恵方巻き・・・
今日は節分。大阪出身の私の恵方巻き談義など・・・
我が家は十数軒の家が建ち並ぶ袋小路に建っていまして、とてもフレンドリーなストリート
でございました 節分の日は夕方頃から『鬼は外、福は内~』の大声が隣近所から
聞こえてきます。それではウチもそろそろやりますか~と言う訳で『豆まきタイム』が始まり
ます。この季節には袋入りお豆さんにもれなく赤鬼の紙製お面がついてました。
『鬼は外、福は内~』、いつの頃からか鬼の役はちょかな私の役目だった気がします。
散々豆をぶっつけられた後でお面を外して、豆喰いタイムが始まります。年の数だけあ
の豆を食べろと親から言われて、食べておりましたが・・・お菓子好きの子供の味覚をも
ってしてもあの豆はあまり美味しい物でなく。節分の儀式と言うものは実に迷惑なモノで
ありました。
隣近所から『鬼は外~』と言う声が聞こえてくると、仕方がないから今年もやるか~
と同調して豆まきをらなきゃならない日が節分だったんですよね~。風神・雷神と赤鬼
は管轄が違うのか雨が降る事もある 節分と言うのは大阪地方で辛い一日だった
んです。
ところが・・・です。私が小学校高学年頃だったと思うのですが、オカンが切ってない巻
き寿司を買ってきて、これを丸かぶりしろと言う。最初はオカンの知識が不足していた
のか『恵方』なんて言葉はなく、単に丸かぶりするだけの儀式でした。
豆まきから『丸かぶり』に移行したんです。ある年から一斉に『鬼は外・・・』の声が聞こ
えなくなりましたのでご近所のお寿司屋さんがオバハン連中に一斉に声をかけたのか
なぁ。ちょうどその頃にご近所に『松寿司さん』が出来たから・・・、そこがお商売上手だっ
たのかも知れません
巻き寿司のかんぴょうとやや甘めの玉子焼きにピンクのでんぷが大好物でしたので、
節分が大好きになりました 辛い儀式から美味しい儀式に生まれ変わった節分。
ご近所にも迷惑がかからなくなっちゃったんです 袋小路全体で支え合って暮らして
居たのが、お隣の声が聞こえなくなって核家族化してしまう。今にして思えば、そんな変
化の象徴だった気がします。年が経つに従って、『無言で食べて』とか『恵方』なんてもの
がもっともっともらしく肉付けされていき、さも古代からの風習の如き新しいスタイルが出
来あがっていきました。
今思うと、『鬼は外・・・』はご近所迷惑ですし、雀が激減してその代わりに増えたカラス
ではあのお豆を処理出来ませんしね。大阪の風習・文化が進化したんですね~。
あまりに絶妙な文化に仕立てあがったのでそれから25~30年かけて全国に広まった。
広まると同時に、私が今住んでる関東などでは、巻き寿司の丸かぶりから、ロールケー
キの丸かぶりなどかなり劇的な進化を遂げた。巻き寿司までは赤鬼とギリギリ脈絡が感
じられる儀式でしたが、ロールケーキと紅茶のセットになってしまうともはやクリスマスの
親戚で、キリスト教の儀式かなと勘違いする事態になっています
寿司職人とパティシィエが勢力争いをしているんでしょうね~。きっと
そのうち、ロールケーキから何号のデコレーションケーキになっちゃうのかなぁ~。
もっともケーキと紅茶を無言で、恵方を向いて食べるなんてきっとイギリス紳士・淑女に
はきっと理解されない風習になるんでしょうけど
以上、ちょっとした恵方巻き談義でした。
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