我が町さいたまのスーパーには『モンテール』さんの洋菓子がいっぱい並んでいます。
2012年の売上は254億円。従業員数は778人と紹介されておりました。
なんとこの20年で売上を20倍も伸ばした企業なんだそうです。
・・・と言う事は20年前のスーパーにはあまりモンテールさんの洋菓子が並んでいなかった
んですね~。
紹介次いでに・・・スーパーのチルドデザート部門売上・シュークリーム エクレア部門。
なんと1位~5位までをモンテールさんの商品が独占しているそうです。
なるほど美味しからついつい買ってしまいますもんね。
リーズナブルで本格的なスイーツつくりを目指す会社。
鈴木徹哉さんはモンテール・3代目。1970年生まれだそうです。
本格的なスイーツを創るためには・・・素材にこだわらなきゃ行けない。素材にこだわると
は・・・鮮度だ
と言う訳で・・・工場を、牛乳と玉子の産地になるべく近い所に建設し
ています。牛乳は生乳を工場に運ばせて自社工場で低温殺菌。時間をかけて殺菌する
事で牛乳本来の甘みがでる。その甘い牛乳でクリームやカスタードを創るんですねぇ。
菌にも厳しい・・・と紹介されてましたけれど、工場内の衛生管理は五重・六重の徹底管
理。ここまでやっているのかと感心しました。お菓子作りに真面目な企業なんですね。
スーパーの洋菓子生チルドコーナーには必ずたくさんのモンテール商品が並んでいます
が、約60種類も商品を作っているそう。モンテールはハズレなしだから、ぜひズラリと並
ぶ商品群を見てみたい 
村上龍さんはモンテールさんの社歴を見て、『中堅菓子屋さんのサバイバルをずっと考
えて来た企業だ』と紹介していました。
1954年・足立区で鈴木製菓店として誕生。ミニバウムクーヘンなど賞味期限3カ月程度の
半生菓子を作っていました。
1975年・モンテールに社名変更。半生菓子から中生菓子にシフトします。要は賞味期限
の短い商品にシフトして行く訳です。
1989年に埼玉県八潮工場が完成し、1991年にいよいよチルド菓子に参入する。
チルド工場は20億円を要したそうですが、この時の売上が20億円。凄い設備投資です。
ハイリスクと言ってもいいレベルですよね。それだけ内部蓄積があった・・・訳ではないと
思います。
2008年に鈴木徹哉さんが社長に就任したのですが、リーマンショックが発生します。
危機回避のために足立の自用地を整理し八潮に事業集約をするなどの措置を取る。
サバイバルを意識しているからこそ、しっかり先手を打った舵取りをしているんです。
チルド部門に参入した1991年以降の売上の伸びが凄い訳ですが、なぜチルド部門だっ
たのか?
半生・中生菓子としては後発で、当然にスーパー・百貨店はライバルに押さえられてい
る。時おりしもコンビニブーム。コンビニは、生に近いデザートとしてチルドの洋菓子を
求めていたそうです。
でも他社は日持ちのしないチルド商品に魅力を感じなかった。
モンテールさんはそこにしか活路を見出せなかったと言ってました。
コンビニが台頭し、スーパーが今みたいに没落するなんて思わなかった時代ですね。
コンビニの隆盛でモンテールさんの商品に馴染が出来、スーパーでもついつい美味しい
からとモンテールさんの商品を手に取ってしまう。。。
コンビニとスーパーでは棚の広さが違います。この20年で劇的な飛躍を遂げたモンテー
ルさんに繋がって行く訳です。
常にサバイバルを考えて・・・、だとか、災い転じてチルドに転身・・・と、言ってますけど、
今の3代目・ススギ徹哉さんも含めた代々の社長さん。そして従業員さんもなのでしょう
けれど、実に真面目な経営者。勝利の女神に好かれそうな企業体質を持っています。
これだけ真面目に洋菓子を考え、自社商品を愛している企業はそうそうないんじゃな
いでしょうか。
『自社商品を愛する』ってのはどこでもそうなんじゃないかな
と思うなかれ。
新商品開発風景が長時間紹介されましたけれど、真面目でかつ和気あいあいと、また
自由闊達に大勢の意見が出て、それが集約されていく・・・。
商品のアイデアが出てから、サンプルを創るまでの期間もめちゃめちゃ早いし、そのサン
プルにいろんな意見が入って行く・・・。
素材・鮮度にこだわる為に牛乳と玉子の産地に近い所に工場を建ててしまうモンテール
さんですよ。素材・鮮度がいい上に・・・と言うことでしょ。
村上龍さんは、最初凄いお金持ちの会社か?と思う程に、贅沢にお金を使っている。
でも『サバイバル』なんですよ。ここだけにはお金をかけなきゃ行けない・・・と言う所には
徹底してお金をかけているって言ってました。
そう言えば・・・社長室は入口のすぐそばに配置されていて、すぐにお客さんと商談が
出来るように・・・と紹介されてましたが、お見送りするシーンで、玄関から外がガラス越し
にちらっと見えましたけれど、土の剥きだし感満載の風景がちらっと見えましたし、社長
室そのものも決して立派ではありませんでした。
でもそこに、鈴木さんの真面目さと相まって・・・非常に好感を持ちました。
大きな山を登って・・・ご近所のスーパーの棚をほぼ席巻した感がありますが、次はどう
展開するのだろう?もう既に全国区なのかなぁ~。
美味しい商品を創り続ける事で、まだまだスーパーの棚が拡大するのだろうか。
次の壁はそこなんでしょうか。
でも・・・その壁にぶち当たるまでは向かうところ敵なしか 
たしかに・・・スーパーで買うのはモンテールさんだもんね~。
村上龍さんの編集後記です。
成功者向けの、便利で陳腐な3つの質問がある。「ヒットを生むコツは?」「どんな苦労
が?」「成功のきっかけは?」
今、そんな質問には意味がない。モンテールにとって、チルドへの移行、プチシューの開発
、つくば工場の建設、それらすべてが、会社の浮沈を賭けた、崖っぷちの「判断と決定」だ
った。どんな会社だって、そんな切羽詰まった決断などしたくない。無謀とも思える決断は、
このままでは生き残れないという危機感によって生まれる。モンテールの商品は、とてもソ
フトで、甘く、おいしい。だが、人を幸福にするその香りと味と食感は、スイーツ、デザートを
愛する全ての社員の、「専門店の味をリーズナブルな価格で」という揺るぎないポリシー
と、絶え間ない努力によって支えられている。
うまいもんは美味い
こだわりが感じられるからついつい買ってしまいます。
ちなみに八潮工場は、私の好きな工場直売があるらしいです。
モンテール八潮工場直売店「SWEETS FACTORY」
埼玉県八潮市大瀬634 が住所だそうです。
いつか行こうと作戦を練っているんですけど・・・きっとズラリと商品群が並んでいると
思うんです。
ご近所のスーパーで見かけないモノなどなど、きっとスイーツ好きには堪らないお宝が
鎮座ましましていると思うんですヨ。
近いうちに・・・直売店報告レポートを書くと思いますので、ぜひ楽しみにして下さい 
※勝利の女神に好かれる企業って・・・こういう企業を言うんでしょうね。
あの価格・あの美味しさの商品をこれだけ真面目に作っている企業って素晴らしいと
思いました 
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