カンブリア宮殿

カンブリア宮殿・・・ハローデイ 社長 加治敬通さん

久々のカンブリア宮殿の記事です。

今週のゲストは福岡を中心に展開しているスーパー『ハローデイ』の加治敬通さんでした。

『アミューズメントフードホール』を自称する陳列や店舗レイアウトに特色のあるスーパー

です。20年連続増収にして、2012年度の売上は658億円。

どことも違う陳列と品揃えの豊富さ。1坪当りの売上は大手スーパーの2倍もあるんだそう

です・・・。

なんだかこうして書いてしまうと、ハローデイさんの店舗の楽しさが表現できてないですね。

番組は上手にハローデイさんを紹介していたのになぁ。

商品を選ぶ楽しさを提供している、なんて言葉もありました。

店舗もユニークなら、スタッフ同士の挨拶もユニークで、『お元気さまです』と交わす言葉や

朝礼の時に『ハハハと笑いあう』のも面白いですね。

上辺だけではなくて、パートさん達まで浸透した『楽しむ精神』の演出、仕掛けがあるんで

す。

昔むかしの事ですが、一度は倒産しそうだった経験があるからねコスト意識は徹底して

いる。ただその中で、スタッフさん達が楽しめる仕掛けを作ることで、積極性を引き出し

そこに遊びの心も加えて、やる気を引き出す工夫がありました。

やらされている意識ではなく、楽しみながら働く意識の醸成。

よく出てくるこのテーマに、ハローデイさん流に取り組み、成功したと言う事なんでしょう

ね。

楽しい仕事で売上を上げる。でもディスプレイの面白さが売上を上げる訳ではありませ

ん。スタッフさんが楽しめるのは『お客さんを喜ばせる感動を知っているから』であり、

またお客さんに楽しんでもらいたいと思う気持ちが、パートさん達でさえ、自宅に帰って

まで『どうやって楽しんでもらうのか?』を考えていた映像です。

ご家族だって奥さん、お母さんがやりがいをもって活き活きしているのは決して嫌じゃ

ないんでしょうね。給料が高いとは決して言えないと加治さんも言ってました。でもやり

がいはあると思いますとも・・・。

すべての仕事に共通する事だと思いますが、『他人の幸福に寄与できる喜び』と言う

のは何物にも代え難い貴重なことで、『やりがい』の中で結構なウェイトを占めている

部分だと思います。給料など自分の事も大事だけど、他人との関わりで喜んでもらう

と脳が元気になりますよね。

そして仕事が楽しければ人生はめちゃめちゃ楽しい・・・。

加治さんはそんな風に考えながら、ハローデイさんを率いておられるのでありました。

村上龍さんの編集後記です。

ハローデイは、「お客を楽しませるために、まず従業員が楽しむ」という基本姿勢で、増収

増益を続けてきた。

だが、「楽しむ」のは、それほど簡単ではない。酒を飲んで歌ったり踊ったりという楽しさと

はニュアンスが違う。
                         

企画・アイデアを考え、協力し合って実行し、達成感と充実感を得て、お客の幸福感に寄

与する、そういったことだ。

「他人の幸福に寄与することで自分も幸福になる」という考え方を、加治さんはビジネスの

根本に据え、成功した。面白おかしいだけの「楽しさ」はやがて飽きる。だが、ハローデイが

目指す「楽しさ」は、決して飽きることがない。

11月末に福岡、長崎に行って来ましたけれど、地方には面白い企業がいっぱいありまし

た。とても便利で首都圏に進出したら首都圏のお店が随分と駆逐されちゃうな・・・と思っ

たお店も随分とありました。

ハローデイさんもその中の1つですね。

もっとも加治さんは首都圏進出になんて事は考えていないとも話してましたが・・・。

地方企業にとって首都圏進出と言うのは大変な事だし、九州の企業となると、関西、

中京圏が間にありますからねぇ~。

私は地方に行ってもスーパーに入るのが好きです。

独特のご当地グルメや商品に出会えますから  

ハローデイさんは企業単位ではなく、各店舗で全然レイアウトが異なっているって

