カンブリア宮殿・・・グラフ 社長 北川一成さん
印刷業界の駆け込み寺・・・グラフさん。
どんな色でも作り出し、他所が断る仕事も受ける・・・。
元々下請け印刷会社だったのですが、脱下請けを敢行し、デザイン力と印刷技術の相乗
効果でイイ仕事をされているんですよ。
印刷業界は6兆円産業なんですが、大日本と凸版の2強がシェアの25%を占め、残りを
なんと2万社で分けている。この10年で残りの取り合いをしている会社が3万から2万に
減ってしまった業界なんだそうです。下請けは『価格競争』を強いられジリ貧の状況にある
のだけれど、なかなか下請けから脱せない。
グラフさんはポストカードの仕事を取って廻ったと言ってました。
ポストカードづくりで高いのは原盤作り。1枚の版下を16分割して、お値段を16分の1で営業
した。まぁ取れるわ、取れるわ。過去のナンバー1の営業の4・5倍の売上を取って来た。
そうなると昔の下請け仕事が邪魔になる。バカ社長の演技をしながら上手にお引き取りい
ただいてより儲かる仕事にシフトして行ったんだとか。
北川さんの頭の中は子供の頃からとてもユニークで、それを伸ばして行ったご両親も
偉いんでしょう。
たんたん、飄々として燃える情熱を感じにくい ( 失礼 ) タイプの方ですが、ゴールへ
の道を作るのがとてもお上手なんだと思います。これぞデザイナーなのかな。
『デザイン』の力なんてモノは私にはなかなか理解出来ません。
脱下請けをして行ったら、世界のブランドが仕事を持ってきてくれるようになった・・・、
と言うのは、序章とあとがきだけを読んでグラフさんを理解しなさいと言うのに似ていて
まず無理なんでしょうね。
北川さんがお話しする姿を見ていたら、なんとなく感じるオーラみたいなもんはありまし
たけど・・・
こんな時は・・・もう村上龍さんの編集後記に行っちゃいましょう。
北川さんは子どものころ、空にかかった虹を見て、「取ってこよう」と、自宅の裏山に登ろう
とした。お母さんがそれを見て、「これに入れておいで」とビニール袋を渡してくれたらしい。
美しく、ロマンチックなエピソードだ。北川さんは、おそらく今でも「虹をつかもう」としている
のだと思う。不可能なことに無謀に挑戦するという意味ではない。どうすれば、虹をつかむ
のと同じような効果と、充実感を獲得できるか、そのことを常に考えている。デザインと印
刷の両方の技法に習熟した北川さんとグラフ、まさに「虹の彼方」の存在で、他の追随を許
さない。
今回の編集後記はとても秀逸だと感じました。
なんか掴みどころのない話しだったんだけど『虹』でくくるなんて、村上龍さんも巧いなぁ。
脱下請けに汗を流していたはずが、他の追随を許さない所まで突き抜けちゃった印刷
屋さん・・・。
そんなグラフさんであり、社長の北川さんなのでありました。
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