カンブリア宮殿・・・トリドール (丸亀製麺) 代表取締役社長 粟田貴也さん
トリドールさんと言うと馴染がありませんが、『丸亀製麺』と言いますと、あ~ ですよ
ね。今回のゲストは丸亀製麺を運営するトリドールの粟田さんでした。
我がご近所にもどんどん出店されておりますので、まずは経営数値をご報告・・・。
2013年3月見込みで売上は730億円。従業員は572名。パートさんはなんと1万7747人で
すって。店舗数は712店。三日に1店舗の割合で新店舗を出店していると言いますので、
店舗数は通過点の数値です
かけうどん280円。私が好きな野菜かき揚げは130円・・・とリーズナブルでツルツルしこしこ
の美味しいうどんがいただけます。私はもっぱらぶっかけうどんが大好きです
番組では『常識破りの仕掛け』と称して、朝6時にはスタッフさんは製麺や出汁取りに精を
出す姿を紹介。飲食チェーンはセントラルキッチンと省スタッフによる効率重視が多い中、
敢えて非効率な『手作り・出来たて』の実演スタイルをなぜ追い求めるのか?と言う話しを
するために丸亀製麺の朝・昼の姿に密着してました。
粟田さん曰く、それは『来店動機』を得るための手段だそう。
来店動機・・・は本日のキーワードです
スタッフによる手作りですから、店舗ごとに味や質が異なってしまっては評判が落ちて
しまいます。飲食チェーンの宿命みたいなこの問題にはトリドールさんは人事部で
麺匠の肩書を持つ藤本さんが全国のお店を廻ってチェックしているそう。特に季節の
変わり目は質が変化するらしいです。これまた非効率なこと。これを嫌ってセントラル
キッチンに・・・と言うのが潮流なんですよね。
非効率ばかりを説明してもはじまりません。なぜ『非効率』を敢えて採るのか・・・
これを考えるのが今回のテーマです。
まずは小池栄子さんが質問します。
『手間をかけているのに、お値段は安いですよね?』
粟田さん・・・『絶対的客数の多さ』であの価格を実現できています。讃岐うどんのセルフ
うどんのあの醍醐味を味わってもらうためにはワンコインを意識しなきゃと思いました。
村上龍さん・・・『高コストでも付加価値が上がればそれは効率的と言えるんじゃないか
?』
粟田さん・・・『高コスト・非効率』だと言われますが、『集客装置』と考えました。
効率よりも集客ありき たくさんのお客さんが来店していただける動機をいかに作る
かが大事だと思います。
なんとも明確な回答です
ここでちょっと粟田さんの略歴に・・・。
粟田さんが飲食業界に興味を持ったのは学生時代のアルバイト。喫茶店でバイトをして
いたそうですが、この時、お客さんからの『美味しかった。また来るよ。』と言う声がとても
嬉しかったんだそうです
これぞ天職と思うや大学を中退。飲食業で独立するためにまずは運送業で資金稼ぎ。
映像から見ると『佐川さん』のようでした。1年で500万円を貯めて、1985年に喫茶店・・・
ではなく『焼き鳥屋』さんをオープンさせます。この時23歳だったそうですよ。
洋風居酒屋、ファミリー居酒屋などの形態で次々出店して27店舗まで行った時に、鳥
インフルの大流行に遭遇。これは困った・・・となった時に、当時3店舗出していたうどん
に眼をつけ今に至る・・・。ちょっと荒っぽい略歴です。粟田さんは香川県の出身で、
ちょうど讃岐うどんのブームが起こり始めていた時だった・・・戸言うのがうどんに興味
を持ったきっかけで、うどんは大きなマーケットなのに、寡占企業がない魅力的な市場
だった・・・とも粟田さんは話していました。なるほど牛丼などに比べると・・・です
続いて店舗運営のお話しへと番組は進行してまいります。
丸亀製麺と言えば、おばちゃん達。9割はパートさんで、50歳以上の方が3割も居るそ
うです。パートさんのやる気を生み出すために、パート店長制度と言うモノを創り、80
人もの方がパート店長さんになっている。年収も20%アップなんだとか。
店づくりは店長の裁量で、喜ばれることはどんどんやりなさい・・・と奨励しているんだ
そうで、そんな甲斐もあって丸亀製麺は飲食業の中で顧客満足度1位に選ばれたと
紹介されてました。確かに元気におばちゃん達が行列をきりもりしてますもんね。
粟田さん曰く 『手作り = やればやるほどいいものが出来る』 とのことでした。
村上龍さんが尋ねます。『最も優先されることってなんでしょう?』
粟田さん『特別な来店動機を持ってもらうことです。舌はもとより、眼でも楽しむ・・・。
