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カンブリア宮殿・・・良品計画 会長 松井忠三さん

良品計画さんと言えば『無印良品』。

衣食住なんでも揃うブランドです。7500アイテムの品数があり、住宅まであるそうです。

(番組で紹介された住宅は1869万円でした  )

時は1980年、西友のPBとしてのスタートで当初は40アイテムだったと言うから成長した

と言うべきなんでしょうね。

国内382店舗があって、来店客数は6500万人。堂々たる数字ですね。2012年度の売上は

1883億円だとのことです。

売れる理由

①いつの間にか進化 ②地球に無い色はダメ ③17万件のリクエスト と紹介されており

ました。17万件ものリクエスト?苦情?をちゃんと吸収して商品に活かす。それが結果と

して商品の進化に繋がる。また無印独特の落ち着いた色合いで商品化されるので、全体

として統一感が産まれるのでしょうね。

だから家に置くと全体がイイ感じになるんですね。無印を買いに来るお客さんは確かに

リピ率が高そうです。また良い客層をゲットしていると思います。

ライバルは文具なら100均やマツキヨ、家具ならニトリ、衣料品ならユニクロだと松井さん

は言ってました。それぞれの分野にはライバルはあるけれど、集合体としてみた時には

ライバルは無い。

それが果たしてイイのか悪いのかよく分かりません。やもすると全てに渡って一流に

なりきれない危険性が無いのだろうか?と思ったりもしますが、色使いなどに統一性

を持たせ、かつお値打ちなモノを提案し続けているから充分に専業小売り業者と渡り

あっているように感じます。

さて、良品計画ですが12年前に38億円の赤字になったそうです。

ここしばらくの上場企業の赤字の額がとてつもなく巨額だったので、38億円の赤字の

危機感がイマイチ掴みにくいですが、やっぱり赤字はいけません。

地味な色合いを辞め、カラフル路線に走って余計に固定客からの反発を買ってしまった

だとか、ユニクロ、ダイソーの台頭で競合が激しくなったことが原因だと言う事でした。

そこで良品計画が取った戦略が『勘や経験に頼らない経営』です。

当たり前のことを当たり前に出来る仕組みを作ろうと言うのです。

店舗レイアウトなど、従来は店長の経験に委ねていたのですが、平均水準以下の店長

が過半でずば抜けた職人店長なんて数人だった。その店長に委ねていい店づくりが

出来る訳が無いと言うのです。そこで打ち出したのが『マニュアル化』。

ムジグラムと言って13冊2000ページのマニュアルに全ての事が書いてある。危機管理

なんてのもありました。

マニュアルで研修も行える程にしっかりしたモノなんだと思いますが、きっとスタッフも

優秀なんでしょうね。よく出来たマニュアルを作るだけではなかなか浸透しないものだ

と思います。何度も何度も反復させ、チェックさせてまた徹底させる・・・根気が必要で

す。38億円の赤字も一期限りでそこからは黒字化し、直近期は197億円もの利益を

出していると言うから大したものです。

標準化・見える化と言った仕組みがしっかりしているからこその利益であり、松井さん

は仕組みが9割、残る1割は創意工夫だと言ってました。

なかなか凄い発言です。時代はこれだけ激変するのに・・・。

中国でも無印は躍進中なんだと紹介されていました。でも中国にマニュアルは難しそう。

お掃除の仕方が悪いと抜き打ち検査でチェックされ、店長がマニュアルでココに書いて

ある通りの掃除をしなさい・・・と指摘されていましたけれど、国民性等大丈夫かな?と

思いながら拝見しておりました。今では23の国と地域に200店以上進出しているとの事

なので、国民性なんて言ってられないのかな。

でも日本みたいにマニュアルを順守しようと言うスタッフが簡単に集まる国の方が

珍しいんじゃないのかな。

出来るまで徹底させる・・・と言うのが松井さん流なのかな。

最後にファウンドムジ青山と言う無印1号店で、琉球ガラスや織物などの伝統工芸品

を今流、無印流にアレンジしたモノを育てようと努力している取り組みもしていると紹介

されておりました。

この辺りはさすが無印良品だと感心されたところです。

村上龍さんの編集後記です。

「マニュアル」は創造性と相反するイメージがある。だが、小説が普段誰もが使う言葉を組

み合わせて書かれるように、創造とは組み合わせであり、空想的で身勝手なアイデアなど

ではない。しかも組み合わせ方には、スタンダード、つまり厳密な「標準」がある。松井さん

は、成功体験に縛られ身動きできなくなった会社を、「標準化」というキーワードで再生させ

た。温厚な印象の背後には、意識変革を促すために在庫商品を燃してしまうような強い信

念と、権威に屈しない反骨精神がある。現代は、過去の成功への依存を断ち切り、集団へ

の埋没を嫌う「反主流派の時代」なのだ、そう思った。

村上さんは難しくいろいろ語っていらっしゃいますが、『社会主義の国のトップに松井さん

みたいな人が就くと、成功したのかも知れない・・・』とラストでスタッフと語っていたのが

一番分かり易かったです。

元々スタッフは優秀だったんでしょう。でも奢ったから苦境に陥った。不良在庫100億円

分を燃やして意識改革を図った。その主軸がマニュアルだった・・・。

『仕組み』を厳格に固めてしまうと硬直化してしまいそうな気もしますが、やはりプランド

力からいいスタッフが集まって、上手に運営されているんでしょうね。

店舗管理で、従来はバックオフィスからの指示だったものが店長自らレジの後ろに立って

店内を隅々までウォッチし、レジが込んだら別のスタッフに入る様に無線で連絡を入れた

りと言ういい改編を上手にしておられる。

仕組み・マニュアルを崇めている訳ではないんですよね。

そこが社会主義国との違いなのかな。

松井さんのとても真面目な口調が印象的な良品計画さんのお話しでした。

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