ヒッチハイク・・・
先日の墓参りツアーでのこと。
無人駅を降りて約10キロ、炎天下の田んぼの脇を歩きました。この道路、電気 が
無いでしょ。民家もありません。無人駅だから駅前にコンビニもなく・・・ただ歩くだけ。
誰も歩かない道をテクテクとリュックを背負って歩いてました
どうせ一本道でこの道路の先に墓地があるので、時々通る車をヒッチハイクしようかな
なんて思いながらテクテク歩いておりました
墓地につくと同じような石塔ばかりで ウチのお墓はどこかなぁ~と焦っておりまし
たら、『あんた、さっき歩いてたやろ~。乗せて行ったろうかと思ったんやけどなぁ。帰り
はどうすんの?この暑さで歩いたら熱中症になるから乗せて行ったる…』となんとも
暖かい言葉をおばちゃんがかけてくれまして、こちらもお言葉に甘えることにしたのであ
りました。
『あんたのトコのお墓はどれ?終わるころにそこまで車で行ったるから…』と言われまし
て、正直に『判りません 』と話したら、まぁ~なんと、こっちやで
とおじいさんが
手招きしてくれたのでしょうか、目の前にウチのお墓があるじゃないですか
『あった、あった コレですわ~』とおばちゃんに言いまして、私とおばちゃん、それ
ぞれお墓参りの準備をしました。
花束の茎が異常に長くて、チョキン と切らないと、お墓に差せないで困っていたら
おばちゃんが切ってくれまして、その間に墓の水やりをしときなさいと指図してくれまし
たので、これまたお言葉に甘えました。
バケツで5杯ほども水をかけてあげ、花も差し、お線香も2束に火をつけようとしたんで
すが、線香も双束になると火がつきません。ようよう火がついたと思って、線香立てに
差そうとしたら今度は全部が入らない
線香は束になると松明みたいになると言うのも初めて知りました。
ぼうぼうと燃える線香を鎮火させながら線香立てに立てようとするのだけど、量が多すぎ
て刺さらない。なんとか刺そうとするとまたたいまつ状態になって・・・。
もう面倒だから、ひと束だけ差して残りは墓前に横にして置いたのでありました。
お線香は亡くなった方のご飯になる…と聞いたことがありますので、もう食べきれない
程にお腹いっぱいになったんだろうと思います。
さぁ・・・ここからがヒッチハイク
親切なおばちゃんの車に乗って、駅まで送り届けていただきました
国道1号線沿いに10キロほどの道のりです。
国道1号線を反対側に走ると言うのは、なかなかの高等テクニックが必要でもう70歳近
いおばちゃんは怖いから1号線を左折して、また左折。交差点に出てから1号線を逆に
走るから・・・と言うことで。
結果としてヒッチハイカーになりました私は、おばちゃんにお墓の中の人のことを尋ね
ご家族のことを尋ねました
もう30年も前にご主人が亡くなったこと、お子さんはお1人はお近くに、もうひとりは九州
に居ることなどを聞いておりましたが、なんせ田舎の農道。都会の町中みたいに道路が
交差しないものですからドンドン車は走ります
これは U ターンした方がいいナとは思ったのですが、おばちゃんの運転の力量では
ちょっと無理かな…と言う感じ。助手席に乗っていてもちょっと
おばちゃん、眼があまり良くないんですって
気持ちをラクにして次の交差点まで走っていただくより他は無く、鈴鹿の田んぼを左目
で観賞しながら、右目はおばちゃんに集中し、おばちゃんの話しにも神経を集中してお
りましたら、なんか凄い人生模様になってきまして・・・。週刊漫画とかに出てくるストー
リーにドキドキしながら合いの手を打っておりますと、おばちゃんも熱が入って道を間違う
間違う・・・ せっかく走った道のりなのに、また1号線の墓地の前を…
『今度は大丈夫 』と言うおばちゃんにこちらも『お世話になります』と返したのであり
ました。
でも全然嫌な気持ちはありませんでした。だっておばちゃんの親切が前面に出ていまし
たし、私を楽しませようとお話ししてくれているのですから。本当は炎天下を2時間歩く
予定だった訳ですし。なんだか『家族に乾杯』みたいで楽しい~と思っていました。
次は上手に1号線を逆走出来て、あともう少しで着く予定なのですが、狭い路地に入り
ます。『あんた、ウチの親戚に会って行き 』
『・・・』 言うより先にハンドルを切っていますからね。リアル家族に乾杯になりそう
だなぁ~と思っておりましたら、狭い路地で ビー ビー
立派な家の前でクラクションを鳴らします。
『おらんかな、残念おらんかな』・・・。
私はちょっとホッとしながら、『残念ですが、じゃあ駅までお願いします』と言いまして、
そこから駅に向かって・・・
同じ方向だから・・・と言いながら、なかなか10キロの道のりなのですが着きません
ヒッチハイクって面白いなぁ~と思っておりましたら、とうとう目的地の駅に着いてしまっ
たのでありました。
面白いお話しがいっぱい聞けて、暑い中を乗っけてくれたおばちゃんに感謝です。
手には伯父に渡すお土産を持っていたのですが、それをおばちゃんに渡しまして
この夏のヒッチハイクは終わったのでありました。
なかなか道路っ端で ヒッチハイクをするのは勇気が要りますけど、いざ見ず知らず
な方とマンツーマンで乗る、また乗せていただくのは面白い~
当面、ヒッチハイクをする予定は無いですが、ヒッチハイカーを乗せるのは『あり』な気が
します 今だったら栃木・群馬辺りまでなら乗せて行ってあげたい気分です
『家族に乾杯』的旅行をして、現地の方々とお話しするのも楽しいですけど、ヒッチハイク
もまた楽し~
おばちゃんの親切心がひしひしと伝わって、とても楽しいひとときが過ごせたのでありま
した。
ゆとりと一冊の本を持って旅に出る・・・。
いいですよね~
時々はヒッチハイク的な旅もいい と思った今日この頃なのでありました。
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