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立川志らくさん独演会・・・2013.12.23

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私の拙いブログに、志らくさんからのコメントがつきましたので、これもご縁と、本日よみ

うりホールの志らくさんの独演会に行ってきました  

この独演会は元々は談志さんがやっておられたモノで、談志さんの体調悪化で志らくさ

んが引き受けたものなんだそうです。

それ故に、談志さんが得意にされていたネタ3席が指定されていたんですね。

談志さんが亡くなって3年は『芝浜』をかけるとの約束だったそうで、今年が最後。来年

からはリクエストで人気投票をして上位3席を演ろうと思っているとの事でした。

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ですから、談志さんからのファンも大勢つめかけている様で、談志さんの真似を披露

しようもんならドッカンドッカン受けてました。

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私は2階席だったのですが、ちょうど私の後ろに座ったオッサンが『笑い袋』みたいな

笑い方をするオッサンで、今のそんなに面白い?と言う事まで爆笑するので、ちょっと

こっちが引いてしまう・・・と言う、志らくさんにとっては思いっきりのホーム、私には笑い

袋もあってアウェー感満載の中で始りました。

談志さんから引き継いだ独演会だからなのか、前座さんの落語はなく、いきなり志らくさ

んの『粗忽長屋』から。

ファンの温かい笑い声に包まれて、のりのりの落語でした 

2席目は『やかん』・・・。

と、その前の座布団返しの時に出て来たお弟子さん。『明日はどっちだ』で登場した崖っ

ぷち落語家見習いの『志ら鈴さん』だったように思います  しっかり修行されている

様でちょっと嬉しかったです。また志らくさんファンの巣みたいな所での独演会だから、

お客さん達の何人かが気付いてました。志ら鈴さん、頑張らんとね  

さてさて、『やかん』も熱演でした。面白かったですよ  

そして中入りを挟んでいよいよ『芝浜』  

これは『ぜひ見に来て』と志らくさんが言うだけの事はありまして、しっかり堪能出来まし

た。緞帳が下りても拍手が鳴りやまない・・・と言う感じ。

志らくさんファンのお客さん達も大満足だったのでは・・・と思います。

ただ、『芝浜』は私は談志さんの演じ方が好きです。

魚屋のおかみさんの性格と言うのかな。志らくさんは良妻賢母タイプみたいに演じられて

いましたけど、それほど思慮のあるおかみさんじゃなくて、どっちかと言うともっと可愛ら

しい女性なんだと思うんです。釣りバカの石田えりさんで、決して浅田さんじゃないの。

それで旦那さん想いで・・・。

だから、財布を拾って来てお金を数える時には喜ぶんだけど、いざ旦那を騙す時には

ドキドキで騙すの。失敗したら旦那さんの命がないと大家さんに言われているから必死

でね。3年間は良心の呵責できっと辛かったんだけど、ようよう役所から所持人なしで

返戻を受けて、必死で、離婚覚悟、殴られるのを覚悟で旦那さんに事の顛末を告げ・・・

ここのおかみさんの気持ちの表現の演じ方が、一番細かくて、かつしっかり演じている

落語家さんが談志さんだと思っています。おかみさんの気持ちで幕が変わるんだと思う

んです。志らくさんの芝浜はおかみさんが良妻賢母過ぎて平坦な感じになってしまって

いるように感じました。

その演出の部分ではひっかかりもありましたが、総じて落語はお上手でした。

満足してホールから出た階段で、おじいさんの二人連れが、志らくさんは上手だけれど

これから『味』が出てくるんだろうね・・・と言う声が耳に入りました。

みなさん、感じていることは一緒なんですねぇ~。

上手な落語家さんだから、ルックスや滲み出る聡明な感じが、とても均整の取れた焼物

みたいに感じられました。きっととても器用だから、談志さんの落語が志らくさんに入って

しまうのでしょうね。

志らくさんのパンフレットのコメントに『卒談志』の言葉がありましたが、苦労して談志さん

を抜いて志らくさんの落語を作って行かなきゃならない。

本日の独演会でも志の輔さん、談春さんの話しが出てきましたけれど、きっとお二人は

志らくさんより不器用ゆえ、談志カラーに染まり切らずに、独自色の落語を創っておられ

る。

だから二人の噺を聴いても談志さんを感じないんだけど、志らくさんは談志さんを感じ

ちゃう・・・。イイ事でもあり、悪いことでもあるのでしょう・・・。

きっともう一段高い所で演じられる落語家さんなんだと思います。

みんな、そう思っているから志らくさんの『味』を求める・・・。

談志さんの噺を忠実に受け継ぐ志らくさんが、志らくさんの花を咲かせるのをファンは

毎年楽しみによみうりホールに来ているんですね。

ちょっと感動の『志らく独演会』でした。

~追伸~

旧談志さん邸に、談志さんの書斎を再現しつつ、志らくさんが住むようにリフォームをし

ていると、マクラで話してました。

師匠談志愛に燃える志らくさんと、それを『談志邸の管理人になった』と表現する談春

さんのお話しはそれぞれの性格も感じられてとても面白かったです 

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