事でしたので、今度福岡に行く時には、数店舗覗いて来なきゃダメですね。

いやいや、地方発の元気印スーパーを取り上げて貰うと実に面白いと思います。

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・株式会社シャルマン 代表取締役会長 堀川 馨さん

今回のゲストは株式会社シャルマンの代表取締役会長の堀川 馨さんです。

シャルマンさんは眼鏡のフレームで国内ナンバーワンの製造メーカー。

眼鏡と言えば鯖江市と言う程に眼鏡関連企業が集まっている鯖江に本社を構えておられ

る。売上は187億円。2009年に発売を開始したラインアートと言うフレームが大ヒットをして

いるのだとか。

カンブリア宮殿では激安メガネの会社さんも取り上げておられます。

メガネの価格は随分安くなったと私も実感していますが、シャルマンさんのフレームは

4万円前後の価格帯が多いみたいです。

安売りメガネは大半が中国などからの輸入で、メガネの輸入量が増加して行くことで鯖江

のメガネ関連企業には大打撃があり、半数の企業が淘汰されてしまったのだとか。

メガネの製造工程は200~300工程もあり、それぞれが分業をしていたのですが、シャルマ

ンさんは1956年設立当初は部品メーカーだったものを、メガネ本体を作る企業にするため

にご苦労を重ねられたそうです。全工程を一貫して製造できるのはもはや国内にシャルマ

ンさんしかないとの事でした。

もちろん外国の低価格品は脅威だったのでしょうけれど、シャルマンさんは低価格競争

と一線を画し、圧倒的な高付加価値を追求することで住み分けを図ろうとされたんです

ね。一本4万円台の価格帯・・・と言うのがその現れで、高くても買ってもらえるフレーム

は映像からも軽くてかけ心地が良いって言うのが分かりましたし、フレームが美しい。

『造形美』をシャルマンさんの眼鏡は持っていました。

著名な方々がシャルマンさんのファンだと言うのも納得です。かけ心地、デザインが

優れていてキラリと光る自己主張  形状記憶チタンを自由に操るシャルマンさん

ならではなんでしょう。

現在は医療分野にも進出しており、メガネフレームでは一貫した製造体制を作ることに

尽力された堀川会長ですが、疲弊する鯖江を再興しようと医療分野では鯖江の企業

と連携をしようと尽力しておられる。村上龍さんが互助の精神と話しておられましたが、

まさしく鯖江の町や各企業の為、そしてそれがシャルマンさんのためにもなる・・・と

話されている堀川さんが神々しく感じられました。

地方の疲弊は激しいとよく耳にしますが、それぞれの地元の雄と言う企業はあるはずで

シャルマンさんみたいな企業がどんどん出てくればいいのになと思います。

技術立国日本ですが、それぞれの企業が有する技術は潰れてしまうと承継が出来なく

なってくる。メガネみたいな多工程の品物だときっと顕著なんだろうと思います。

連携出来なくなると、自社の技術も活かせなくなってしまうんですね。

メガネは数年で低価格化が極端に進んだ商品だと私も認識していますが、なるほど

国内の企業が努力して低価格を実現したのではなく、国内企業が軒並み淘汰されて

海外からの商品が取って代わっていたのか。よく考えればそうですよね。

海外からの攻勢により衰退産業化しているメガネ産業。

その中で、堂々とサバイバルして来られた『シャルマンさん』のご活躍のお話しはちょっと

心地よい感じがしました。

では村上龍さんの編集後記です。

どうすれば儲かるか、そんなことを考える企業は成功できない。どうやって生き残るのか、

常にそれがテーマとなる。シャルマンは、100年を超える歴史を持つ眼鏡枠の産地、鯖江

で、単一部品生産の下請けから、長い時間をかけて総合眼鏡フレームメーカーに進化し

た。販売会社の設立、チタン加工技術の研究開発、デザインへの投資、海外進出、どれも

