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カンブリア宮殿・・・ゲスト 大和製作所 社長 藤井薫さん

全国には4万店のラーメン屋さんがあって毎年3500店が新規出店し、同数のお店が閉店

しているそう。これだけ外食不況と叫ばれるのに閉店するお店と同数の新規出店がある

と言うのは消費者もラーメンが好きだし、当たれば大きいと言う経営者側の『夢』もある

市場がラーメンなんでしょう。

さて、本日のゲストの大和製作所さんですが香川県にある製麺機メーカーで、年商は14億

8000万円。店舗などで使う小型の製麺機の40%のシェアで日本一なんだとか。

主力の製麺機は1台約200万円。この一台で全国のご当地ラーメン30種類の麺が出来て

しまうそうで、『誰でも簡単に・・・』がモットーなんだそうです。

社長の藤井さんについて少し紹介いたしますと、元は川重で戦闘機を作っていたエンジニ

アさん。ただ自分でマシンが作りたくて退社し、香川と言う土地柄、最初はうどんの製麺機

を依頼されて機械作りを始めます。徹底してイイものを作りたい性分の藤井さんは全国の

有名店を食べ歩き、スープを内緒で持ち帰るなどして『より美味しい物』を作る研究をは

じめ、それが高じて『ラーメン学校』を開校するまでになってしまったそうです。

ラーメン学校は7日間で38万5千円の授業料。決して安いお金ではないですが、0.1㌘

単位でレシピを作り、美味しいラーメン店、繁盛するラーメン店の造り方を教えてくれる

のだそう。

ラーメンの繁盛店がこの学校の卒業生からどんどん出来れば、製麺機も売れる訳です。

繁盛・有名店が営業マンになってくれると言う藤井さん。なかなか出来る事じゃないです

ね。藤井さんのラーメンの授業はすべてデジタルで数値化してレシピを確率させる事に

あります。カン任せにしないでいつも同じ最高の味を提供しないとライバルに勝てないと

言う教えなんです。

たくさんの元ダレ、香味油、そして製麺機でもって最高の品を作って行く。

600人の卒業生が居ると紹介されておりました。

新規出店のイロハを紹介しますと・・・

①オープンセレモニーはダメ。

大勢の客が不慣れなお店に押し掛けると、信頼を損なうから。ジワジワと浸透を図れ

ばいい。

②最高の一品しか出してはいけない。

③駅前に店は出すな etc

メニューは絞り込んで、95点以上のものを出せ。ダメな店は60~80点レベルのモノを

多く揃えてしまうが、今はこれでは客は来ない。プロ中のプロになるべし・・・との事で

した。

学校の卒業生で、甲府の売上減少店に藤井さん自ら、テコ入れに現地訪問するシーン

が放映されましたが、店内の指導から味について、スープの塩分濃度なども細かく調べ

て、再度スープは作り直してレシピを置いてくる念の入れよう。もちろんオカネは無料で

アドバイス。1カ月後にはお客さんが再びやってきておりましたから凄いです 

お客さんのニーズや問題点を知る為には・・・?と言う村上龍さんの問いに、不満点を

徹底的に知る努力をすべし、満足度ではなく不満を知ることでお客さんの真意を知る

のが大事・・・とのお話しをされた所で編集後記になってしまいました。

村上さんの編集後記です。

幸福を願わない人はいない。「幸福な人生を」というエールが、卒業式や披露宴会場で

繰り返される。だが、幸福という概念は曖昧であり、どうすれば幸福になれるのかという

定説もない。

藤井さんと話していて、わたしは確信した。自分だけ幸福になろうと願っても無理なのだ。

「他者に関与し、他者の幸福に寄与する」それこそが、自分自身の幸福につながる唯一

の道なのではないか。

人は、絆や愛情だけではサバイバルできない。藤井さんは、現代の伝道師だと思う。「う

どん、ラーメン、そば」という、シンプルな食べものを介して、人生をサバイバルするため

の「糧」が何であるかを示し、伝え続けている。

自社製品を売るために繁盛店を作るお手伝いをする。もちろん600人の卒業生のみん

ながみんな繁盛店になっている訳ではないのでしょうけれど、世の中の人たちが美味し

いラーメン屋さんとして知っているお店の何軒かが大和製作所さんの製麺機を使い、

また学校を卒業していると言うのは凄い事だと思います。

38万5千円が高いかどうか・・・を考えると、大学や専門学校に何年も通った場合と比較

すると費用対効果が分かります。(大学は幅広い知識は吸収できますけどね)

もちろん習ったことをどんどん高めていかなければまた時代に置いていかれるのも激戦

のラーメン業界なんでしょう。次から次にいろんなラーメンが出てきますからね。

そのラーメンに勝ち続けるのは並大抵じゃないでしょう。

ということは大和製作所もどんどん進化し続けている訳で、これは大変な事だと思いま

す。もしかするとラーメンのサイクルを早くしてしまった元凶が大和製作所さんなのかも

知れませんね。

うどんもブームではありますが、ラーメンほどいろんな種類がある訳ではないですから

ね。

まぁ、これだけ大勢の人がこれでもか、これでもかと日々美味しいモノを作ろうと努力し

ているからこその消費者の支持もあるんでしょう。

大和製作所・・・いい会社ですね。

目の付けどころが素晴らしい。

村上龍さんがスタッフミーティングの席上、いい会社だね。年商も14億より多く取ろうなん

て思っていないんじゃないかな・・・と話していましたが、なるほど新規出店のイロハと

一緒で、無理して拡大させちゃダメなんでしょう。閉店の3500の中には入らず、新規の

3500の中には喰い込んでいく。じわじわ広まればそれでいい。広がり過ぎたらタコ足み

たいに卒業生同士がぶつかっちゃうから・・・。

村上さんがラストのコメントで藤井さんを『伝道師』と評していましたが、なるほどその通

りの方でした。

繁盛店を作っても自分は製麺機屋としての分で付き合う。

ラーメン店の経営者には神様みたいに見えている事でしょう。

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