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カンブリア宮殿・・・江崎グリコ 社長・江崎勝久さん

今回のカンブリア宮殿のゲストは江崎グリコ社長の江崎勝久さんでした。

子供のころから親しんでいる『グリコ』さんの歴史が分かり、そしてどんな経営方針で

事業を営んでいるのかが分かって大変面白かったです。

まず番組ではバトンドールと言うポッキーの豪華版(20本 481円)が大ブレイクしている

事を紹介してました。と言うのも、グリコさんにはロングセラー商品がめちゃめちゃ多い

んです。プリッツ、ビスコ、キャラメル等々。

江崎グリコさんはグループ全体で2900億円の売上があるそうですが、江崎社長曰く、

出来るだけ少品種で大きな売上を上げるのが効率のいい経営です。

主力のポッキーは世界30カ国で年間5億箱を売る商品。単純計算で1箱100円としたら、

ナント500億円に。全体の1/6をポッキーが稼ぐ計算になります。

ポッキーにそれだけのシェアを頼り続けていいのか?と心配になりますが、グリコさん

のは『ポッキー部隊』と言う開発から営業の精鋭たちが集まっているチームがあり、いろ

んな努力をしているんです。冒頭のバトンドールだってそうですし、『デコポッキー』を

流行らせている仕掛人もこの部隊なんだとか。新商品としてつぶつぶいちごポッキー

だとか、ポッキーミディなんてモノも新商品として出しています。

ロングセーラー商品となるためには相応のアンチエイジングの努力をしているのですと

江崎さんが語っておりました。

さて番組では『グリコ』さんの歴史を紹介してました。これが面白いんですよ。

今から130年前、3代前の江崎利一さんと言う方が佐賀県で薬の販売業を営んでおられた

んだそうです。佐賀県と言えば有明海。カキが獲れます。そのカキを加工する際の煮

汁に眼をつけたのが始まりなんです。

カキの煮汁には豊富にグリコーゲンが含まれており、それをキャラメルに練り込んだの

があのキャラメルであり、社名もそこから『グリコ』にしたんだそうなんです 

目標としたのは森永ミルクキャラメルだった。森永にはエンゼルマークがあるので何か

いいマークが無いモノかと思案していた所、神社でかけっこをする子供たちが居た。

ゴールの瞬間、テープを切るあの両手を上げたポーズをしていて『これだ』と思われ、す

ぐに図案化。近くの小学校で実際に調査もしたそうです。それで誕生したのがあのマーク

なんですって。『1粒300m』のキャッチコピーは大正8~9年に完成したモノ  だそうで

実際に300m走るのに必要なカロリー数が1粒の中に含まれている。当時のパッケージに

はキャラメルではなく、滋養菓子と謳われていたんだとか。パッケージも森永の黄色に

対してグリコの赤、キャラメルの『おまけ』は子供にとっての天職は『食べることと遊ぶこ

と』と考え、その両方を提供しようと江崎利一さんは考えたんだそう。

森永のキャラメルに全てに勝る商品が出来た  と考えた利一さんは佐賀の商売を

処分して6万円のお金を持って大阪に出た・・・と言うことでした。

江崎グリコさんの社是は『創意工夫』。利一さんの想いがそこにしっかりと入っていると

現社長・江崎勝久さんは語っておられました。

オフィスグリコも紹介されました。事務所の一角にお菓子のボックスを置かせてもらい、

カエルの貯金箱風の口に100円を投入すると言うアレです。全部100円均一で、富山の

薬売り的発想ですが、清算のスタイルがお客さん任せなのが素敵です。回収率は95%

なんですって  この5%をどう取るかですが、村上龍さんはイジワルで『どこそこの

企業は回収率が低い』なんて言われたら恥ですもんネと笑っていましたが、慌てて江崎

社長が『そんなデータは取っていません』と否定してました。

設置無料で電気代も不要。疲れた時の栄養補給や、社内のちょっとしたコミニケーション

の役にも立っているそうです。現在、43億円もの売上があるそうです。

スーパーの棚には限界がある、なんとか販路拡大が出来ないモノかと思案した結果だ

そうですが、とても面白いアイデアですね。

現在の少子化に対抗するためには『大人の男性』をいかに取り込むかだとグリコさんは

考えているそうで、そのためにもオフィスグリコは絶大な効果がありそうです 

『未来のヒット商品』としてドロリッチ、チーザが紹介されていましたけれど、完全に大人

向けの商品と言うのも少子化対策の為に敢えてその道でヒット商品を作ったと言う事な

んでょう。確かにドロリッチもチーザもオヤジの私が飲んでも食べても美味しいもんね。

ドロリッチやチーザの開発秘話もありましたけれど、ロングセラー商品の開発に携われる

チャンスなんてそんなに多い訳じゃない。とてもやりがいがある仕事ですよと語る社員さ

んの姿がありました。

1992年に企業理念として『おいしさと健康』を打ち出したグリコさん。

創業者の江崎利一さんの思想を脈々と受け継ぎながら、堅実に、そして社会に貢献し

ようと奮闘努力されているのでありました。

恒例の村上龍さんの編集後記です。

わたしが子どものころ、甘いお菓子は幸福の象徴だった。グリコの箱を開ける、これ1粒で

300メートル走れるのかと思いながら口に入れる、おまけの封を切り、そして、好みのオモ

チャが出てくると、無性にうれしかった。

だが、その幸福感は、実は、創業者・江崎利一氏の想像を絶するような苦難と努力によっ

て生み出されたものだった。江崎グリコという会社も、グリコというお菓子も、戦前、戦争、

そして戦後の競争をサバイバルし、現代に至っている。

偉大な創業者の理念は、「創意工夫」という言葉に集約される。誰も思いつかないような

画期的なアイデアと、その具現化の方法を、徹底的に考え抜くということで、これほどシン

プルで、かつ実行と継承がむずかしい理念は他にない。

今では森永さんもグリコさんも巨人ですが、江崎利一さん、41歳の時に薬の販売から

新事業としてのキャラメル販売に乗り出された結果が今の『グリコ』さんなんですね。

森永さんを良きライバルとして目標に据えて努力された結果が今の姿。

森永さん、グリコさん、双方ともに衰退することなく、どんどんと枝葉を伸ばし続ける優良

企業として成長しているのは本当にご立派だと思います。

企業理念が経営者、社員さん達にもしっかり浸透し、そのうえで絶え間ない努力を続ける

からこその双方の繁栄なのでしょう。

今回のカンブリア宮殿は実に面白かったと思います。

時間がちょっと短く感じたので、前編・後編の2部構成でも良かったと思いました。

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