NHKスペシャル シリーズ日本新生「インフラ危機を乗り越えろ」
NHKスペシャル シリーズ日本再生「インフラ危機を乗り越えろ』と言う番組は面白かっ
た。
数都市の首長さんや行政の担当さん、また市民の皆さんが参加し、討論形式で進行
する番組でした。
今まで『人口減少社会』が諸悪の根源だと本ブログではいろいろ書いて来ましたが、少
子化は止まらないと言う事を肯定するとインフラは守れない。そうであれば敢えて限界集
落を創って町をコンパクト化すればいい、否、するしかないんじゃないかと言う提案。事実
富山市などはその方向で町づくりを始めていると言います。人が行かない場所にはライフ
ラインや道路を維持する必要は無くなります。市町村のすべてのインフラを維持するお金
がもはやない。身近なところでは首都高のかけかえだって『兆』の単位のカネがかかる。そ
して橋脚の劣化は既に始まっており、待ったなしの状況に有るらしい。
長野県ととある村では『普請』は自分たちの仕事と村人が舗装工事を自分達でやり、
村は材料費だけを払っているそうだ。これで費用は1/5で済むらしい。下水ではなく浄化
槽の利用により経費を浮かす努力もしている。そこで浮いたお金で村営マンションを建て
て家賃補助をし、若い人口を呼びこんでいるそうです。この村の出生率は『2.2』なんです
って。諸悪の根源の少子化をも退治してしまった村があると言うのは素晴らしいと思い
ます。
視聴者代表からは『村』だから出来る事で『都市』では厳しいと言う意見がありました。
生活スタイルが違うので正味では無理かも知れませんが、ボランティアを募ってでも
やる気持ちは必要なんじゃないかなと私は思いました。市町村合併で行政単位を大き
くしてしまいましたが、橋下知事が言う様に、防衛や外交は国でないと出来ない事だが
都道府県で出来る事は都道府県でやる。市町村で・・・と権限を委譲して行って、最小
単位にまで落として行けば、かなりの部分が実は費用削減出来るのではないか?
事実、夏祭りや清掃行事は出来ている訳で、その頻度が高まっても、それで生活が
守れると考えられるのであればOKなんじゃないでしょうか?
年金や社会保険、福祉は行政からサービスを提供してもらうモノと思い過ぎているの
で『貰わにゃ損・損 』と言う意識になってしまっているのではないか?
都市部では無理と言うのは、数が多いが故の甘えの構造がある気がします。
もちろん土木工事だって『普請』と称して住民が出来るモノとそうでないモノはあると思
います。だけどすべてがそうかと言うとそうでもない。
福島県会津若松市は水道事業を民間委託する事で、年間1億円以上を浮かしたそうで
そのお金を配管の交換に使うんですって。
『税』で解決したいのであれば、消費税だなんだで、必要な水準まで納税するしかない
じゃない。景気がどうこうなんて言う議論では無く、『無い袖は振れない』と言うお話しです。
年金だって社会保険だって同じでしょ。
社会の最小単位をもっと小さくすれば、『助け合い』の心が芽生え、町で工夫をするん
じゃないかな?人口比でしっかりと『顔が分かる』最小単位を作って、1・2丁目地区なん
かで分け、地区長さんに予算を渡す。あの地区はボランティアは求められないけれど、
不足金は一時金で取られる町だ、と言う所があったり、あの地区はやたらと『普請』の
お呼びがかかるけれど税金の還付があるよ・・・とか。個人に還付をしない代わりに老
人施設や保育園が充実しているとか公民館で介護や育児を支援しているなんてあって
もいい。顔が見えるから工夫をするでしょ。
今までみたいにカネが無いのなら、納税により歳入を上げるか、支出を減らすかしか
無い訳で、そうなると『無駄の削減』と言いたくなるのですが、そう言う時には自分に対し
てのサービスの提供は削減されないモノと言いたくなる心がありますわ。
それを断ち切るためにも、眼に見えた変化だったり、実際、汗を流すことは必要な気
がします。
顔が見えたら孤独死なんかだって無くなるかも知れないし、年寄りが育児支援なんかを
公民館でやれば出生率だって上がるんじゃないかな。
諸悪の根源の『少子化』・『人口減少』が撃退出来て、おまけに『歳出削減』にも繋がる
し、何より『政治』に対してももっと考える様になるし、それもいやいやではなくて、積極的
に参加するようになると思います。
日本だけじゃなくて世界各国が財政で苦しんでいますが、実はカネをばら撒く形での
資本主義社会は行き詰まりを見せていて、もっと能動的に『社会』と関与する進化系の
資本主義の必要に迫られているのかも知れません。
もしそれが資本主義の次の形態とするならば、日本はとてつもない豊かな国になる可
能性がありますね。だって農耕民族であって、東日本大震災で苦しむ被災地にあれだけ
の事が出来た土地でしょ。しかも被災した地域の方々も、人や財産を失ってもじっと耐え
て、みんなで『復興』に注力している。
被災地を復興する為にも、災害では無く、経済で被災した日本中がそれこそひとつひ
とつの地域レベルで復興に立ち上がればいいんじゃないか
行政から市民に配られる財・サービスはお金が無くて、納税が難しければ確実に減る。
そしたら何を減らすのかと言う事を地域ごとに真剣に考えなきゃダメな時が来るんじゃな
いか。きっとそれぞれの地区の事情によってそれは違うだろう。そしたら国や都道府県の
レベルが、それを決定する役割に就いたらダメで、どんどん下に下に権限と財源を渡して
しまうしかないと言う事になります。被災地を見て分かるのですが、日本人は優秀です。
期待値以上に権限と財源を使いこなせると私は思います。
むしろ組織を大きくすることで、バレやしないと言うやましい心が湧きおこる。
世界中の国の財政が悪化していますが、クリーンな政治・行政を摂っているのに・・・
なんて国はひとつもなくて、公務員給与や無駄の削減、不正の排除なんてスローガンを
どこの国でも掲げています。それがヒトの本性なんでしょうね。組織を小さくするとズルを
する事が恥ずかしい、又はバレてしまう、ヒトとしてこうあるべき・・・と言う倫理観がキチン
とブレーキをかけれる様になるんじゃないかな。。。
『すべてを与えられないから選んで下さい』と言う姿勢が必要なんですね。でもそれは
犠牲の肯定で、バラ色は無いと言う告知をする必要があります。甘言はダメで中には
立腹する人もいるでしょうけれど、現状報告と選択肢の提案を愚直にし続ける事から
始まるのでしょう。『告知』は辛い仕事ですね。
でも、今ならばいろんな選択肢がばまだ選べるのだから、実は、今、真剣に考えなきゃ
ダメなんですね。この番組は面白かったなぁ~。
追伸
野田さんに『大事な事をあなたが決めるな』と言いたいですし、テレビに出てくる耳触り
のいい言葉だけを語る政治屋さん達にも『調子のいいことばっかりいいなさんな』と言い
たいですね。『選択』を求めるのであれば、まずは現状報告を適切にやらねばならず、
今は、辛くとも『現実』を告知するのが仕事なはずなのに、嫌われるのが、また落選が
怖いから嘘ばかりを言おうとしている。『先にやるべき事がある』と消費税に反対して
いる政治屋は責任を全うしない『先送り』を言ってるにすぎない無責任派です。
未来にツケを遺さない・・・のは、今を生きる日本人すべてにかかる問題です。政治屋
だけがそこから逃げるなって言うんですよ。
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