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カンブリア宮殿・・・亀田メディカルセンター 院長 亀田信介さん

千葉県の鴨川市。房総半島ですから首都圏からはやや離れたところにある町に『亀田メデ

ィカルセンター』と言う病院があります。

充実した医療体制で人気の病院だそうで、首都圏から患者さんが集まる病院なのだとか。

現時点で病院の6割が赤字経営なのに、亀田メディカルセンターは400億円の収入があり

黒字経営。入院専門の棟を建てたり、救急病棟を建てたり、看護師向けの大学まで作って

しまっている病院です。敷地は東京ドーム3個分だか4個分の敷地があるって言ってました。

入院棟は全戸個室でオーシャンビュー。トイレやシャワーも完備です。ベッドの備え付けの

PCで担当医の情報が検索できたり、ごはんのメニューを選択出来たり。しかも+αの価

格を出せば別メニューが選択出来たりもするんです。そうかと思えばコンシェルジュ機能

で、商品を選ぶと専門スタッフが館内のコンビニでお買い物をして来てくれる  

医療は『究極のサービス業』と言う信念の元で、患者さんに便利なサービスを提供されて

います。最上階にはレストランがあり、鉄板焼きを食べてお酒まで飲めるようです。

すてきだなと思うのはお見舞いは24時間OKなところですね。また個室には大型のソファ

ーがあって、ベッドにもなる・・・。

これだけの設備があって、差額ベッド代は12,600円。これならば保険でカバー出来る価格

ではないかと思って設備をちゃんとしているんですね。

医療機関ですから亡くなる事もありますね。霊安室は普通地下にあるイメージですが、

ココは最上階のオーシャンビューの霊安室  

素敵な病院だなと思います。

亀田院長曰く、『サービスでは、診療報酬は変わらない』。だから医療はサービスを平気

で劣化させて来たと言う言葉が裏に隠れているのかな。病院は地場産業で、地域のイン

フラだ。インフラと言うのは、より高次なサービスを求められるものである・・・。

それを意識して、『要求に応えてサービスを変化させるんです』と言う事でした。

病院のスタンダードをどう考えるのかと言う事を考えておられます。

一方でスタッフを大事にする病院でもあるらしい。

スーパードクターと言う方々が大勢いるらしい。世界各国からヘッドハンティングをして

来られる。ただ、高額報酬を提示しているのではなく、各名医さんに医療機器や手術室

など設計段階からお任せするそうです。名医は必ずしも高額な報酬を求めているのでは

なく、自己実現の場を求める方々が多いと言う事でした。

名医が施術できるチームを作ると、スタッフのレベルそのものが上がる。また若いスタッ

フを育てる為に勉強会をたくさん開催したり、技術を学ぶ場が24時間解放されている。

そこで研修医さんも勉強していました。冒頭書いた、看護師の大学などと言うのも医療

関係者を育てる一環なのでしょう。

医療従事者はストレスが貯まるので、発散する場として体育館を設置したり、眼の前の

海でサーフィンをするクラブハウスを設けたりもしているそうです。

スタッフがより働きがいを感じて患者に接する訳ですから、廻り廻って、患者さんに還元

されるんですね~ 

立派な病院だなぁと感心して見ておりましたら、行政に頼らず救命医療を充実させようと

する姿が放映されました。

亀田院長曰く、

『日本の首都圏は、世界史上経験した事の無いスピードで高齢化を経験します。そうす

ると医療は間違いなく崩壊する。65歳で45歳までの6倍の医療資源を使うそうです。75

歳で8倍ですって。首都圏を構成する人口分布はこれまで若年世代が支えていました。

世界一の人口密度があるエリアが急速に高齢化すると、現状の医療(現時点で6割赤

字)ではベッド数や医師の数など全く足りなくなってしまう・・・。

大変な問題提起を亀田院長は番組ラストでやられました。

厚労省がとって来た医療行政のライン上では首都圏の高齢化は支えられないそうです。

私立病院としては大学病院を除く最大規模の亀田病院が首都圏を救う・・・  

なんとも頼もしい病院なのでした。

恒例の村上龍さんのショートエッセイです。

医療界において『亀田』の先進性と合理性は突出している。ホテルのようなコンシェル

ジュ・サービス、快適な病室、それに国際的に活躍するドクターのヘッドハンティング

ばかりが話題になるが、それはすべて、徹底的に患者のことを考え、そのために自ら

の医療スタッフを徹底的に大切にするという、危機感に裏打ちされた『亀田哲学』の

具体化の一つに過ぎない。

番組後半で亀田先生が指摘されたとおり、我が国の医療、特に東京圏の今後は、

崖っぷちにある。『亀田』は、行政に依存せず、地域と医療の連携を実現しようとして

いる。崩壊寸前の医療界に、まるで暗黒の海を照らす灯台のように、一条の希望の

光を灯している。

首都圏の医療はこれからの高齢化に耐えられないと言うお話しは驚きでした。

でも今のベッドの稼働率から考えると、全くベット数も足りなければ、医師、看護師数も

不足している。例えば肺がんになってしまったとしても、半年先、一年先でなければ執刀

してもらえない程のレベルになってしまうと言うのです。

世界一の人口密集地域が高齢化を迎える。1~45歳の若年人口6人分を65歳人口1人

が使ってしまう。飛躍的に医療が不足する世の中に突入すると言うのです。

病気になっても医師にかかれない世の中になると言うのです。

これは医療行政の問題だと思うのですが、今の医療行政には期待できないので鴨川市

と言う地方都市のいち病院が果敢に首都圏の高齢化に立ち向かおうとしている・・・。

もちろんキャパの問題が立ちはだかりますが、亀田院長は、東京・神奈川・千葉・埼玉

と言う地域をにらんでおられます。

医療行政をあてにしていないから、『サービス重視』、『患者重視』の病院経営が出来た

と思うのですが、猛烈に進行する首都圏の都市化に備える提言なり、行政に対する働き

かけをして欲しいなぁ~。

医療にかかれず病状が進行する人が溢れる様になれば、日本の高齢化にブレーキが

かかり、世界的な平均値になればいいのか・・・。団塊世代から団塊ジュニア世代が

亡くなってしまえばいいのか。

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