カンブリア宮殿・・・常磐興産 会長 斎藤 一彦さん
常磐興産さんって?
関東以北の方々はご存知なんでしょうか。
関西出身の私はイマイチぴんと来ません。
『福島ハワイアンズ』でお馴染みの・・・と言えば、『 あ~ 』なんでしょうね。
大阪出身の私は和歌山県白浜町の『ハマブランカ』と言う施設には親父の保養所の関係
で良く行きました。
ファイヤーダンスなどはそこで見ましたよ。南紀白浜ワールドサファリなんて言うのも出来
て、記憶の遠くにそのイメージがあります。
アドベンチャーワールドに名称を変更しただけで、破綻したわけではないのかも知れませ
んが、今日の斎藤さんのお話しを聞いていて、南紀白浜は確かに町自体が衰退してい
ると思います。
そこが『福島ハワイアンズ』との違いですね。
無料送迎バスが横浜や埼玉から走っており、宿泊料から施設利用料に晩御飯と朝御飯
がセットになってめちゃくちゃリーズナブルな価格で利用できる。
地元の方も大事にしていて年間パスポートはなんと2万円。
究極のくつろぎを楽しめる・・・なんてなことが紹介されておりましたけれど、要は福島県
の元炭鉱会社がこれからはリゾートだと考え、必死になって作った『おもてなし』の形で
す。有名なフラガールだって、福島ハワイアンズじゃなきゃ出来ない・・・なんてモノでは
ありません。
年代を問わず老若男女が年間100万人以上も集う施設がなぜ福島に出来たのか?
閉山の危機に住民が団結をした。『一山一家』と言って、ひとつの炭鉱はひとつの家族
だ・・・と言う精神が根付いているからだと言ってました。
でも炭鉱は全国にあったはず?
①財閥系でなかったこと②とてつもなく劣悪な労働環境だったからこその絆が出来あが
ったのではないかと紹介されてました。
なるほど・・・私の社会人1年生のころの劣悪な労働環境に独身寮のことを思うとちょっ
とガッテン出来るかも。戦友などもまさしく同根だと思います。
いわきの方々は『ハワイアンズ』が出来あがるのを手伝ったし、経営を大事に見守って
いるし、ハワイアンズも胡坐をかくことなく、しっかりと『おもてなし』をしているのでしょう。
だから『こんないいところはないでしょ』と地元民が評価をする。
震災後、『ハワイアンズ』がいち早く営業を再開したことは、おそらく地元の方々にも活力
を与えたんでしょうね。
震災後の活動もいろいろと紹介されましたけれど、なるほどなぁ~と思いました。
なかなか出来ることじゃない。
『いわきの、福島の観光のリーディングカンパニーとしての使命』を震災と言う極限状態
でもしっかりと果たそうとする姿勢があればこそ、支持もされる施設なんだと感じます。
『地域共生』・・・。
普段ならいざ知らず、震災で地域は甚大な被害を受けました。
その時の『共生』の方法って・・・。
なかなか難しいですよね。フツーの企業はわが身大事で、なかなか他所のことには気が
廻らなくなるものです。
最低限の体力と、一山一家と言う考え方から始る歴史に裏打ちされた思考回路があっ
て、リーディングカンパニーの自覚のもとで、全スタッフが『おもてなし』の労を厭わない
・・・。これが出来るのって、そうそうはないですね。
ハワイアンズを含め、両の手ほどの数の企業はないと思います。
今日は仕事で『おもてなし』を実感することがありましたので、どうもそっちに意識が行っ
てしまって・・・。
村上龍さんの編集後記を記しておきます。
炭鉱の衰退、閉山、そして凄惨な労働争議を目撃した九州出身者にとって、映画『フラガ ール』は、奇跡の物語であり、また謎でもあった。日本でほとんど唯一、常磐炭鉱は労使協 調のもと再生を果たしたのだが、なぜそんなことが可能だったのだろうか。 斎藤氏のお話を伺って、やっと謎が解けた。温泉が噴き出すために採掘は常に危険が伴 い、労働者同士はもちろん、経営側も、常に危機感を持ち、助け合ってきた。サバイバルに もっとも必要なのは、助け合うこと、協力し合うことだと、人々は歴史的に学んできたのだ。 訪れる客は、温泉でいやされ、リラックスすると同時に、「助け合う」という肯定的な価値観 に包まれるのだと思う。
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