落語・・・
今はいい時代になりましたで。
先日、とある落語家さんが Youtube でお話しをされていたのですが、落語を聞いて、映像がイメージ出来ない
日本人の方も一定割合居るのだとか。
テレビ落語は放送の枠があるのでマクラの部分がカットされることもあるのですが、落語会などに行きますと、
マクラの部分は噺家さんのフリートークで観客をグッと引き付ける。
マクラからの導入がスムーズに落語の本題に持って行ってくれますと、落語の国に無事連れて行ってもらえる
訳です。ここらあたりで噺家さんの技量が出て、下手くそな方や、ちょっとした仕草に嘘が発見されてしまうと
落語の国に行けずじまいで終わってしまうこともよくある話しなんだな。
これは新作落語・創作落語も、古典落語も一緒なんです。
落語の国に連れていかれたあとは、しっかり落語の国を堪能してきたところで、ポンと落ちを言われて、シュー
っと現世に戻って来る。
催眠術をかけられて、ポンと手を打って術を解かれると気持ちいいとか言いますけど、きっとそうなんだろうな
と思う心地よさが落語にはあります。
名人上手と言われた方は観客を落語の国に連れて行き、またこちらに戻って来るツアーの引率が上手なんだな。
落語が芸として存在できるのは『脳』のなせる業なんだろうけれど、目の前でしゃべっているオッサンが、落語
の中では時として美人になり、またお侍さんになり、お代官や庄屋さん、町人にと一人で何役もの役をやる。
落語を聴くだけでも落語の国には行けるんだけれど、聞く側の予備知識があればあるほど落語の国の映像が鮮明
になるので、勉強して知識はある方がいいので念のため。
さてさて、そこのアナタ。落語を聞いて、目の前のオッサンが30分や1時間、ただただオッサンがしゃべる姿しか
見えないか、それとも落語の国に誘う語り部となるか。ちょっと実験してみてはいかがでしょうか。
立川志の輔さんや談春さんは全国どこの方が聞かれてもスーッと落語の国に連れて行ってくれると思います。
大阪弁が嫌いでなければ、判りやすさで言いますと、枝雀さんや米朝さんの落語がいいなぁ。
それはそれは心地いいもんです。
あの心地よさってのは、脳にいい何か麻薬的なものが出ているのではないかなぁ~と思うもの。
映画やドラマ以上の何か。眼や鼻からの敏感な刺激でなく、脳内だけで完結しますから、夢と同じ成分が落語には
ある気がするんですよね~。心の病気にも落語は効くと言います。とても腑に落ちる話ですわ。
心がお疲れのあなたには古今亭志ん朝さんがいいように思います。笑い多めであれば枝雀さんかな。話芸の最高峰
なら米朝さんだと思うなぁ。
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