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カンブリア宮殿・・・中央タクシー 会長 宇都宮恒久さん

今回のカンブリア宮殿のゲストは長野でタクシー業を営む中央タクシー会長・宇都宮恒久

さん。売上高は15億円。地方のタクシー業界はどんどん疲弊する中で、ずっと右肩上がり

の経営をされています。

なぜか?

サービスへの取り組みが違う。一言で言うとそうなるのでしょう。先週の和倉温泉の加賀屋

さんと、業種は違えども共通するところは随分とありました。

サービスと言うと分かりにくくなりますね。言わば『おもてなし』の心です。

中央タクシーさんではドライバーさんに3つの必須項目があると紹介されました。

①雨の日の傘さし、②ドアサービス、③自己紹介・・・の3つです。

なと言う事もなさそうですが、これは仕掛けなんですね。

中央タクシーは駅前のタクシープールにもいなければ、流し営業もないそうです。

電話予約が90%。30分どころか1時間待っても『中央タクシー』に乗りたいとお客さんが待

つのだそうです。

タクシー会社さんとしてはとても効率のいい営業スタイルになってますね。

本社には『お客優先、利益は後』・・・なんとも分かりやすい標語が貼ってありました。

言葉は露骨ですけど、カンブリア宮殿・ゲストの方々が異口同音に言うセリフです。

タクシー屋さんなのですが、日帰りの『家からの旅』と言う旅行プランも売ってます。

番組では60を越えた女性のグループが、ワゴンタクシーで家から日帰り観光出来る

ところをご案内してもらってました。価格も1万円前後とリーズナブル。

自分達だけの旅としてドライバーさんに融通を効かせて貰っているので、なるほど

利用者はあるだろうなぁ~と思いました。

旅のプランを検討するスタッフさんに番組スタッフも同行していましたけれど、本当に

お客さんのニーズをよく考えて行動されています。

ドライバーさんに『おもてなしの心』が備わっているのです。

ちょっと脱線になりますが、ホテルの再建も宇都宮さんはやっておられるそうです。

『長野第一ホテル』と言うそうですよ。もう破綻寸前だったホテルが元気になりつつある。

何が変わったのかと言いますと、画面を見ていて感じたのはホテルスタッフが『おもてな

しの心』を持ったからと感じました。

おもてなしの心は偉大なんですね 

良い人間関係は良い社風を作る。

個人営業スタイルになりがちなドライバーさん達同士を良い人間関係にすべく、いろんな

工夫をされていました。

採用基準では、未経験者であることと言うのがあるそうです。

道を知ってるだとか何だとか、経験者を良しとする傾向が強いタクシー業界ですが、

同業の垢はイイ社風の敵になる・・・。他社経験は『おもてなしの心』の邪魔になると

考えられた。う~ん。プラス面で考えると経験者にもイイ人は居るのでしょうが、害にな

る人、悪貨は良貨を駆逐すると言う言葉がありますが、毒になる経験者は大勢います

からね。『おもてなしの心』の根が張り難いんですよね。経験者は。

おもてなしの心がふんわり状態の土じゃないと根が張りにくい。経験年数が長くなると

心がカチカチになって根が張らないんですよね。

タクシー業界は大変ですからねぇ。

長野⇔成田間、310キロをタクシー路線として9900円で結んでいてこれが好評なのだと

か。1999年から始めた成田空港便と言うそうです。当初の2年は赤字だったけど今では

1日40便・年間9万人も輸送するドル箱路線に成長しています。

長野在住のお年寄りが海外に行こうと思えば、なるほど大きな荷物は煩わしい。タクシー

だからある程度融通が効いたりするのかなぁ~。シャトルバスはさすがに長野⇔成田は

ないのかなぁ~。

ラストでは『長野オリンピック』の時の中央タクシーのお話しが美談として紹介されました。

宇都宮さんが、これから特需があるなとドライバーさんに話したところ、今まで乗って貰っ

ていたお年寄りは誰が乗せるのか?と逆にドライバーから諭されたんだとか。

はたと気づいた宇都宮さんは特需に踊らず、地元の方々にこだわった。

長野オリンピックの時は、長野のタクシー業界トップの座から6番目まで落っこちたそう。

でもお客さん達は、オリンピックの時に乗せてくれたのは『中央さんだけだった・・・』と

特需後もずっと贔屓にしてくれて、すぐにトップに返り咲き・・・今に至っているそうです。

さて村上龍さんの編集後記です。

利益を最優先しない、それは歴代ゲストの共通点だ。では、何を優先するのか。必ず挙が

るのが、「顧客の満足」である。ただ、「満足」では少し足りない。

中央タクシーは、客を感動させ、幸福にすることを、サービスの軸とすることで画期的な成

功を収めた。だが、それは意図的な演出、マニュアルでは生まれようがない。街を走る中

央タクシーを見るだけで幸福になるという客がいるらしい。中央タクシーは、幸福の「象徴」

になっているのだ。

客への思いは、簡単には伝わらない。客の幸福に関与することが自分の幸福につながる

という自覚と、こんなことをされると自分はうれしいと思うことを他者に対して行い、それを

維持、継続すること、それ以外に、方法はない。

先週の加賀屋さんでは、仲居さんが素晴らしかった。ちゃんと『おもてなしの心』を持って

いるんです。今週の中央タクシーさんのドライバーさんもまた『おもてなしの心』を持って

いました。

社長の号令としての『顧客満足』ではなく、お客さんと触れ合うスタッフさん達全員に

『おもてなしの心』を浸透させるのは容易ではない・・・と言う事なんでしょうね。

ひとつ言えるのは、双方の企業ともにスタッフをとても大事にしていました。

自分が幸せじゃないとお客さんに『おもてなし』は出来ません。。。

先週の加賀屋さんの言葉が心に響くのでありました。

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