若い人が作るうどんよりもベテランさんの作ったうどんの方が美味しそうに感じられる
し、接客もまた味がある・・・』
だから年配のスタッフを大事に考えているんです・・・。
2000年に丸亀製麺が誕生してから『機動力』が一番の攻撃と出店攻勢を続けていま
す。目標は1000店。もうアチコチ見かける丸亀製麺ですが、海外にも出店中。ハワイを
皮切りに7カ国、23店舗を出しています。ハワイなどは日本人も多いから・・・なんて思い
ましたが、モスクワにも今年の2月に出店したそう。現地のスタッフが現地の方をお客さ
んとして商売をしているんです。そして日本のお店同様にあの行列が・・・
天ぷらもあるし、箸が使えない方にはナイフ・フォークをお出しして・・・ 週3度も
丸亀製麺と言うロシアの方も居りました。製麺からの出来たてを出す店と言うスタイル
が気に入ってる・・・なんて言う方もおりました
海外では『ヘルシー感』が受けているそうです。
粟田さんの出店戦略で、『市場の調査、下調べにお金と手間をかけるのであれば、まず
は1店舗出してみろ。メーカーじゃないんだから、出店には大したコストはかからない・・・』
豪気でせっかちなんですね。粟田さんは。。。
でもそれが機動力を大切に・・・と言う丸亀製麺の快進撃を産んだ訳で・・・。
粟田さんは『数字が大好き』なんですって。何年に何をやるとか、何店舗やりたい・・・と
か。目標を設定することで自分のモチベーションを高めている。
だから休まないんですね。『成長の踊り場は作らない・・・』、名言だと思います。
恒例の村上龍さんの編集後記です。
世間には、「アベノミクス」への期待が充ちている。だが、今のところ、単なる期待にとど
まっていて、需要や生産性などが拡大・向上しているわけではない。ほとんどの市場は
いまだに縮小傾向にある。
「トリドール」は、少ないパイを奪い合うのではなく、来店動機を高めて市場の「外」から
顧客を得るという戦略を採っている。ニッチを狙うのでもない。あの店に行きたい、もう一
度行きたい、人が自然にそう思うようなサービスを考えて、客の心をつかむのだ。シンプ
ルだがとてもむずかしい。
「暖かく、懐かしいコミュニティ」を創出し、多くの客が来店することで、粟田さんは、効率
至上主義から脱却し、経営者としての自由を得た。
丸亀製麺のうどんは美味い。
つい先日も食べてきました
日替り・・・ぶっかけ大(冷)・おろし・竹輪磯辺かき揚げ・鮭おにぎりで650円でした
うどんの麺も美味しいし、磯辺かき揚げも言う事なし。
かなりのボリュームで、大じゃなくて普通盛りで良かったかなと思うほど。
充分に満足・満腹したのでありました。
これは飲食他社にとって大脅威ですね・・・。
うどんは美味い。。。
他所の店舗に行けなくなっちゃう・・・。
来店動機を意識したらこんなお店が出来あがった
凄いと思います。
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コメント
丸亀製麺は旨くもなく、まずくもなくです。丸亀製麺のスタイルは香川では、あたりまえの作りで、なにもこの社長が考えたわけではありません。香川県には最近になって数店舗できただけで、今でも丸亀市には店がありません。香川県に、ずっと店を出していなかったのは、その自信の無さが伺えます。この社長の凄いところは、行動力でしょう。いわばコロンブスの卵をリスクをとって始めた。ということです。はなまるうどんとどちらがはやかったのか知りませんが、やれば、絶対もうかるという、セルフうどんのスタイルの全国普及ということを、リスクをとってやった。ただそれだけです。リスクをとって一歩踏み出せるかどうか。その一点です。この方は、香川出身ではありません。お父様が香川出身だそうです。
投稿: ひらお しんじ | 2013年6月 9日 (日) 13時58分
ひらお しんじさん、コメントありがとうございます。
私は本場の香川でうどんを食べたことがありません。丸亀製麺でも充分に美味しいと感じてしまいますが、うどん県香川の実力はもっと上なのでしょう。。。(^^)
我が町・埼玉も『武蔵野うどん』が有名です。結構、うどん文化が強い町で、もちろん美味しいお店と言われている中には『讃岐うどん』と看板を掲げているお店もあります。美味しいうどんをいただいている時はとても幸せな気分になります。
本場・香川にも必ず、うどんツアーに行きたいと思っています!
投稿: リバー | 2013年6月 9日 (日) 14時26分