カンブリア宮殿・・・カルビー会長 松本 晃さん
カルビーと言う会社は、改めて凄い会社だなぁと思いました。
スナック菓子では全国シェア46%。ジャガイモは日本の生産量の10%を使用しているん
ですって。そして業容を拡大しようにも、もうそろそろじゃがいもを集められなくなっている。
そこまで凄い会社なんですね。
ポテトチップスのシェアは60%で、年間にポテチだけで80種類も出しているそうです。
王者の秘密として、①お客さんが眼が離せない戦略・・・80種類の新商品をどんどんくり
出して、客を離さない戦略。②ジャガイモ年20万トン購入。世界で一艘しかないジャガイ
モ運搬船を持っているそうです。
番組から反れますが、私は最近コストコによく行きます。外国のポテチもたくさん売って
います。ついに全制覇しましたが、味に関しては、食べてみてカルビーの美味しさに改
めて脱帽しました。もともとは外国のお菓子だと思いますが、製造の精度を上げていか
においしい菓子を作るのか・・・と言う点では、日本のメーカーは素晴らしいと思います。
その秘密をカルビーの製造過程として紹介していましたね。
もともとジャガイモを1分間に2400枚、厚さ1.5ミリでカットする機械があるそうですが、
その日のジャガイモ見て・・・担当さんが1/100ミリ単位で厚さを調整しているんですって。
それであの食感になっている・・・。
これが世界のポテチにはないんです。デリケートじゃないんですよ。
こんな工夫をやっぱりしてたんだ と感心しました。
あっ、てっきりカルビーは北海道出身だと思っていたのですが、なんと広島が発祥地な
んですよ。そして今の社名の由縁は、子供たちに「カルシウム」と「ビタミンB1」を摂取さ
せたい・・・その思いから「カルビー」なんですって さすがです~
当初はキャラメルを販売していたのですが、森永などの大手に市場を奪取され、困った
創業者さんが、子供のころ食べて旨かった瀬戸内の小エビを練りこんだ菓子の製造を
思いつき、「かっぱえびせん」が誕生したそうです。
カルビー史はこの辺にしておいて、会長の松本さんのお話しに移りましょう。
松本さんは2009年に会長として招かれた方で、ジョンソン&ジョンソンの社長をしていた
方。ジョンソン社の売上を3.5倍にした名経営者だそうです。米ペプシコとの提携や中国
大手食品会社などとも提携をしてカルビーを拡大させている・・・。
カルビーは売上1632億円、従業員は2890人。優良企業ではあったのですが、敢えて、
外部から松本さんをヘッドハンティングして、更なる優良企業になろうとしているのだそ
うです・・・。
松本さんは断トツの一位じゃなきゃダメと言う信念を持っています。
1位50%、2位15%・・・こんなトップは心もとない。追う2位は優しいが、トップを維持する
のは大変なんだ。100%は難しいのだろうが、2/3のシェアは持った断トツの一位じゃな
いと安泰ではない・・・。
断トツになるために松本さんは、企画コンペ等、千本ノックと呼ばれる物を社員さんに
課しているそうです。「企画のノルマを雨のように降らせる・・・」と番組では言ってました。
これがポテチで年間80商品も投入する源泉になっているんですね。
冒頭でジャガイモの国内生産の10%をカルビーが消費していると書きましたが、本当に
調達が難しくなっているので、「脱ジャガイモ」戦略を採っているのだとか。
カボチャチップスなど「ベジップス」と言う新商品が出てくるみたいですね。そういえば
コストコにも野菜チップスは売ってたなぁ~。
松本さんが会長になって、利益率は大幅に改善されたそうです。1~3%だったものが
7.6%になったんですって。。。今まで利益への執着が希薄だったのだと思う。。。との
話がありました。
松本さんが社員にお話ししているのは企業理念だそうで、ジョンソン&ジョンソン時代
のクレドー(信条)をカルビーでも話しています。
カルビーが第一に大切にするのは、「顧客や取引先」。次に「従業員とその家族」。
そして「地域・コミニティー」を考え、最後に「株主」だ・・・。
仕事とは人と人とのかかわりそのもの・・・と話す松本さんを見ていたら、もう番組が
終わってしまいました。
1時間枠でカルビーは収まらなかったのかも知れません・・・。
恒例の村上龍さんの編集後記です。
松本さんの経営哲学の根本にはジョンソン&ジョンソン時代に巡り合った
「our CREDO」がある。「顧客や取引先、従業員、地域社会を考えて行動すれば
最終的には株主の利益に結びつく」これほどシンプルで、「正統的な」信条を見たこと
がない。
カルビーと松本さんの出会いは、異色だが、幸福なものだった。カルビーは衰退して
いた訳ではない。優良企業だったのに、外部から経営のプロである松本氏を新しく
迎え入れた。衰退してから変化するのは、非常にむずかしい。企業が正当な危機感
を持ち、変化の必要性に気づき、外部から新しい「血と知」を導入すれば、必ず進化
を成し遂げられるという、日本では稀有の成功例である。
なんだかな。
カルビーは鉄壁ですね。
ポテチの味へのこだわりと、実際の味や食感は、スナック菓子部門では断トツなんだと
思いますよ。湖池屋さんも美味しいと思いますが、やはりカルビーあっての2番手企業
のガンバリなんでしょうね。
ヤマヨシさんも含めて、日本の美味しいポテトチップスが世界で愛されるようになれば
いいと思います。
わずか1袋100円前後の商品に・・・1/100ミリの変化をつけている製造工程に乾杯
です。
アメリカ映画みたいに向こうのポテチを食べてみたい・・・コストコでそう思ったのですが
ムードはいざ知らず、味では、カルビー・湖池屋に勝るものはない・・・。
そう確信したのでありました。
湖池屋さんがなんで出てくるの~と言うなかれ。シャープがフラフラする時代でしょ。
今のうちから2番手、3番手(ヤマヨシさん)も応援しなきゃ・・・、日本がおかしくなりそうで
すから (放っておいても断トツカルビーは成長するでしょうから
)
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