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スイスの原発事情から日本の原発を眺める・・・

  You Tube を見ていて、とても感心した情報がありました。

 なんとも地味な番組ですが、Eテレと上部にあるので仕方がないことかな。

 スイスの原発事情を番組にしたものです。

 http://www.youtube.com/watch?v=m7avHoyx3CQ&feature=channel&list=UL 

 この番組でスイス、アメリカの技術者や議員さん達がいろんなお話しをしています。

 それぞれとても興味深いお話しをされていますが、番組の中ほどでスイスの元下院議員

さんがお話ししている内容が『なるほどな』と思わせる内容でした。

 スイスの面積は九州と同じくらい。そこに高い人口密度で人が住んでいる。ひとたび

福島第一と同じ様な事故が発生してしまうと、国土の半分は放棄しなければならなくな

ってしまう・・・。

 この覚悟で持ってスイスは原発に向かい合っているんですね。ただとても正しい姿だ

とも思います。原発再稼働で揉めている日本ですが、賛成派、反対派ともに腑に落ちる

内容だと思いましたので、ちょっとご紹介をいたしましょう。

 スイスではENSI (連邦原子力安全検査局)と言う機関が強い権限を持っていて、世界

的な事故が起こると都度、自国の原発に当てはめて検討、対策を考え、その対策を実

行させるんです。

 安全のための1つの原則として『高い安全性を求められるものは、安全であり続けなけ

ればならない。もし安全性を向上させる新しいシステムが出来たら、それを追加しなけ

ればならない。』と言うモノ。最先端に合わせる原則でダイナミックに安全性を追求でき

ますとお話しされておりました。日本の電力会社にも追加の安全対策の必要性を説いた

のですが、日本の電力会社は『必要ない』と答えたそうです。その根拠は『アメリカの

メーカーが何の指示も出していないから』と言うものだったそうです。

 安全に絶対はない。このスタンスが明暗を分けたんですね。

 スリーマイル事故を反省し、NRCが『個別の原発の脆弱性を明らかにする必要性があ

る』と提言し、アメリカでは具体的な検査がなされたそうです。

 スイスでは20年前に全電源喪失の対策を実施し、独自の冷却水を送り込む2系統の

仕組みを採っているそうです。また作業員についても全電源喪失の事故が起こっても

冷静に適切な判断が出来る様な訓練をしているそうです。(抜き打ち的なリアルなモノ

でした)

