« 輪廻・・・? | トップページ | 日食・・・ »

NHKスペシャル 東日本大震災 『原発の安全性とは何か 模索する世界と日本~』

 NHKスペシャル 東日本大震災 『原発の安全性とは何か 模索する世界と日本~』と

言う番組を見ました。

 福島第一の事故を見て、アメリカとスイスの状況を比較しながら日本の現状を問う番組

でした。アメリカ、スイスと日本のあまりの違いに驚き、怒りを通り越して呆れております。

 まずはちょっと番組に沿って紹介しておきます。

 アメリカ、NCRでは福島第一の事故を踏まえて、全米の原発を点検したそうです。特に

原子炉の冷却施設と非常用電源を細かく調べたところ、衝撃的な結果が出ます。アメリ

カでも同じ事故が起こる可能性があると、福島の事故後4カ月にレポートが出ているん

ですね。

 ベントの信頼性が充分ではないとも指摘されています。古い原発ではバルブの位置が

高すぎで手動で動かせないなんてモノもあったそうです。

 そこでNRCの分析チームは法規制の強化を求めた。今までは電力会社の自主的な

取組に委ねられていたので電力各社は一斉に反発します。

 アメリカではその間もNRCが訓練をさせ、各原発ごとに成績を発表しています。危険

や不可と言ったデータもキチンと公表されます。一覧では赤(危険)、黄(不備あり)のマ

ークがついているものもありました。

 分析チームと電力各社は8カ月間に渡って議論を重ね、その議論についても徹底して

公開をし、結果的にはベントの強化などは法規制をする事で電力各社を押し切ったそう

です。

 完璧な安全などはないのだから、議論を公開し、住民にリスクも含めた理解を求めて

いく。この視点は少なくともNRCも電力各社も共通認識なのでしょう。

 NRCのお偉いさんは、日本で起きた事故を起こさないと断言できるまで模索は辞めな

いと言っておりました。高い職業倫理を順守されております。

 アメリカでは、どこまで規制をするのか、情報を公開してリスクを共有しようとする努力

をし、社会も原発に向き合っているのです。

 スイスは徹底した安全対策を施しています。

 電源喪失にならない様に、1万年に一度の地震と洪水が同時に発生しても耐えられる

様な、具体的には20日間は原子炉を冷却し続けられる仕組みを講じています。

 それだけでなく、メルトダウン後の対策も講じています。ベントの際にも放射性物質を

取り除くべく薬品を投入できる装置が設置してあるとの事でした。それで放射性物質は

1/1000に抑制出来る・・・との事でした。(福島第一は兆の単位のベクレルではなく京と言う

単位だった様に記憶しているのですが、大丈夫なのでしょうか?)

 スイスではより高い基準を持つ原発に基準を合わせる様な取組をしており、安全対策

を徹底させています。エネルギーの有無や電力会社の利益などは考慮しません。なぜ

なら事故はそれらと無関係に発生するからであり、狭い国土にたくさんの人口を抱える

スイスでは事故が発生してしまうと、国土の半分は確実に失ってしまうからなんですね。

 スイスでは各原発に対してのチェックを実施し、6月までに報告をさせるそうです。

 ニューレベルク原発では水源となる川が一本しかないので、もう1つの水源を確保し

なさいとの指摘があった。具体的には他の川からトンネルで水を引くか、地下水系を確

保するか、空冷で冷やせるか・・・。無理ならば稼働させないと言う徹底ぶりです。(投下

コストの観点から、防波堤の高さで揉めている日本とは大違いです。)

