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落語なの?

先日、とある方の落語を見ました。

結構有名な人情噺をされていたのですが・・・ナニコレ?と言う出来栄えで唖然でした・・・。

落語と言う話芸は演者さんがホール中の観客を全員丸ごと落語ワールドに連れて行ってどっぷり

架空の世界を連れまわし、最後の下げでポンと現実世界に連れ戻す芸能なんです。

アメージングワールド、談志さんなんかはイリュージョンと呼んでましたが、先日見た噺家さん

は観客を落語ワールドに連れて行かないんだな。

そうなるとオッサンがぐだぐだとトークしているだけなんよ。

まだ漫談は笑えるけど、落語は変にストーリをなぞるから先が判っているお話しを・・・。

なぜこの噺家さんは下手なのかなと考えながら見てたのですが、話すテンポに緩急がないんだな。

だから登場人物に顔が無いの。表情を思い浮かばせるのも芸なんだけど、おそらくは演者さんに

も顔が浮かんでいないんじゃないの?

虚構の世界に連れて行けない噺家さんはペケだわ。

結構なご年齢の方の落語でしたが、もう師匠は亡くなっちゃっているのかな?

これを演じても師匠は何も言わないのかな?と心配しちゃいました。

昔、桂米朝さんがとある落語会でお弟子さんを叱っているところを見たことがあります。

女房殿が糸切り歯で糸を切るシーンでしたが、その所作がおかしいと。そんなに糸を長く持って

歯で糸が切れないだろうと言うのです。嘘の仕草ひとつで観客のイメージは壊れてしまう。

観客の描く落語ワールドは儚いもんだから嘘の仕草をするなと言うんです。

話すテンポもそうですね。このシーンでそんなテンポでは絶対にお話ししないでしょうに、と

思わされると噺家さんが登場人物にならないんだよね~。

例えば『芝浜』で言うと、魚屋のおかみさん。小三治さんと談志さんでは全然違う顔のおかみさ

んが思い浮かびます。浮かぶおかみさんの顔かたち、人柄が違うんですわ。

そこはもう好みの問題なんだろうね。誰の芝浜を聞きたい・・・と言う。

1時間近い話術です。一分の隙でもあろうもんならせっかく連れて行った落語ワールドから引き

戻される儚い芸。でも名人上手は完璧に観客それぞれの脳内に落語ワールドを創る事が出来るん

です。

人情噺ならきっちりこちらが泣かされるの。

ガッカリ落語を見ちゃったので敢えて書きました。

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