簡単ではない。では、生き残りを賭けた戦いは、「苦役」なのだろうか。苦役だと考える人や

企業は、もうその時点で敗北している。簡単ではないことに、心躍らせながら挑戦する、そ

れが最良かつ唯一の戦略だと、シャルマンの、美しく軽やかなフレームは、そう語りかけて

いる。

どうすれば儲かるのか・・・。今話題の百貨店やレストランの偽装問題に通ずるテーマで

すね。不当な利益を貪ってはダメなんです。最初は軽い気持ちで『まぁいいや』。他所が

やってるから『ウチも・・・』。そのうちあぶく銭が身体に染みついてしまって、偽装では

なく誤表示だと言い始めているのでしょう。

消費者を騙して楽に儲ける企業はサバイバル出来ません。

サバイバルとは真っ当な勝負をしようと思うと、かなり制限された範囲で努力しなければ

ならないのであり、そこで悪戦苦闘する中で強靭な筋肉質の企業へと成長するのだと

確信しています。カンブリア宮殿ではそれを『サバイバル』と呼んでいる。

楽をしちゃいかんのです。

続々と公表される偽装の嵐に、呆れるやら情けないやら。

また社を代表する経営陣が、お粗末としか言えない言い訳のオンパーレドでもう偽装の

報道には触れたくないと思ってしまう自分が居ます。

それに引き換え堀川 馨さんの発言や行動は清々しいことったら。

本当に強い企業とは・・・。

普段はメモを取りながら視聴しているのですが、今回はあまりに心地よくてメモを取る事

も忘れて画面を食い入るように眺めておりました。

サバイバルとは、仕入れや諸経費によりギュッと制限された範囲内で戦う『お客様への

役立ち競争』だと私は思います。役に立ったお客様からの報酬に見合う部分が売上であ

り利益なんです。役立ち競争は実はとても気持ちがいい。やりがいを感じられる仕事で

す。脳が汗をかく程に必死になると心地よい疲労感がありますね。それを癒してくれる

お客様の『ありがとうの声』。

簡単ではないことに、心躍らせながら挑戦する、それが最良かつ唯一の戦略 だと

お話しされる村上龍さんの編集後記はまさにその通りだと思います。

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・ナカシマメディカル 代表取締役社長 中島 義雄さん

今回のカンブリア宮殿はナカシマメディカル 代表取締役社長の中島 義雄さんがゲスト

でした。

ナカシマメディカルさんは人工関節を主に作っている会社さんです。

年間2300個の関節を作っておられるのだそうで、日本国内の人工関節シェアは2%なん

だそう。ちなみに欧米から75%を輸入しており、京セラが2位で10%程のシェアを持って

いるそうです。

ナカシマメディカルさんは元々ナカシマプロペラから派生した企業で、船のスクリューの

技術の応用、研磨技術の応用なんですね。

今回のカンブリア宮殿で一番感動したのは『船のスクリューの美しさ』。鏡以上に研磨さ

れた金属はあんな光沢を持つんだ  と言う事でした。

人工関節もまたピカピカに研磨されていました。

スクリューの1万分の1ミリの精度で、船舶の航行では1億円以上の経費の差が出ると

言うのは納得出来ましたけれど、人間の関節って言うのもきっとそうなんでしょうね。

ナカシマプロペラさんが医療分野に乗り出すきっかけはオイルショックの頃の造船不況

から。売上が激減して苦しかった時に、たまたま工場見学に来て居たお医者さんが

あれだけスクリューを研磨するの?あれなら人口関節だって出来るんじゃないの・・・と

言う声に乗っかって進出したんだそうです。

この辺りの腰の軽さはそれだけ造船不況が大変だったと言う事と、スクリューは一点モノ

で1つ1つ船に合わせてイチから作って行くものだから、お客さんの声に合わせるのが

得意だったと言うのもあるんでしょうね。

ところがいざ製品を作って営業に病院に行きますと・・・患者の身体の中に残るモノだか

ら20年分のデータを持ってこいと言われたんだとか。

