対効果ってとても大切だと思います。慌てないで見極める。
そういう事なんじゃないのかな~。
タワーマンションには『対震災』と言うテーマとは別に、①供給過剰による価格低下
リスク、②技術の陳腐化による価格低下リスクの2つがあると思うのですが、全然そん
な事は言っていなかったですね。
不動産購入をする場合、価格や間取り、利便性から始まってそれこそ各家庭が持っ
ているたくさんの要素を総合的に勘案して方向性を出しますよね。今はそれぞれの優
先順位が震災前と比べて随分と変わっています。さて、それがこれから各家庭のライ
フサイクルの中で果たして不動かどうか・・・と言う事です。また私は不動産に縛られた
ライフプランよりライフプランに合わせた不動産購入の方が良いと思っています。
あまり近視眼的に考えないでなるべく・・・それこそ若干背伸びをしてもちょっとだけで
も遠くを見る努力をして (つまりは出来るだけしっかり情報収集をして周りを見渡して)
不動産と言う個人資産の保有を検討した方がいいと思います。
ナントナクですが、バブル後遺症で値下がりしたマンションの価格下落分の影響で
引越しするにも引っ越しも出来ず、やむなくローンだけを払い続けているたくさんのバ
ブル世代の姿と重なる将来像を予感するモノですからね。
先日、新品購入後3年で洗濯機が壊れた際に、メーカーさんとのお話しで・・・
『フツーは7年から10年は持つ様に創っています。ただ保証期間は1年だけ。壊れて
しまったらそれは消費者の責任なんです』・・・ 保証期間と言う概念からするとその
通りですね。ただ納得感と言うモノがねぇ。10万前後のモノだから諦めなさい・・・と言う
事なのかも知れませんが・・・当たり外れと言うのはいつの時代でもある事なのかなぁ。
『当たり』を引くラッキーよりも、『スカ』を引かない工夫。そんな感覚が大切なんじゃない
かなぁ~。
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