ガイアの夜明け 家電ベンチャーからの挑戦状 ~異端児が仕掛ける独創モノづくり バルミューダ、Bサイズ
ガイアの夜明けはあまり見ないのですが、『家電ベンチャー』なる言葉に惹かれて昨日の
放送は拝見しました。
ダイソンが扇風機から羽根を無くして話題になりましたが、日本初で羽根の形状を変えて
羽根を二重構造にして、かつ羽根の枚数を増やすことで自然な風を発生させる扇風機が
売れましたよね。扇風機の形状はもう何十年と変わらずにマイナスイオンが出るとか、
勝手に風が強弱になる自然風なんてものがありましたが、あれは微修正のレベルです。
もう低価格に行くしかない・・・と思われていた扇風機にスポットライトを当てて、しかも
高価格で売ったダイソンは偉いと思います。それに追随するかのように、日本でも『バル
ミューダ』が羽根の形状を根本的に変え、「自然により近い風」を創ると言う扇風機を
高価格で売り、それがヒット作となったところが偉い
今回のガイアでは、「バルミューダ」が扇風機の次に白羽の矢を立てた『空気清浄機』
についての開発風景をしっかりと紹介していました。
とても活気のある会社で面白かったし、何よりココの製品はデザインがいいですね。
空気清浄機は元々高価格帯の品だから、扇風機なんかよりも高価格が受け入れられ
る素地もありそう。扇風機ほど汎用性がある品ではないから、どこまで広まるか・・・と
言う点は未知数ですが、今年の11月から販売されるとの事でした
『照明』をバルミューダが考えるとどうなるか?と言う『開発会議』もとても興味があり
ました。ホンダやソニーなんかも昔はこうだったんだろうなぁ~と感心してみていました。
企業は生き物だから生まれ、成長して、やがて老いる。1企業だけを見ていると、巨大
企業が潰れる事は「危機」だなんて思いますが、産業全体からみれば、抜けた穴を
補完する企業がやがて現れる・・・。今は起業が少ない時代だなんて言いますが、しっ
かりと『バルミューダ』なんて会社が現れるのだから大きな意味での新陳代謝は健全
に作用してますよ~と言う事なんだなぁ~と感じました。
番組では『ひとり家電メーカー』として『Bサイズ』が紹介されていました。
こちらは設計・開発から梱包まで自分ひとりでやっていますよ・・・と言う企業。
どうせショボショボなんじゃないの ? と思ったら、第一号商品がLEDスタンドだと
言う事でしたが、なんとも素敵な曲線を持った電気スタンドじゃないですか
お値段は4万円弱と若干高めですが、それでも欲しいと言う需要があって、2ヶ月待ち
の状態だと紹介されておりました。
Bサイズさんは元々富士フィルムに勤務されていたそうです。富士フィルムって闊達
な会社で、どんどん好きな事をやらせてくれる会社だと思っていただけに、えっ
と思いましたが、いろんな事情があったんでしょうねぇ~。
それにしても『ひとり家電メーカー』と割り切って、自ら商売のネタを探し、そこに独創
的なアイデアを加え、やはりこちらもデザインにこだわりを持った商品を創ると言うの
は素晴らしいと思いました。
新しく開発している木製のスマホ充電器と言うのも面白そうだなぁ~と思います。
今回のカンブリア宮殿ではバルミューダさん、Bサイズさんが紹介されていましたが
おそらくは日本全国にベンチャー家電メーカーはあるのでしょう。
高度経済成長下ではないので、爆発的なヒットと言いますか、一家に一台なんて商品
は産まれない、生まれにくい現状なのでしょう。そこで扇風機、空気清浄機、LEDスタン
ド、充電器・・・と言った大手家電が既に押さえたと思われる市場の一部をしっかりと
性能・デザインで切り崩す手法を取っている。バルミューダさんが会議で話していまし
たが、まだまだ陣容が小さく、失敗が命取りになってしまう状況故に、なかなか大きな
失敗は許されない。その中で何を創って行くべきか・・・。
「いい会社をつくりましょう」・塚越寛さん著でお話しされていたように、ブームを作って
はダメ、急拡大してはダメ・・・。着実に成長を遂げるように経営しないと・・・と言う発想
からすると、当面は既存市場の中で、独創的な商品を投入することによってシェアを
獲るのが正しい戦略なのでしょう。扇風機や掃除機なんて超成熟市場に風穴を開けた
ダイソンがいいお手本なのかなぁ~。
ホンダやソニー、パナソニックは時代が良かったんだなぁ。
Bサイズさんはこのまま「ひとり家電メーカー」で行くみたいですが、バルミューダさん
は20年、30年後には大家電メーカーの一角に居るような気がします。
おっと、塚越さんは「一番になる」なんて事を目標にしなさんな・・・と戒めていますけれ
ど。
大いなる中小企業 と言うのも素敵です。
技術に立脚して、消費者をアッと言わせる商品がどんどんと出て来て欲しいものですね。
今回のガイアの夜明け・・・実はメーカーの開発担当者さんが、紹介された2社の仕事ぶ
りを羨ましく思われたのかも知れません・・・。
またそうあって欲しい。優秀な技術者達から羽根をもいでいるのが、今の家電メーカー
なのでしょう。研究開発をどんどんやって来た日本の家電が、欧米流の短期的な利益
重視の経営手法に取り込まれた結果、技術の種を摘んでしまって欧米化してしまった
のが今の日本の現状です。
シャープなんかはその典型。
政治も経済も『仕組み』を変更する時期が来ていると思うんだけどなぁ~。
バルミューダさん、Bサイズさん、そして日本にゴマンとあるベンチャー企業さん達・・・。
貴方たちこそが本当の『志士』なのだと思います
~追伸~
今回紹介された2社ですが、双方知名度が低い中で、敢えて高価格帯商品を攻めて
いるところが素晴らしいと思います。そして高価格帯にも関わらず、良い物を正しく評価
する日本の消費者も素晴らしいと思いました。
日本人って他人に追随したり、ブランドに流されやすい人たちだと思っていたのですが
特にアッパーの層は、ブランドでなく、商品の良さを見極める『眼』が出来て来ているの
ですねぇ。クラウンやベンツなどに乗っていた社長さん達が、プリウスに乗るようになっ
て価値観が変わってきたのかなぁ~。
日本って思う以上に民度が高い良い国なのだなぁ~
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