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カンブリア宮殿・・・ブルーハウス 専務取締役 大島芳彦さん、執行役員 石井 健さん

今回 (2012・11・1) のカンブリア宮殿のゲストは不動産再生の革命児こと、ブルーハウス

さんがゲストです。賃貸不動産から普通の住宅まで、古い物件を再生しようと言う会社さ

ん。

賃貸物件はどんどん供給が続き供給過剰になる一方で、賃借人は経済的な理由から親と

同居を選ぶのでどんどん空室が増えてしまっています。

そんな中で築30年、40年、50年と言う物件をどうするのか・・・。建て替えが必ずしも良い

訳ではなく、リノベーションすればいいじゃないか。世界に眼をやると、ヨーロッパなんて石

造りの建物だから築何百年なんてざらにあって、世界の主流はリノベーションだ  と

お話しされていました。

リフォームとリノベーションの違いと言う発想は面白かったです。リフォームは形を元に戻

す行為。リノベーションは元に戻すだけじゃなくて価値を上げていく革新なんです  

再生した物件もたくさん紹介され、喜んでおられる方々の姿がたくさん映っておりました。

私は半分くらい賛成で半分くらい分からない・・・と言うのが正直な感想です。

だから今回の話しは詳細に書いて薦める事は辞めようと思っています。

私は元銀行員ですから、どうしても物件の価値と言うと資産性・換金性に眼が行ってし

まいます。『住みこなす』と言う言葉がたびたび出てきましたし、住んで自分が満足する

と言うのも価値だと言うのは充分に理解できます。ただ建て替えと言うのは基本的には

積算価格・担保価値がそれほど増えるものではない。日本は自然環境が厳しいし災害

も多い。だから自然に打ち勝つ住宅と言うよりも建替えを前提とした建物を肯定してき

たと言うお国柄なのだと思います。世界標準のリノベーションが日本で肯定されるとは

思いません。また建築時の発想は20年住宅の発想の家ですからね。

賃貸住宅の場合には、積算価格と収益還元価格と言うのがあって、利回りから建替え

費用も含めた総投資額で割り返すと、物件価格が算定されます。通常はその双方の値

を踏まえて資産性を評価するので、賃貸物件にはリノベーションで増えた本来の資産価

値が測りやすいですね。リノベーションの評価が分かりやすい。

古い物を活かそうと言う「もったいない精神」は個人的には理解します。

ただ骨董として評価されるモノはあくまで元がしっかりしたものであって、駄作はたとえ

300年経っても価値はなく、そこに手を加えてもなかなか価値は発生しないとは思いま

す。家と言うのは手を加えやすいので、新たな匠の腕が素晴らしくて・・・と言うのが

ブルーハウスさんなのだろうとは思いますが・・・。

エンドユーザーさんが自己使用する物件の場合は、周囲が壁で収納がたっぷり、いつ

でも片付く家なんて言うのは、それを素晴らしいと思う人も多いと思いますが、風呂が

部屋の真ん中にあって、大好きなお風呂中心の家に満足していると言うお嬢さんの姿

がありましたけれど、お風呂の家はなかなか住みたいと思う人が少ないでしょう・・・。

何が言いたいかと言いますと、『家に合わせる暮らしではなく、ライフスタイルに合う家』

の方が良いでしょと言うブルーハウスさんの提案には大賛成なのですが、家を買うと言う

事は土地も買うと言う事で、土地には縛られなきゃダメですか?年齢や家族構成の変化

があった場合にはどうするのですか?と言う事も考えなきゃなんだと思うんです。

もちろん予算の中ですべてが満たされる家と言うのはなかなか無いから、選択肢の1つ

だと言う事ならば分かりますけど・・・。

ライフスタイルに合わせると言う事は、私は『住み変えていけばいい』と思うので、あまり

自分流に作り替えるのではなく、相応に汎用性があった方が換金性・資金性は確保され

ているのではないか・・・と思っています。

2DKや3DKの昔の団地間を1LDKや2LDKに変更するって言うリノベーションは使い勝手

