カンブリア宮殿・・・ベアーズ 社長・高橋健志さん
今回 (24・7・5) 放送のカンブリア宮殿のゲストはベアーズ・社長・高橋健志さんです。
ベアーズと言う会社は家事の代行をやられている会社で、1999年設立。2011年の売上
は約10億円だそうです。純粋なサービス業ですから10億円の売上も立派だなぁ~と
思います。
そもそも『家事代行』と言うサービスを思いついたきっかけは、高橋さんご夫婦は香港の
商社に勤務されていたそうで、香港在住時、フィリピン人のメイドさんがとても親切に家事
を手助けしてくれていた。日本に帰って来てから、更にお子さんが産まれて家事に追われ
る奥さんの姿を見て、日本ではメイドさんは雇う事が難しくても、時間で家事を手伝って
くれるサービスがあれば便利だ・・・と言う事に気づき、『世の中にないなら創っちゃえ』の
精神で『ベアーズ』と言う会社を興された・・・と言う事でした。
『家事にお値段をつける』と言う行為はなかなか難しいですね。
毎日、各ご家庭で家事はなされている訳で、当たり前のことに値段をつける・・・と言う
のは高橋さんも悩まれたそうです。
カンブリア宮殿が一般の方々にアンケートした結果では、男性は家事労働の時給を
1048円/時、女性は1521円/時と評価したとの事。これはちょっと安いのでは?と私個人
では思います。ちなみにベアーズさんの単価は2700円との事。一般人の感覚の倍の
価格と言うのは、値決めの点もマズマズの設定だなと感心しました。
専ら家事代行のお仕事をされるのはベアーズレディと呼ばれる女性達。
家政婦さんと言う仕組みが日本には昔からあり、ドラマでも有名になりましたが、家政婦
さんとの違いについて、村上龍さんが質問した所、高橋さんは『研修』と回答されており
ました。家事のプロの奥様達が更に研修を受講し、ハードルをクリアして行くことで、職
業としての家事代行が出来るレベルになられるのだとか。(家政婦さんにもココは言い分
がありそうですね~)
さて、料金ですが、いろんなサービスがあるのだそうですが・・・
掃除+お洗濯の2時間パックで、5834円
デラックスプランは 々 (2時間) 7830円
ロイヤルと言う教官クラスの派遣で、2時間 14550円だそうです。
またご連絡後3時間以内にやって来てくれるエクスプレスは、3時間 14800円
お料理を10品、4時間で作ってくれる 楽ラクウチごはんは4時間 15600円(材料費別)
と言う事でした。楽ラクは、お料理のレシビなどを勉強出来、実演してくれる訳です。
また10品のお料理は冷凍しておいて、1日2品ずつ、5日分のお料理として・・・と言う
算段なんですね。
一部コンビニでもギフト券として、7000円で売られており、実家の親や、奥さんの孝行
にご利用されていたり、全国440社が福利厚生の一環として取り込んでいるそうです。
サービスの提供を受ける場を作るのが難しそうですが、徐々に世の中に浸透中と言う
事なんでしょうね。
家事代行業は今現在は644億円市場だそうですが、将来は5000億円市場になると言
われているそうです。『時間制の家事代行』はベアーズさんが創られたそうですが、
マーケットとしての創生期から、拡大期においては、創意工夫でシェア争いが起こりそう
ですね。比較的参入が容易な分野だけに、介護などよりも事業戦略が立てやすそうです。
家事代行を受けている方々を見ると、共働きのご家庭が45%、専業主婦、単身OLがとも
に15%と言う事でした。共働きは理解し易いですが、専業主婦であっても、ご家庭の事情
や高齢の為・・・と言う事での利用はなるほどなぁ~と言う所ですね。
徐々に家事代行への抵抗感は薄れてくると思います。単身OLの15%が良い例ですね。
稼ぐのは自分がやって、家事はベアーズさんに頼めばいいや・・・と言う事です。
村上龍さんは、『家事なども楽をしたい・・・』と言う発想が大事ですねとお話しされており
ました。
最後にベアーズレディの年齢構成ですが、50代以上が約半分。収入はもらっている方で
月20万円程、少ない方だとお仕事の量が少なくて、2~3万円だそうです。ただ雇用以外
の生きがいも生んでいると言う村上龍さんのお話しはガッテンしました
恒例の村上龍さんのショートエッセイ(編集後記)です。
多くの人は、社会的に失われたものに気づかない。
ほとんどの地域で、大家族制と、それに「世間」と言う温かな共同体が消失した。
核家族化と都市化で犠牲になったのは、おもに家庭を預かる女性たちだ。
日常的に孫の面倒を見てくれるおじいちゃんおばあちゃんも、総菜を分けてくれる
近所の世話好きのおばちゃんもほとんど姿を見なくなった。
高橋さんご夫婦が興した「ベアーズ」は、単なる新規ビジネスと言うだけではなく、
新しいネットワークの可能性を秘めている。今、社会は「互助」と言う懐かしい概念
を必要としているが、現代の互助は、ボランティアではなく、経済合理性に基づいて
なければならない。
なるほどなぁ。本来は広まればいいサービスなんだけど、景気低迷が足かせになりそ
うな気がします。
互助が必要と言うのもガッテンなのですが、その切り口は『家事代行』なのか?とは
思います。家事代行も1つの形態ですね。お年寄りの介護と言うよりは、時間を持て余
す元気なお年寄りに公民館で育児の手伝いをしてもらう的な、老保育なんかもコミニテ
ィですし、昔の長屋みたいな世話焼きババ付きの賃貸物件なんて言うモノも時代が進
むと、復活が求められるのかなぁ~。行政も巻き込んだ『コミニティ再生』と言うのがある
と良いんでしょうね。そこにはボランティアではなくて、経済合理性が無いと行けないの
かなぁ~。
豊かに、楽しく暮らす・・・と言う事を突き詰めて考えると、実は『核家族』と言う仕組みは
あまり適切ではない気がします。価値観が多様化し、求める夢がバラバラになってしま
ったのは幸せな事なのですが、それ以外の何かがないと『豊かに・楽しく』と感じられ
ないのでしょうね。
子育てに追われ、家事に追われる主婦達が、もっともっと豊かに暮らせるようになる事
で、つまりは女性の力を上手にコミニティの力も活用する事によって、日本再生が出来
るのかなぁ~とおぼろげながら思います。
そうなると、この周辺分野では産まれて来なければダメなサービスと言うのは、家事代行
だけでなく、もっともっといろんなサービスが求められる様な気がするんだけどなぁ~。
まずはリードして業を興され、着実に世の中に浸透しているベアーズさんが牽引して、
日本の風習や敢行・意識に風穴を開けると言うことは大変に意義のある事なのだろう
と感じました。
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