 全交流電源の喪失は1980年代に安全対策の基本中の基本的な問題だったそうで、

それは何日間も非常用電源で持ちこたえられるような対策を考えることだったんですね。

 人口780万人、九州と同程度の広さのスイスでは、チェルノブイリの事故では変化がな

かったエネルギーとしての原発の位置づけに変化があったそうなんです。

 2034年までに段階的に原発を廃止しようと言うモノです。

 コストの観点からもそれが正しいとされています。

 日本では原発は『安い発電』と考えられていますが、日本とスイスの大きな違いである

個別の原発が常に最新の安全に合致していなければならないと言う追加対策工事を

含めるか含めないかと言う違いにあります。

 原発は安全基準が上がって行く発電だとスイスでは考えられています。新たな危険性

が発見される度に安全対策を講じていかなければなりません。原発は1点モノで量産化

のメリットが享受できる施設ではなく、コンクリートの厚みを増す工事をするだけでも莫大

なカネがかかるものなんです。スイスでは福島第一の2カ月後には、こうしたコストの計算

を実施し、18年後には原発のコストは他の発電方法よりも割高になると弾いたんです。

もちろん今ある原発に関しても安全性を高める命令を次々に出しています。

 非常用の倉庫を整備すること。非常用発電機やポンプを軍が使っていた頑丈な壁や

扉のある倉庫に備蓄してありました。また事故で作業員が倒れる事も想定して、マニュ

アルが写真とともに保存されています。使用済み核燃料プールにおいても1万年に一度

レベルの地震と洪水が同時に起こっても耐えられるようにする事と言う命令も出ている

そうです。

 スイスは海がないので川に沿って原発があるのですが、万一、川から冷却水が引けなく

なった時を考え、トンネルを掘って他の川からの水が引ける様に・・・と言う事も検討され

ているそうです。

 スイスでは電力会社の方が、こうした諸対策を施すことに対して、採算が合わなくなれ

ば原発は辞めると話していました。

 これはひとえに『原発事故が発生してしまうと、民が住む土地を放棄せざるを得ない

事態が発生してしまうから』であり、その責任を理解した上で、規制する側、される側が

ともに原発に向き合っているからです。

 さて、日本ではいかがでしょうか。

 福島第一の事故以後、何ら対策が採られてない様に思うのですが・・・。

 大飯町では町議会が原発再稼働を承認したらしいですが、上に書いた内容を議員た

ちが理解していたでしょうか。議員たちに理解を求めるのが無理なのかも知れません。

まずは規制省庁、電力会社が事故を起こさない様にしなければならない訳なんでしょう

から。それらが出したデータを踏まえて議員たちは検討するんでしょうからね。

 免震棟さえない大飯原発と言うのはいかがなものかと思いますが、必要性は以前から

指摘されているのに作っていなかったそうです。その姿勢ひとつとっても安全性に向き合

っていないと批判されても仕方がないところです。

 電力各社や経産省が再稼働をしたいのであれば、また電力が足りないのであれば

再稼働も仕方がないのかも知れません。ただこうした設備を原価に組み込んで消費者

に転嫁する仕組みを正さなければ、スイスの電力会社の様に、コストの観点から原発

を放棄する事も検討すると言う『経済性』が追求されなくなるので、改められなければ

なりません。そして何より、発電によって国土を失う可能性がある技術を運転している

と言う責任感を原子力に携わる方々すべてが持たなければならないのでしょう。

 今日のテレビ朝日の記事で東電勝俣会長が事故調査委員会で次の様な発言をした

との事が掲載されておりました。

 「話などでいろいろな照会がダイレクトに(当時の)菅総理、あるいは細野補佐官か

らあった。こうしたことは正直、あまり芳しいものではない」

菅前総理が事故直後、吉田前所長に直接、携帯電話で指示をしたことについて、勝俣会

長は「混乱の極みの発電所で指揮を執る所長に質問的な話があり、時間を取られた」と

苦言を呈しました。

菅前首相も誉められたモノではないですが、首相として東日本に人が住めなくなるかも

知れないと言う危機感を持って事故に対応しようとした訳で、官邸に事故を報告できな

かった東電の管理能力こそが一義的には責められなければならない事なのに、経産省

が東電をバッシングする様な、弱者への責任のなすりつけと言うのは大変に見苦しい

感があります。そして何より『危険な技術』を取り扱う者としての責任感の欠如が感じら

れます。

 もちろん現経営陣だけの責任ではなく、スイスの技術者が『追加の安全対策を助言し

た際の対応に見られる様に、何十年にも渡る無責任体質と慢心が、福島第一の事故を

招いた訳で、そこを正さなければダメなのですが、その点は一向に問われていないのが

不思議です。

 原発再稼働問題・・・で揉めていますが、まずは、対策をやることでしょう。電力が足り

なければその不便は甘んじて享受しなければ仕方がない。批判と非難が電力各社や政

府に集中するでしょうが、それも対策をしなかった我が身を責めるしかなく、甘んじて今

夏は受けて、その反省の下に真剣に取り組むしかないんじゃないかと思います。

 場あたりてきな・・・つまりは国土と国民を賭ける様な姿勢で、自分たちの責任逃れと

利益の享受をするんじゃないと言う事です。

 電力各社と政権や官僚を選択したのが我々なんだから、その失敗の責任もとらなきゃ

ならないと言う事でしょう。大きな痛みを経験すると賢くなると思います。

 東電管内では節電の必要性はないと言う報道も見ました。北海道は電気が足りない

らしいので、ヘルツ数の違いで西日本に融通出来ないのなら、東電管内は北海道に

電力を融通しなければならないので去年並みに節電をお願いしますと言うのが政府の

有りようでしょう。失策を隠しても始まらないので、非を認めて謝るべきは謝らないとア

カンのです。

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