も良くなるし、それは売却時 (換金時) にも正当な評価を受けると思いますので充分に

ありだと思いますが、それだって投下費用に見合うものでなければ行けないのではない

か・・・と私は思います。

リノベーションの中には『革新』と言う言葉が入っているのですが、一般に広告されてい

る物件の大半はブルーハウスさんが言う『リフォーム』じゃないか  と言うモノが多い

から『リノベーション』と言う言葉を聞くと斜に構える私が居るから素直に受け止められて

いないのかな。

『コミニケイト』の大切さを物件に反映させて、たとえば隔月で催し物を企画、実行し、

その企画に集まった人がその物件に住みたいと希望し、入居希望者がウェイティング

状態にある・・・と言う運営のお話しは面白いと思いました。

公団の再生と言うテーマにも取り組んでおられ、敷地内に貸し農場を作ったり、食堂に

老若男女が集まれる様な工夫をする。そこでコミニティーのお年寄りや若者、子供たち

が触れ合う場を作って居ると言うのは実によい仕事、グッドジョブだと思います。

これなどはURがコンペ形式で複数の企画を選んだとの事でしたから、費用対効果も

充分に判断されたいいお話しだと感心しました。

築50年のアパートや古民家にかなりの額のお金をかけて、しばらくは住みよい家にな

るのでしょうけれど何十年そこに住めばいいのでしょう。賃貸住宅ならば最初は目新し

さもあって設定家賃が上がったり、満室などの稼働率も上げられるのでしょうが、何年

その状態が続くのかと言う想定の妥当性も判断しなければいけないと思います。

懐古主義ではないとお話しされていましたし、おそらくはそれを補完するための「運営」

の充実なのでしょうけれど決して右から左に行く話ではないと思います。

もちろんそれを充分に検討されブルーハウスさんはそれだけの価値を生み出している

からこそカンブリア宮殿に取り上げられたのだろうと思うんです。ただ真似っ子をしてい

る会社さんや物件もたくさんあって『リノベーション』と思う事もしばしばなので・・・。

視聴者さんはしっかり自分でいろんな意味合いの『価値』がありますので、それに自分

の考え方のバイアスをかけてご自身が満足・納得出来る物件を探すといいのでしょう

ね。

恒例の村上龍さんの編集後記です。

大規模な「再開発」が報じられ、完成した複合施設が紹介されるたびに、わたしは違和

感を持った。スクラップ&ビルドはもう時代遅れだと感じたのだが、ブルースタジオのお

二人と話していて、理由がはっきりした。わたしたちはいまだに、あらゆるものが不足し

ていた時代の呪縛から解放されていない。ブルースタジオの、「住宅の編集」という考

え方は新鮮だった。あらゆるものが、足りないのではなく、あふれているのだ。すでに

ある資源をどう組み合わせ、どう活用するか。「編集」という発想は、住宅・建築だけで

はなく、経済・社会・文化など、あらゆる領域に、有効であると思う。

村上龍さんが言う スクラップ & ビルド についても私自身は、今の国土を前提にした話

しでは急激な人口減少社会では対応できなくなると思っています。人口減少社会では

均衡ある地域の発展なんて無理で、いずれインフラだってまんべんなく出来なくなる時代

がやってくる。そうするとリノベーションが国策になんていう時代じゃなくなるだろうと思っ

ています。原発事故でなく人口減少社会が原因で、都市の再編成によるおおがかりな

スクラップ & ビルド が必要になるでしょう。限界集落がどんどん増えてくると数軒の家

のために橋や道路、上下水道を維持するのは公共の福祉に合致しなくなる時がそう遠く

ない時期にやってくる。このリノベーションの20年、30年先だとある程度現実化してくる

のだと思います。

人口減少に歯止めがかかれば別ですが、うんと難しい所に今の日本は居るように思い

ます。

住宅問題って言うのは本当に難しい問題なんですよね。

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