パナソニック・シャープ・・・頑張って下さいヨ
パナソニックはやはり赤字決算になりましたね。
津賀さんが社長になる事が決まった際のインタビューを見て、危惧した通りになりました。
このブログでは3月27日の記事で書いた訳ですが、津賀さんは当時、パナソニックの社員
は優秀だといろんなインタビューで話していたのです。
あぁ、これは病根が分かっていない、現状認識がマズイなぁ~と思ったものです。
ここに来ての赤字の発表・・・これはやむを得ないのかも知れません。ただそこでリストラ策
を自信なさげに発表する姿を見て、まだまだパナソニックは事の重大性を認識していな
い、又は処方箋が分かっていない・・・まだ社員は優秀だ・・・と思い続けているのではない
かと危惧しました。
最近、いろんな経済番組でなぜ日本の家電業界がダメになったかと言う特集を組んでい
るのに肝心の経営陣は番組を見ていないのかな。
シャープの社長も会見で、自分の責任など微塵も感じていない素振りで、赤字の発表の
書面を下を向いて朗読していました。
リストラは人や研究と言った大切な財産の芽を摘む行為であって、会見でリストラを発言
する以上、『管理』主体の短期的なビジョンに終始し、将来の収益の芽をことごとく摘んで
しまう。どれだけの大赤字が今後続くのか分かりませんが、収益を出せる技術の蓄積を
しなければダメだと思いますし、そもそも平時ではなく緊急事態。
経営陣は寝る間も惜しんで経営を考えなきゃダメでしょう。パナもシャープも社長は我が
事と思わずに会見に臨んでいるとしか思えない位にヒトゴトに感じました。
気迫と言うか、危機感と言うか・・・そう言ったモノが全然感じられません。
サラリーマン社長の限界なのかな。
デジタル化で開発の速度が上がっている時代に、こんな方々がトップに居たらきっと
勝てません。
奇しくも昨日の晩に再放送していたNHKスペシャルで、パナが手放したサンヨーのタイ工
場の工場長さんがハイアールになって業績回復した理由として、お客さんの要望を積極
的に取りに行くようになったから・・・と話していました。(サンヨー時代からの日本人の工場
長さんでした。)
サンヨー時代は工場長といえども、製造ラインの稼働率だけを考えていた。ハイアール
の張CEOは、松下幸之助さんの経営哲学を勉強し、お客様本位でなければならないと
それを徹底した。工場長も販売の目標を持っている。勤勉な工場長は今では量販店に
出向いてどう言ったモノが求められているかをヒアリングし、それをいかに取り込むか
を考えているからサンヨー時代では何年にも渡って赤字続きだったタイ工場が、スタッフ
は変化なして黒字化したそうです。
パナソニックの津賀社長が言う様に社員は優秀なのでしょう。そうだとするならば経営陣
が極めてマズイのだと思います。
ガラパゴス化と言うのは地域に特化する事の裏返しだから、良い事でもあるはずなのに
国別の消費者の動向や、下手をすると、日本国内の消費者の需要でさえ掴もうと努力し
ていないのではないか。色やデザインなどちょっとの工夫もせず、消費者の意識からどん
どんと離れていくのが日本の家電だと・・・そう思わせる雰囲気があります。
今まで日本の家電メーカーはアジアに対して上から目線で輸出し続けてきた。各国で
色の好みやデザインの好みがあったのに、日本の技術は最高とばかりに地域のニーズ
を考慮しないで出荷し続けてきた。そこに隙があって価格とデザインでハイアールやLG
がきちんとそれぞれの新興国向けに商品を作る事で、市場を握った。でも技術はある
のだから、お客さんのニーズさえ汲み取れれば、赤字だったサンヨーのタイ工場だって
黒字に転嫁出来るのです。充分にハイアールやLGに勝てるのです。
危機感を持っているのなら、そして寝ずに経営陣や開発の人々と経営の話しを連日の
ごとく朝から晩まで話しをしているのなら、下手なしゃべりでも良いから、紙に眼を落とさ
ずに会見出来るだろうと思います。
きっと経営陣達の感覚は平時で、全然経営の話しをしていないのだろうなぁ~。
前述のNHKの番組で、ソニーの出井さんがインタビューで、世の中の動き、デジタル化
は予測出来ていたのだが、ソニーと言う巨大組織をうまく操縦出来なかったと後悔して
いました。
デジタル時代はすぐに技術が陳腐化する。商品のライフサイクルが速くなる。当然経
営陣がそれに対処しなければ市場から評価されません。
お飾りみたいな意識でなく、大嵐の中で巨大船の船長を引き受けたのだから、ビシバシ
と経営手腕を発揮してもらいたいと思います。
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