幽霊
被災地の「幽霊」卒論が問う慰霊の在り方 (BuzzFeed Japan)
と言う記事を見て眼からウロコの想いです。
石巻のタクシー運転手さんから聞いた幽霊のお話しを卒論としてまとめられた東北学院
大の工藤さんについての記事です。
『東日本大震災でたくさんの人が亡くなったじゃない? この世に未練がある人だっていて当然だもの。(中略)今はもう恐怖心なんてものはないね。また同じように季節外れの冬服を着た人がタクシーを待っていることがあっても乗せるし、普通のお客さんと同じ扱いをするよ』。ドライバーは微笑んで言った・・・
『お父さんとお母さんに会いにきたんだろうな~って思っている。私だけの秘密だよ』。その表情はどこか悲しげで、でもそれでいて、確かに嬉しそうだった・・・
幽霊現象に遭遇した各タクシー会社の記録では、無賃乗車があった扱いになるという。客を確かに乗せたが、代金は支払われなかったという扱いだ。
工藤さんは、タクシー運転手への聞き取りを重ねる中で、こんな経験をした。
「私が『幽霊』というと、そんな風に言うなと怒る方がいました。きっと、『幽霊』という言葉に興味本位だと思われる響きがあったからでしょう。怪奇現象とか、心霊写真とか恐怖を楽しむような言葉だと思われてしまった。『亡くなられた方』とか『(亡くなった方の)魂』というと、お話してもらえました」
運転手から、こう問われたこともある。
「きみは大事な人を亡くしたことがあるかい? 人は亡くなると、眠っているように見えるんだ。あのとき、こうすれば良かったと後悔する。亡くなっても、会いに来てくれたら嬉しいんじゃないかな」
なるほどなと思います。幽霊と言うと円山応挙さんの幽霊画や講談などで『怖いもの』
と言うイメージがありますが、決して怖いものではない・・・。
魂がたまたま見えただけで、決して敬遠すべきものではなく、運転手さんも連れてい
ってあげたいと言う心遣い。
タクシー会社もそれを忌み嫌わない。
地域が大きく傷つき、今は時の流れとともに癒されている。
何度か私も被災地を訪れましたし、またこれからも訪問すると思いますが、もし万一
出会ったのならば同じ気持ちで接したいと思います。
いい記事だなと思いました。
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