カンブリア宮殿・・・日本M&Aセンター 社長 三宅 卓さん
今回 (24.8.9) のカンブリア宮殿のゲストは 日本M&Aセンター 社長の 三宅 卓さん。
日本M&Aセンター と言う会社は、中小企業のM&Aを専門に手掛けている会社です。
2011年で106組を成約に導いたとの事でした。 (この20年で900組の成約実績)
私も銀行員時代にM&Aの相談を受けた事があり、具体的に案件として取り組んだ経験
がありますので、中小企業の事業承継問題に絡んだM&Aのニーズがたくさんあって、
かつ深刻な問題である事は重々承知しております。帝国データバンクによると中小企業
の67%が後継者不足で悩んでいるとの事でした。
それは①企業本体の借入金があり、②実子以外のナンバー2に株式を譲渡したいと
思っても、ナンバー2の方々には、億単位の株式購入代金が調達できない・・・と言う
金銭問題が大きなネックになっています。
三宅さんが中小企業には2012年問題があると話していました。
それは・・・団塊の世代が65歳を迎えることで、中小企業の事業承継が深刻な問題に
なるだろうと言うモノ。
確かに、中小企業経営者はにとって事業承継は大きな問題ではありますが、急に65歳
になる訳でなし、技術と雇用を大切に考えながら事業承継も考えていけばいいのであ
って、「2012年問題」と言う言い方には私は良い気持ちはしませんでした。
またタイミングが大切と言いながら、相談は早いに越したことはない・・・だとか、「これが
一番大切」と言う言葉が何回も出て来て・・・煽りと言うか、カンブリア宮殿を「営業」に
使おうと言う気持ちが前面に出ていて不快に思う部分がありました。
売る側の技術や従業員、また経営者に対する尊厳が大切と話しているのに、ちょっと
残念。企業の売却はとても慎重な問題ですし、先に紹介した帝国データバングの数字
を勘案しても、お悩みになられている経営者はかなりの数いらっしゃいます。市場が
未整備な為にどこに相談したら・・・と言うのが本音の部分かも知れませんね。
顧問税理士や取引銀行など、守秘義務を順守されるお付き合いのある先にまずは相
談するのも一考だと思います。経営者は孤独です。まして企業の売却と言うと、大変
デリケートです。日本M&Aセンターさんが適役なのかどうなのか・・・各人がご判断
される事なのでしょう。
番組でお話しされていた様に、M&Aは、不動産の売買の様な法制度がありませんので
職人技みたいな感があり、また報酬形態などもあいまいな世界です。
中小企業創業者、また創業一族にとっては、常に後継者がある訳ではないので、その
事業の幕の降ろし方としてM&Aと言う選択肢があれば、雇用の責任の観点から安心
出来るだろうと思います。また借金に関しても企業を売却する事により、清算が可能に
なります。技術力や固定資産、従業員や顧客網が正しく評価されると言う意味において
設備が中古であると言う事で、二束三文で売られてしまうのは忍びないし、雇用や技術
力などは全く無評価で閉鎖していく多くの企業は気の毒に思います。
法整備など何もない中で、パイオニア的な存在としてM&A市場を作った・・・と言う意味
においては評価されてもいい会社なのでしょうかね。
事業承継に悩む経営者さん達に、自分の会社の存在を知ってもらい、事業承継の重い
ご負担からの解放してもらいたい・・・と言う気持ちから、あれだけ三宅さんは煽り営業
をされたのでしょうが・・・バランスとして、私は本ブログではあまり「ご紹介」的なスタン
スにならない様に配慮したいと思います。恒例の村上龍さんの編集後記の引用は今回
は中止したいと思います。
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