阪神・淡路大震災から17年が経ちました
阪神・淡路大震災から17年が経過しました。
私は大阪出身で、本籍地は淡路島。
阪神・淡路大震災の時は都市銀行で融資係をやっていました。
毎朝5時に起きていましたので、朝の速報で大きな地震発生を見たので大阪にすぐに
電話をかけたら繋がったんですね。大変な地震が起こった様だけど家族は無事だ。家の
中は家具が倒れ、食器棚が倒れているのでガラスなどが散乱して危険な状況。明るくな
ったらまた・・・と言って電話を切りました。銀行に出勤してみるとロビーのテレビで阪神
高速の橋脚が折れ、あちこちで火の手があがるあの神戸の街の姿が放映されました。
大阪に電話をしても繋がりません。安否が分かっているだけでも、朝イチで電話をして
おいて良かったんですね。
それから数日間電話はかかりませんでした。淡路の田舎は酪農をやっていますので
牛はどうなったんだろう・・・とも心配しておりました。
震災の3カ月後に一度帰省したのですが、大阪の実家の屋根はブルーシートがかかっ
ていましたし、ご近所もめちゃくちゃでした。阪急電車神戸線で神戸の町も見に行ったの
ですが神戸線は徐行運転でした。バスにも乗ったので一部バスの代行運転があったの
かな。この辺は記憶が曖昧なのですが、神戸の町はカビ臭くて、大きなビルが折れてしま
ってお隣のビルに持たれかかったり、駅前のビルなどは7・8階辺りがくしゃっと潰れてい
たり・・・。東日本大震災ではあまり見られなかったですが、阪神大震災では火災の影響
もあったのでしょうが倒壊家屋がいっぱいありました。ちなみにカビ臭かったのは、アチ
コチの家屋が倒壊した際に出る家に溜まったほこりの臭いだと思います。大量の倒壊
家屋から出る埃の臭いです。出来る事なればもう経験したくない臭いです。
それから随分と時間が経過し、大地震はいくつかありました。そして去年の3月の東
日本大震災です。私は川越のガス会社さんに電話している時に震災に遭遇しました。
まぁエライ揺れでした。生命の危険なんて感じる間もなく、ただ事務機器を押えて、『待っ
た~、待った~』と叫んでおりました。コピー機やらキャビネットが動きまくりますからネ。
古いとは言え鉄筋コンクリート造の建物で仕事をしておりますから、被害などはなくライ
フラインも全く問題はありませんでした。
ただその後の買い占め問題やガソリン不足。計画停電やらなんやら・・・。それに原子
力発電所の問題は今なお続いております。
こうして振り返ると、日本は阪神大震災以降、建築分野では耐震や免震などで飛躍的
な進歩を遂げましたし、家の中でも家具の転倒防止や、テレビなどが飛ばない様な工夫
は出来ておりますが、行政や電力会社は逆にどんどん劣化して行ったのでしょうね。
阪神大震災の村山さんに東日本の管さん。大震災の時には必ず無能な首相が就いて
いると言うのも困ったもんです。
管さんは交代しましたが、電力会社はどうなることやら?
常に逆境の後は、それを乗り越える工夫をして進歩して行くのが人類の歴史ですから
ね。海や湖の放射能被害についてNHKスペシャルでやっていました。セシウムが徐々に
拡散し始めているそうです。海底が岩場であればセシウムは高くないのですが砂場や粘
土質の所に沈殿していたり、江戸川や荒川に流れてきたセシウムが東京湾に積もったり
しているそうで、これから2~3年後に東京湾の汚染が最も高濃度になるらしい。今は漁
業に関しては福島沖のみ操業停止をしているだけです。汚染問題はやがて食の問題に
なるのでしょう。
加害企業の東電は全然そんな事を把握する努力をせずに、税金による救済を受けな
がら料金は値上げをする権利があると主張し、監査役は東電の新旧経営陣にはこの
一連の事故に対して責任はないと言っている。自浄能力がないからこそのこの事故で
あり、それを上書きする発表がなされた訳ですから、さて民はどう判断しますやら。
政府にも自浄作用が無いのであれば、政府を変えなきゃ仕方がないです。政府より
行政の方がタチが悪くなっているのかも知れません。
オリンパスでさえ、経営陣は訴追されるし、賠償責任もあると言う事なんですがね。
世の中に与えた損害の額は東電の方が圧倒的に大きいのですが、誰も責任を取らず
また会社も莫大な額の税金を投入してまで生かすなんて事の無いようにお願いしたいも
のです。やってしまった責任はやっぱり誰かが取らねばネ。
閑話休題。どうしても東電問題は腹が立つことが多いのでエキサイトしてしまいます。
大地震が発生した時に、災害に負けてしまう事により、危機感なり『何くそ』と言う逆境
の精神をストレートに受けて努力してきたのが建築部門であり、喉元過ぎれば・・・の精
神でやってきたのが政治・行政や電力会社だと思います。言わば17年間放置してきた
結果です。逆境と感じればこそ努力しますが、逆境を逆境と感じられなければ人間は
楽したい生き物ですから努力しない。電力で言えばある時期までは独占・寡占の方が
効率が良かったのかも知れませんが、今は過保護に護られ過ぎて逆境を感じる能力が
退化してしまったようです。それでは創意工夫が産まれません。
おおよそいきとしいけるものは絶対と言う事は無く、常に新陳代謝をして最もその時代
に効率的な姿に作り変えて行かなければ生きて行けないものなのです。そしてそのエネ
ルギーは『逆境』なんだと思うんです。追い込まれなければやらないんですよ
でも追い込まれているのに気がつかなければ・・・本当は生きてはいけないんですよ。
それが宇宙の法則と言いますか、神が創ったルールと言うのか。一部の優秀と称された
人間達が『絶対』と思ってはいかんのです。
阪神・淡路大震災から17年が経過してそんな事を考えた今日この頃でございます。
※
17年の年月が経って、神戸の街は震災の跡が無くなりました。見事に復興しています。
東日本大震災の被災地も早く元の姿に戻って欲しいなぁ~と思います。もちろん微力
ではありますが、何らかの役に私も立ちたいし、何が出来るのかを考えて、行動に移し
たいとも思っています。東日本大震災を私は『逆境』だと思っています。
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