カンブリア宮殿・・・建築家 坂 茂さん
カンブリア宮殿【世界が注目!紙の建築、災害住宅…“役に立つ建築”に挑む男】と言う
タイトルの今回の放送
1994年のルワンダ大虐殺で『建築家として自分に出来る事はないか?』と思い立って
国連に飛び込む行動力がまず凄い。坂さん。
スマトラ沖、四川、ハイチ等々でも支援の仕事をされてます。
もちろん阪神大震災や東日本大震災でも。
坂さんは紙管使いの建築家としての評判が出来あがっているようで、前半戦の大部分
を紙管の説明(強度や作り方など)に割き、建築基準法の構造材として紙管を認めさせた
と説明されておりました。
教会やパビリオンは仮設だから、費用が安く、かつリサイクルが効く紙管でもいいのかも
知れないけど、建築家としての作品を考えると50年、100年と使い続けられるモノこそが
建築家の仕事ではないか?
そう思いながら懐疑的に見てました。
カンブリア宮殿には建築家さんが良く取り上げられますが、坂さんはちょっと今までと
異質な方だなぁ~、なんて思いながら。。。
東日本大震災の避難所として、私の記憶に残っている体育館。
坂さんはあの体育館にも紙管を使った間仕切りを提案していたそうです。
役所に説明に行くと、見渡せた方が管理がしやすいからとことごとく拒絶されたそうで
すが、大槌町の体育館で、物理の先生をしていた方が責任者だったそうですが、そん
な便利なモノがあるのならぜひ入れて欲しいと言われたのが導入の最初。それから
費用年出の為にご苦労されてどんどんと導入されたのだとか。
女性が着替えをする時など、やはりプライバシーが無いとストレスを産むんです。
女川ではコンテナを利用した3階建ての仮設住宅を作られた。
このままずっとここに住みたいと住人さんが言ってました。
鉄筋コンクリートの建物だって、津波で倒れるし、もっと言うと、商業的にデベロッパー
が作った建物は耐用年月を待たずして取り壊されているじゃないか。
鉄筋コンクリートは永久、コンテナ仮設はあくまで仮設・・・と決めるなかれ。
利用者に愛されるか否かが仮設・永久を決める尺度だ・・・
なるほどその通りなのかも知れません。
構造材としての強度とは何なのか。。。
いやいや眼からウロコの坂さんの発言に茫然としています。
村上龍さんの編集後記です。
建築という表現のカテゴリーが、嫌いだった。たとえば、東京都庁だ。全体の構造といい、
幾何学的な窓の配置といい、素晴らしい建築だと思う。だが、都民に奉仕する公僕が働く
場所として、あれほど豪壮で淡麗な建築物が本当に必要なのだろうか。極端なことを言え
ば、プレハブでもいいのではないか。民衆ではなく、公権力や特権階級の需要に応じざる
を得ないという、建築の特性が、わたしは嫌いだったのだ。
しかし、坂さんの建築は違う。建築家としての知識と技術と経験を、それを必要とする「普
通の人々」のために使う。坂さんは、建築の概念を覆した。建築は、坂茂によって、特権的
ではなく、真に民主的なものへと、姿を変え始めた。
今回のカンブリア宮殿は編集も良かったです。
しつこいまでの紙管の説明が良く効いてました。
紙を構造材として使う意味。
最近は坂さんの話しではないけれど、木造で高層建築物を創る試みもされているそう
です。
鉄とコンクリートではない建築物・・・。いいなぁ~と思いました。
震災の時こそ、心の支えが必要になる。。。
新たな教会が建つまでの10年間の心のよりどころの持つ意味か。
難民キャンプの紙のテントもとても大事な意味を持ってますね。
坂さん、災害支援には無償で対応していると言うのも素晴らしいと思いました。
お金がかかれば、どこの国でも予算を取る為に時間がかかる。無償であれば余計な
交渉などの必要がない。
使う人のところに出来るだけ短時間で建築物を届けることこそが、建築家としての自分
の出来ることだと考えた坂さんの発想と行動には大いに敬服いたしました。
村上龍さんが番組で『こういう人にこそ国民栄誉賞を授けるべきだろう』と言う発言に
全く同感。
建築って、建築家って素晴らしいと思いました
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