カンブリア宮殿・・・ ミニット・アジア・パシフイック株式会社 (ミスターミニット) 社長 中西 勉さん
ミスターミニットさんは元々ベルギーのブリュッセルで1957年に創業された会社だそうで、
良く都内で見かける「ミスターミニット」さんはベルギーの本社からMBOで独立した会社
なんだそう。
カンブリア宮殿で紹介されるのに『ミニット・アジア・パシフィック株式会社』と紹介されて
しまうと世間の人はあぁよく見かけますね~と思うのかな。
私は足が幅広・甲高なものですから靴探しには一苦労。29.5cmの6E と言うのがベスト
なのですが実はなかなかありません。今、ジョギング用で履いている靴は31cmの4Eと
言うサイズを履いています。なかなか見つからないからしっかり履きつぶすまで履く派な
のですが、お直し派と履きつぶし派の割合は、62% 対 38% なんですって。圧倒的にお直
し派が多いんですね。くつ底のすり減りもちゃんと直ってました もう、へぇ~と驚くばか
りでモノの数分、あのお店の前でスリッパを借りて待てば直るなんて・・・知りませんでし
た。靴探しが大変だからこそ、お直しをしてもらった方が良かったなんて・・・。
傾向では買った価格の20%内の修理ならば直したいと世間の方々は思うそうで、不具
合の箇所にもよりますが、5000円~6000円、まぁ1万円以上の靴なら修理されても満足
感があると思いますよと中西さんは話してました。
靴なんて大概1万円はするでしょう。なるほどそれで修理派が62%も居るんですね~。
3坪、5坪の狭小店が多いミスターミニットさん。渋谷の東横店では年間2億円の売上が
あると言う事でした。
全体では年間320万人の来店があり、年商は67億円。業界トップシェアだそうです。
もっとも業界他店?は分かりませんけど。
日本で40年間お商売をして来られているそうで、かつトップシェアに安住?したことも
あり、2007年から売上がダウンして4年連続で売上が減少。グラフで見ると75億円近く
あった売上が65億まで下がってしまった。
そこで小売業で仕事をしていた中西さんをヘッドハンティングして社長に就任してもら
い、小売業のノウハウと従来の業務をマッチングさせたところ、売上の減少は止まり、
また売上が上昇基調になったと言うご紹介がありました。
中西さんが率先してやったことは・・・、
①なんでも直す、セントラルリペアショップ浅草の拡充。
売上低迷時には廃止されそうな店舗だったそうですが、なんでも直せることが大事。
店舗で直せないモノを集めて専門のスタッフが修理しているそうです。
なんでも直せることはスタッフにとってもお客さんにとってもイイことですからね。
②技術重視から接客も大切だと言う意識改革。
接客のレベルアップを徹底しているそうで、あの狭小なお店だと、確かに応対してく
れる人が気持ちいい応対をしてくれるかどうか・・・は大切だなぁ。
③従業員のモチベーションアップ作戦として、機会を均等に与え、かつ公平に報いる
評価体系に改めたそうです。
ミスターミニットさんは新卒は採用しない方針だそうで、仕事ができる人にはどんどん
仕事が集まる店舗に廻される。歩合給もあるそうで、くつのリペア作業をされている人
の中には何人も1000万円超のお給料をもらっている人が居ますよと中西さんは笑って
ました。
店舗開発の会議の様子もテレビで放映されておりました。カウンターを持って通行量
調査をやる。それはヒール女性、女性、男性の数をチェックしていて、スニーカーなど
修理に向かない靴は除外しているとのことでした。ドレスコードの厳しい会社がそばに
あるなんて言うと◎だと言ってました。
また通行人の歩くスピードも大切だと言ってましたね。小売業の店舗開発としては当た
り前にやっている事項ですけど、これは中西さんが持ち込んだ文化で、細かくチェック
されていると店舗開発スタッフさん達が話してました。
立地はいいですが、3~5坪かつ移動も容易だから、出店リスクは比較的小さいのかな
と思うのですが・・・。まぁそれでもより良い条件の所に出店するに越した事はないです
からね。
番組後半では、単に靴底の修理などではなく、ロングブーツを短くしたり、色褪せた靴
を新品同様の色に蘇らせたり、と言った従来のリペアの一歩上を行くサービスをやっ
ていることや、佐川急便と組んでエキナカの店舗に靴を履いて行かなくても、佐川急便
さんが集荷をしてくれて、直った靴をまた持ってきてくれるサービスを開始したことなど
が紹介されておりました。なんと佐川さんの集荷・宅配機能がついても店頭と同価格だ
と紹介されておりました。これは便利だしお得感もありますね。
これで感心したのは、佐川さんの集荷センターにミスターミニッツがスペースを借りて
佐川さんの配送センターで直接修理しているところ。なるほど手間を省いてコストを
抑える努力もしているんですね。小スペースを活用するミスターミニッツさんの凄さだ
なぁと感心しました。
カンブリア宮殿ではこの佐川さんとのタイアップを『お客さんの靴箱にまで手を伸ばす
戦略』だと称賛されておりました。
恒例の村上龍さんの編集後記です。
極めてプライベートな話題で恐縮だが、子どものころ、町内に「長尾靴店」という靴屋さん
があった。店主と奥さんだけの小さな店で、新品の靴もあったが、おもな仕事は修理だ
った。庶民にとって革靴が非常に高価だった時代である。
店主は子ども好きで、登下校の際、靴の修理をしながら、必ず声をかけてくれた。心温ま
る思い出だ。
わたしは、ミスターミニットにも、似たような親近感を持った。修理してまた使うということ
は、ものを大事にするということであり、愛着という概念を通じて、道具と、そして生きとし生
けるものへの敬意を育む。
中西さんは、そのことを従業員に伝えることで「やらされ感」をなくし、モチベーションを飛躍
的に向上させた。
靴の修理は個人的にとても興味深かったですし、小スペースを活かすと言う意味でも
面白かった。
今度、一度底がすり減った靴を履いて行って直してもらってみようと思います。
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