たこばば
今日は子供時分のお話しを・・・。
家のそばに駄菓子屋さんがありました。
たこ焼きを焼いているおばあさんのお店ですから、『たこ焼きばあさん』と呼んでました。
10円のヨーグルトやらスーパーボールやら、ザリガニ釣りに使うイカやら・・・。まぁ色んな
モノがあったなぁ。チョコバットと串刺しの鈴カステラ(の薄いヤツ)が好きでした。
小学校に行くようになると、『ええトコ』に住んでいた私も世間に染まり、千里中央⇒千中
(せんちゅう)、天神橋筋6丁目⇒天六 (てんろく)と大阪人が得意とする短縮文化に晒され
て『たこ焼きばあさん』が『たこばば』に代わってしまいました
ちょっとずつ柄が悪くなっていくんですね
おばあちゃんも大したもんでした。
カレーの揚げせんのくじ・・・1回10円で給食のプリンの容器で1等が出たら5杯、2等は3杯
3等は2杯、ハズレは1回すくって、緑の紙の袋に入れるんです。
ある日、揚げせんはあるのにくじが終わってしまってですね。
おばぁちゃんが急きょ、紙で何やら文字を書いて、小さく折りたたんで箱に入れて。
これがくじで1回10円
残りものには福と言います。もう残りやからサービスしてくれそうでしょ
こう言う金銭感覚は親から学習するんですね。私の値切りは中学2年生の頃、近所
のスーパー横のお肉屋さんで、時期は年末。年内最後の営業日の夕方。
残ったトンカツかーやらコロッケを値切る交渉を親付きでされられました
この時に『お買い物の交渉の楽しさ』を知ったんですよね。。。
脱線しました。
たこばば時代はまだウブでした。
10円をおばあちゃんに渡して小さく折りたたまれた緑の紙を1つ取り、それを広げて
行きますと・・・鉛筆で『スカ』と書いてありました
ハズレならまだ優しさが感じられますが、『スカ』はなんかキツイ
くじが無くなっておばあちゃん特製のくじになったカレーせんは子供ホイホイみたいに
まぁいつもの何倍も売れまして
こっちも興味津津で10円の粉クリームソーダを水で溶かしてもらって椅子に座って
事のなり行きを眺めて居ました。
とうとうカレーせんは無くなったのですが、くじだけが残る状況になって、ハイ、くじは
終了 となったのですが、ついに『1等・2等・3等』は出ませんでした
全部スカ
残った方に当たりがあったのかどうかは今となっては判りません
あの駄菓子屋さんで、大阪的大人への道を学んだのでした
スカと言うことばの響きが面白くて大阪的だなぁ~と感心することしきりです。
スカは辞書で引いても出てませんでした。
ハズレよりも情け容赦のない語感・響き。
おばあちゃんが慌てて作ったからくじだから『スカ』と思わず書いちゃったのでしょう。
私もそのくじで初めて『スカ』と言う言葉を知りました。
大人になったら『スカ喰ろた』・・・なんて言葉もねぇ。
| 固定リンク
コメント