カンブリア宮殿・・・業界激震!スーパーの革命者たち
今回 (24・10・18) の放送も取材の谷間 ?
冬の時代と言われるスーパーの中で面白い活動をしている会社3つを取り上げて番組を
作っていました。
村上龍さんもお話しされていましたが、消費者が多様化する中で、どうやってサバイバル
すればいいのか?カンブリア宮殿流に考えてみました・・・と言うところでしょうか
スーパーに限らず小売全般に言える事ですが、どうやって付加価値を産んでいくのか?
消費者が賢くなったので、その付加価値に満足すればその企業は栄えるし、そうでな
い所は衰退する。消費者が多様化しているのではなく、私は消費者の眼が肥えてきた
のだと思っています。それ故に、楽して儲けるスタイルでは大きな会社であっても簡単
に潰れる時代がやってきた。資本主義が高度化、尖鋭化しているのだと思っています。
そもそもスーパーは手間を省いて低価格で大量に売る事で消費者の支持を得ました。
町の魚屋さんや肉屋さんなどを淘汰する事でシェアを奪取した業態です。
そのスーパーの価格が飽きられる時代がやって来た。そこに驚きや満足・納得感を
消費者は感じなくなってしまった・・・。付加価値を産まないモノは淘汰されます。。。
そこでカンブリア宮殿では3パターンのスーパーサバイバル術を紹介します。
①大黒点物産 さん
岡山に拠点を持ち、徐々に勢力を拡大しているスーパー(85店舗)。店舗名はラ・ムー。
激安を武器に消費者から支持されており、ラ・ムーが出店するとその地区では物価が
5%下がると言われるスーパーなんですって。無駄な陳列什器はなく、倉庫もない。24
時間営業で深夜に商品が配達され、そのまま店内に陳列するスタイルです。商品アイ
テムを4500種まで絞り込む事で大量仕入れを実現し、安さを実現する。食パンなどは
パン工場を買収し、素材・味にこだわりつつ最終的には低価格で売ることに付加価値を
見出そうとしている会社さんです。
②福島屋 さん
東京都羽村市周辺に4店舗を構えるスーパーさん。
『他にないちょっとイイもの』を提案するスーパーさん。買収される前の成城石井さんみた
いな感じでしょうか。お値段は高くてもイイモノを売る。これは商圏内のお客様の層に
よりますね。社長自ら、良い物を作っているメーカーに出向き、取材して、フェイスブック
やユーチューブにアップして素晴らしい商品の付加価値をPRする。小さいけれど全国に
ゴマンとある優秀商品を作っているメーカーさんがぜひウチのモノを売って欲しいと商材
が集まるのだそうです。その商品を求めてお客さんが集まってくる・・・。これも立派な付
加価値の創造方法ですね。
③コープさっぽろ さん
北海道の住宅密集地でないエリアを移動販売で直接消費者宅に出向く事で付加価値
を見出そうとしている姿が紹介されました。いわゆる買い物難民対策として夕方のニュ
ースなどでよく取り上げられていますが、実は個人・小規模業者が参入してもなかなか
定着しないで廃業するのだとか。
それには仕入れた品の商品ロスが大きく関係するそうで、コープさっぽろさんでは売れ
なかった品は、スーパーの商品同様、半額などの値引きセールで売りきってしまうので
商品ロスが少ない訳です。
買い物は宅配で・・・と思いますが、お年寄りは「発注」が大変だから、なかなか馴染めな
いんですね。それにやはり手にとって商品を見て、買い物すると言う楽しみも実感したい
のでしょう。
首都圏でも千葉であれば千葉市以東全域、埼玉だって県南・県央以外のエリアでは
充分に通用する売り方だと思いますよ。
移動販売車は運転手さんがひとりひとり店長さんですからしっかり教育して、消費者に
受け入れられる販売車を増車したいと理事長さんが話していました。
村上龍さんの編集後記です。
スーパーマーケットの歴史は、中産階級の歴史とシンクロしている。
戦後の窮乏期を経て高度成長がはじまり、やがて日本に、巨大な中流層が誕生した。
だが、独自の流通を整備し、大量の商品を安価で提供するという画一的なビジネスモ
デルは、格差を伴った多様性の出現によって揺らぎはじめ、業界は冬の時代を迎えて
久しい。
中流層と、そのライフスタイルが多様化すれば、当然スーパーマーケットの戦略も多
様化を迫られる。想像力を巡らせ、顧客に何を届けたいのか、自ら把握した経営者だ
けが、多様化という激しい波が押し寄せる海原で、進路を決めることができる。
消費者が賢くなったと言う事は、付加価値をどうやって創造するのかと言う点さえ間違
わなければ支持される確率が高いと言う事ですね。福島屋さんの紹介VTRで、醤油の
醸造元が、手間をかけて昔流の手間暇かけて作る醤油が今は高くても売れる時代に
なったと言ってました。10年、20年前は低価格・大量消費の時代で、良い物を作っても
安くなければ売れなかったのですが・・・と言っておられたのが印象的でした。
なるほどフェイスブックなどで世の消費者にPRも出来るのですから、正直に良い物を
製造すると正当な評価を受ける時代がやってきたと言う事です。
「お取り寄せ」なんて事も流行る時代ですから、「流通業」から「製造業」に覇権が移動す
る時代がやって来た・・・と言えるのかも知れません。
「スーパー」と言う業態をアメリカから持ってきて、創意工夫で日本流にアレンジし、その
付加価値を参入各社で食い潰した結果、今のスーパー冬の時代がやってきた。
各社サバイバルに勝ち残るための創意工夫を懸命になってやっているが、これはいい
ぞと言うシステムは比較的簡単に真似されます。流通が産む付加価値は紙一重の薄さ
の中で戦っているからこそ、容易に真似されるのでしょう。。。
スーパーと言わず、全産業初心に立ち返って付加価値を意識しなおす時代に入って
いる様に思う今日この頃です。
不要な機能を盛り込んで高く売ってしまう家電品や、安値の提供を付加価値として売る
スーパーが高値で販売するから、その不誠実さを賢くなった消費者が見抜き、たちまち
その企業を袖にしてしまうと言う状況がアチコチで起こっている。
多様化した消費者ではなくて、我慢ならなくなった消費者の暴動と言うべき事態が当た
り前に起こっているのではないでしょうか。
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