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カンブリア宮殿・・・四季リゾーツ 社長・山中直樹さん

今回 (24・6・21) の放送のゲストは四季リゾーツ・社長、山中直樹さんです。

四季リゾーツは保養所の有効活用で格安な宿を提案している会社さんだと言う事は知って

いました。当時は箱根で格安の宿を営んでいる会社だと言われていたかな。

一泊+朝食付きで5,250円 (夕食付だと8,400円)。繁忙期でもお値段は変えないでやられて

いるそうです。

価格の安さのカラクリは『保養所』の有効活用だと思っていましたが、それ以上にご努力さ

れていました。なんとスタッフひとりで、チェックインの受付から部屋や風呂の清掃、調理

までをこなし、それだけでなく、近隣の施設の稼働状況次第では、他所の施設のスタッフ

業務までやるんですって。判り易く言うと、施設に固定されたスタッフが居る訳ではなく

1つのエリアを少人数の人員で切り盛りしている。(箱根で9か所、28人)

人件費だけでなく、不要な電気代や温泉のボイラー代もこまめに節約し、『5,250円』に

こだわりを持っているんです。

このこだわりは社名にも現れています。

日本人は年間、『旅行』に10万円をかけているんですって。一家族ですからこの予算で

言うと普通は年1回だけです。山中さんは旅行好きで、旅の楽しさを知っているから、

やはり年間4回、つまりは四季おりおりの美しさを堪能して貰いたいと思っていた。

逆算すると1回の旅で25,000円しか遣えない。ではその価格で宿泊出来る宿を創ろうじゃ

ないか  と思いたちます。

山中さんは東大卒業後、三菱地所に就職したエリートです。そして三菱地所時代に新

事業の社内コンペがあり、四季リゾーツの保養所活用による格安宿の運営モデルを

提案し、見事に採用された経験を持ちます。当初は三菱地所の事業だったものをMBO

で取得したと紹介されておりました。

ちなみに、チェックイン後の荷物運びのサービスや、お部屋のふとんの上げ下げなどの

サービスはないそうです。

山中さんは年4回の家族旅行と言う思想ですから、必要なサービスか、不要なサービス

かと言う取捨選択を厳然と行い、目一杯の企業努力をしているんですね。『まずは価格

有りき』と言う発想です。

新しく家族で『一棟』の保養施設を借り切るプランと言うのも紹介されておりました。

73,500円ですって。おじいちゃん、おばあちゃんや親戚が集まって、誰に気兼ねなく泊っ

て、かつ料金が安価に収まると言うのは面白いですね。今までなかなか出来ない身内

ひとまとめの旅ですが、これだけ安い料金で出来ると判ると、流行りそうに思います。

この番組が四季リゾーツさんのイイ広告になったんじゃないかな 

山中さんは他社の宿泊施設の経営のアドバイスなんかもやられているそうで、番組では

水上温泉・ひがきホテルさんのコンサルが紹介されておりました。

電気代などのコスト削減は当たり前として、サービスの取捨選択をお客さんにやって貰う

プランを設定。例えば寝巻や歯ブラシなどを削減する代わりに価格を1万円以下に設定

したそうです。これが見事に奏功して、水上温泉全体は錆びれつつある中で、客足を伸

ばしているそうです。

山中さん曰く、温泉場などのコンクリートが朽ちて行くのは忍びないので、ぜひ復興の

お手伝いをしたいとの由。

恒例の村上龍さんのショートエッセイです。

不動産大手のエリート社員が、誰もが認める優れたアイデアで起業する、まるで

ベンチャービジネスのお手本で、成功は約束されたも同然と言う感じがするが、

現実はそれほど単純ではなかった。

山中さんは、『どんなに辛くても逃げない』と言う父親の信念を守り、過酷な状況

をサバイバルした。

大の旅行好きが、土日さえなくなり、朝5時から夜12時まで働いた。

・・・重要なヒントがあると思う。

わたしたちは、他者から幸福を得るより、他者の幸福に貢献する方が、喜びが

大きいのではないかということだ。

山中さんは、大好きな旅行よりも、客と従業員、それに家族の笑顔に接すること

に、より大きな生きがいを見出して、成功した。

なるほどなぁ。

ぶっちゃけ、デフレを煽る価格破壊と言うのは消耗戦の構造を生み、まさしくデフレスパ

イラルを作ってしまうのではないか。老舗旅館やホテルがどんどん倒産するのは、こう

した低価格がまかり通ってしまうから・・・と言う複雑な思いがありました。

旅館やホテルの支援を・・・と言っても、原因のひとつが低価格化であり、それを作った

のが山中さんでしょ・・・と言う想いもあります。

ただ消費者の眼が肥えて、サービスの質に対する対価意識がより正確になって来てい

るのは事実です。その眼に叶わなければあらゆるサービス業は淘汰されます。

それにいち早く順応したのが四季リゾーツさんで・・・と考えると、そこについて行けなか

った旅館やホテルは、老舗と言うアドバンテージがあっても淘汰されてしまうと言う事な

んですかね。

一泊夕食付25,000円と言う一般的な価格設定があるとして、眼の前の食事が美味しい

と映るかどうかと言うのは価格次第だろう・・・。3000円ならば納得だけど、一万円だと

したら同じ評価かな?と言う問いかけは面白かったな。お食事さえも『サービス』に対

する評価なんだから、価格を明示した方がより納得感が得られやすい。

一般的な温泉旅館やホテルはボイラーは24時間炊きっ放しだそうです。25,000円の

宿泊料であれば、そんな経費削減には眼が行かないのでしょう。でも、消費者の目

は、受けたあらゆるサービスを25,000円の宿泊料に置き換えて、『納得感』を判断しま

す。なるほどこれはサービスを提供する側の奢りなのかな。

低価格化、デフレ競争と言うのは『消耗戦』であり、縮小を肯定する世の中から早く離脱

して欲しいと思って番組を見始めたのですが、いったん価格やサービスの見直しにより

削ぎ落すモノが無くなるまで、落っこちて、そこからまた『質』の伴った『価格設定』を築く

必要があるのかも知れません。

実はこのデフレも無駄では無く、健全な経済を営めるように『神の見えざる手』がちゃん

と試練を与えている。

厳しいけれども、老舗や有名観光地などと言うアドバンテージさえ、有効なツールになら

ない程の選別がなされている。

そう言う事なのかな。

企業の保養所が軒並み赤字で、それぞれの健保組合も赤字。保養所の運営費の工面

にも四苦八苦している状況で、保養所の賃料はほぼタダで借り受け、運営費のみを四

季リゾーツさんが持っているそうです。これも『見えざる手』がちゃんと手を貸している

と言う事なのでしょう。

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