スイスのウェストンハーガン教授は、原発は今後、安全性に対しての投資がどんどん

かさむ事から、18年後には自然エネルギーよりも割高な発電方法になると言う試算を

出し、政府も原発推進から一転して、20年と言う年月をかけて脱原発を進めることに

方針転換をしたそうです。ただ、代替エネルギーはまだ見つからない中での脱原発と

言う選択に危機意識は持っている。

 スイスは原発事故に対しては、どこまでも想定して考えています。その考えでストレス

テストを実施しているんです。カネはいくらかかろうが問題では無い。他所で事故が起こ

るたびに安全性が強化され続ける訳で、その分コストはどんどん高くなって行く。いずれ

採算面で合わなくなる時が訪れるだろう。その時には廃炉にする・・・スイスの電力会社

の経営者は語っておりました。

 さて、いよいよ日本です。

 日本で、ヨーロッパと同じ事をやってしまうと、1年以上かかってしまうので、保安院が

一次と二次に敢えて分けたんですって。一次はメルトダウンまでの視点で考察し、二次

ではメルトダウン以後の視点も含めて考察する・・・。これでは福島第一と同じ事態が発

生するとどうしようもないと言う事になります。

 なぜ、こんな変な制度にしたのか保安院の幹部がNHKのスタッフに語ったそうです。

 保安院の上部組織の経産省の再稼働を求める空気に逆らえず、1年をかけてストレ

ステストが出来ないと判断したから、敢えて一次、二次に分けたと。

 経産省の意向に従わざるを得なかったからなんですって。

 二次評価は未実施であり、斑目さんでさえ、二次評価は必要・・・と言っています。

 一次評価の際にも、学者さんの中には、福島第一の事故に向かい合った方も多くいた

のでしょう。津波の高さを予測できないと言う議論も随分とあったみたいです。

 ここで一次評価で津波の高さの定義は、『福島第一』と同程度・・・の言葉から、福島

第一を襲った『想定+9.5m』と言う値を全国一律で採ったそうです。

 過去のNHKスペシャルの津波の特集では、波と波が重なると倍の高さになる事があ

ると言う事実や、海底と湾の形の状況でも波の高さが大きく異なる・・・と言う実験結果

を公表しており、だから津波と言うのは難しい・・・と言っていたのに、一律+9.5mとす

るのは科学的な根拠がありません。学者さん方の会議でもそう指摘されています。

 それなのにこの基準で、一次評価を通してしまうのが日本なのですね。

 また大飯町の町議会は、原発再稼働を『地域振興』を理由に、不安は残るけれども

賛成したそうです。

 当番組では、未だ出来ない原子力規制庁には高い独立性と情報公開が求められる

と言っておりました。(NHKの番組制作者の皮肉なのか、諦めなのか・・・)

 四国の伊方原発を巡る地元と四国電力の協議も報道されておりました。

 地元民も冷静に話しを聞こうとしておりましたし、四国電力では国の基準を越えた防

災対策をいろいろと独自にやっています。(充分かどうかは私には判りませんが)

 その上で、日本の電力会社としては珍しいと思うのですが、『防災対策にお金がかか

り、発電単価が高騰するようであれば見直して行く』と主張されておりました。

 以上が・・・番組の内容です。

 さてさて、この番組を見終えての怒りの矛先は保安院です。

 刺青の公務員さんとレベルの違う職場放棄、モラルハザードです。

 公務員として、原発の安全性を確保し、住民や国土を守らなければならない立場なの

に、経産省の再稼働の空気に逆らえないので、住民や国土の安全を無視し、見殺して、

経産省のご意向に従ったと、保安院幹部がNHKの取材に答えるって・・・どう言う事なん

でしょうか。

 原発再稼働推進の4閣僚はこの番組を見る時間がないのかな・・・。彼らが文化系で、

知識が足りないといけませんから、東日本大震災シリーズのNHKスペシャル数本を見た

らいい。

 斑目さんや深野さんは、福島第一に行き、多くの仮設住宅を廻って来るべきです。

 福島第一の事故後になお、経産省の意向に従って、原発地元住民や国土を護る義

務・職務を放棄してしまう神経ってどうなんでしょうか・・・。

 NHKスペシャルは反響が大きいので、もしかしたら大きなうねりが国内に起きるのでは

ないでしょうか?

 私個人は、絶対に再稼働を認めないと言うのではなく、必要最小限は止むを得ないの

かなと思っています。ただ、必要最小限を測る為に電力の必要量の開示は必要だと思

いますし、アメリカのNRCでも『古い原発』に問題があったと言う事でした。また敦賀の

様に断層の指摘がなされている原発もあります。

 津波は海底や、岸の状況、震源予測地との距離等により大きく異なりますので、一基

ずつ、細かくデータを分析し、安全なモノから稼働させると言った配慮は必要だと思いま

す。安全性の確保にはカネは惜しまず、総括原価を辞め、経済合理性で取捨選択を

電力各社が必然的にやらざるを得ない状況の下で・・・と言う条件付きですが。

 今夏は上記条件・・・各基の審査が出来ないのだから、再稼働しないで対処するしか

ないでしょう。政府、電力各社の不始末は甘んじて、我々が受けなければならないと思

います。再稼働を経済団体が要請したって聞きますが、地元民の命や国土を賭けて自

己の利益を確保させろと要求してはならないでしょう。30キロ圏、50キロ圏・・・と言う地

域の企業が、同じエリアに住む人や土地を大事にしないで全うなお商売が出来るのでし

ょうか。

 電力各社が悪いと思っていたら、悪代官はもっと違うところに居た様です。

 ぶっちゃけ、今回のNHKスペシャルは、NHKが日本の出鱈目さを報道したくて、アメリカ

とスイスの例を出してみました・・・と感じられます。アメリカ、スイスがしっかりと福島に向

かい合っている姿にも立派だなと思いましたが、外国の立派さを置いておいても、日本

の出鱈目さには呆れてしまいます。

 政治屋さんも電力さんも・・・そして官僚さんたちも、日本は震災で大きなダメージを

受けているんですから、自分たちのお仕事を責任をもってやり遂げましょう。

 どうぞよろしくお願いします m(__)m 

|

« 輪廻・・・? | トップページ | 日食・・・ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 輪廻・・・? | トップページ | 日食・・・ »