ロバート・ゲラー教授の地震のお話し・・・そこまで言って委員会より
たかじんのそこまで言って委員会で、面白さが紹介された東大の地震の研究者さん、ロバ
ート・ゲラー教授のお話しが You Tube でアップされておりました。
①まず、マグニュード9.0と言う地震は本当に想定外だったのかどうか・・・。
過去60年の中で、環太平洋のプレートの沈み込み帯では6回のマグニチュード9.0の地震が
発生しています。この場所と言う限定は出来ないけれども、沈み込み帯のどこかでは9.0の
地震は起こる・・・とは想定できる話しだと思う・・・と言う事でした。
神戸空港の建設の時の話が例として出てきました。記録として残っているみたいですね。
地震の研究者さんは震度の想定を『7』としたそうですが、それでは建設コストが高くなる・・・
と言う事で、震度『6』が想定値にされたんだそうです・・・。
ロバート・ゲラー教授曰く、空港や原子力発電所の建設の際、どれくらいの地震を想定
するのか?と言う事は尋ねられる。マグニチュード9.0や9.5などと言う話しは必ず出てい
る。ただそうすると建築コストが高くなるからいろんな研究所に算出を求め、より低い値
を出す研究所の数値を使う様になり、高い値を出す研究所・研究者は疎まれるようにな
る・・・と語っておられました。
建築偽装の姉歯建築士問題みたいな話しですネ。
ただ時として地震は発生します。東日本大震災も発生しました。
低い計算値を算出した研究所や施工会社、東電などは建築コストを抑えるために敢え
て低い値を採った以上、『想定外』としか言いようがないでしょう。とゲラー教授は指摘
されています。
ロバート・ゲラー教授は忠告しています。
◎地球はそんな都合よくエリアごとの地震など起こさない。
東海地震や東南海地震などと言う呼称が、結果としてハザードエリアマップに記載されて
いない地域の『安全神話』を産んでしまう。阪神大震災前の近畿地方や、東日本大震災
の福島県など、実は危険地域だと言われていませんでした。これだけココが危ないと
言われ続けると、ハザードマップにない地域は安心してしまいます。
今、科学的に言えるのは、日本列島が沈み込み帯にある以上、どこも危ない・・・と言う
ことだけなのだそうです。
◎地震予知は可能なのか?
えんぴつの両サイドを持って折ろうと力をかけるとある所で、ボキッと折れます。
これを予測できるのかと言うと予測できない。非線形物理と言うのだそうです。
プレートの変動もこのえんぴつと同様に予測できないでしょ、と教授は言います。
確かにプレートの移動が何万年単位で動く中で、地中の岩石・岩盤の状況が均質で
ない以上、えんぴつ以上に予測は難しいのでしょう。
故に『大震法』は間違いだし、東海地震の24時間の監視や予知体制と言うのは大いな
る無駄遣いだと指摘されています。
『東海』に地震が来ないと言うのではありません。東海を含めたどこにでも地震が来る
可能性がある、と言う事なんですね。
沈み込み帯にある『日本』においては、地震のリスクは常にある。そのうえで原発を作る
のであれば、最初の時点で想定値を過小評価せずに例えば、マグニチュード9.5想定な
らばその値でコストは膨らんでも建設設計をするべきです。福島第一の原発被害の額と
9.5想定の建設コストをキチンと比較し、より合理的なモノを選択すればいい。
エネルギーの調達など本当のリスクバランスを感考えればいいと言う主張でした。
なるほど、脱原発や卒原発と言うお話しで煙に巻かれていますが、実際は『姉歯もど
き』の研究所があって、それを行政や東電、ゼネコンが大切にしていた・・・と言う問題
の方が大きい訳ですね。『脱』や『卒』と言う言葉で踊っても仕方がない訳です。
またゲラー教授は、犯人探しも無駄ではないけれどもより大切なのは震災後まだ時間
が経っていない時に『誤った体制』を正す方がもっと大切だと話していました。
事実、阪神大震災を経験したのに、その闇を正せていなかったと。
東日本大震災を経験し、原発の事故で未だに避難を続ける何万という被害者が居る
今だからこそ・・・『本当のリスクバランス』を考えなきゃイケナイのでしょう。
おりしも今、衆議院選挙です。
なかなかこの問題を適切に指摘する政党や候補者もいなければ、河北新報さんが指摘
されていましたが『復興』が争点にもなっていない様に感じます。
早い段階で修正しなきゃいけないとゲラー教授のお話しを聞いていてそう思いました。
著作権の問題があるのかも知れませんが、You Tube に2題アップされていますので
ご興味のある方はぜひご覧になってみてください。本編の方も今はアップされていまし
た。
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