そこで負けたら今回のカンブリア宮殿に取り上げられなかった訳でございまして、乗り切

る術として、工学・医学と言った学部を越えた研究会で、かつ産学協同のモノを発足させ

研究した。今では時々耳にしますけれど、1980年代当時は非常に珍しかったとのことで

した。

ただそんな状態ですから売上は伸びず、8年ほど低空飛行を続けたと言ってました。

1995年時点でも欧米の人工関節が大半だったのですが、日本人の生活スタイルとして

『正座』があります。欧米の習慣にない正座が欧米の関節では出来ないんですね。

正座をしようとすると130度ほど関節が曲がらなきゃ行けないのですが、それには独特の

形状が必要になる・・・。

また人工関節の軟骨部分のプラスチックが体内で酸化することで10年~15年で摩耗して

使い物にならなくなるんだそうです。

お年寄りの身体に入る人工関節を交換する手術が必要になってしまうのをなんとか

したいと言う事で、酸化しにくいプラスチックを作っちゃえ・・・と、10年の年月をかけて

20~30年は耐久性がある軟骨に代わるプラスチックも完成。

一躍脚光を医学界から浴びる企業になりました  と言うところなんですね。

今回のカンブリア宮殿は、ナカシマメディカルの紹介と、サバイバルの仕方にこんな方法

もあるんじゃないの?と言う紹介なんでしょうね。

ひざ痛を抱えるお年寄りにとってなんとも朗報だと思うのですが、ナカシマメディカルの

人工関節を使おうと思うと手術器具からナカシマメディカルが準備したものを使わないと

手術が出来ないそうで、現シェアが2%と言う事は、なかなかナカシマさんの人工関節を

使って手術出来る医師がまだまだ少ないってことなんだと思うんです。

今回のカンブリア宮殿を見て、患者さんが声をあげたり、お医者さんが観ていて、ウチも

ナカシマさんを・・・となるケースが増えればいいと言う事なんでしょう。

正座をしなきゃならない日本人には、日本の製品に分がある様に思いました。

さて、村上龍さんの編集後記です。

医療は産業になり得るのだろうか。また、生き残るために、自らの資源を再発見し、新規開

発・ビジネスに向かうのは、口で言うほど簡単ではないのではないか。ナカシマメディカル

は、1つの回答を示している。日本の造船が縮小する中、自らの技術を応用し、あらゆるも

のを作った。のんびりとメニューを眺め「これにするか」ではなく、可能性があると思うもの

をすべて製作し、やがて人工関節と出会ったのだ。そして、人工関節の膝の部分を磨く若

い職人の言葉にも教えられた。「患者さんの体に入るものだから懸命に磨くんです」 患

者、つまり、人への優しさを失わなければ、医療は、産業化の弊害を免れることができるか

も知れない、そう思った。

20年、30年と身体に入っていた人工関節って、まだピカピカのままで出てくるのかな。

人間の身体って10万分の数ミリの精巧さを求めるモノだったのか・・・。

なかなか凄いもんなんだなぁ~と思いました。

とあるお医者さんが『このスクリューを研磨する技術があれば人工関節だって作れるん

じゃないの?』と言わしめるほどに細かな技術だったんですね。

同様なケースって実は世の中にはゴマンとあるんでしょう。

要はマッチングが出来るか否か。

狭い世界だけを見てたらダメだし、異業種とも交流を持たなきゃダメ・・・。

それだって実際に芽が出る商品にぶち当たるなんてのは珍しい事なんでしょう。

運を掴めるかどうか・・・。

いや、ナカシマプロペラさんに確たる技術力があったからこそか。

運と実力の関係って・・・。

なるほどなぁ~と思ったのでありました。

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・トレジャー・ファクトリー 社長 野坂英吾さん、BSIZE 代表 八木啓太さん

今回のカンブリア宮殿は『若き起業家』にスポットを当て、トレジャー・ファクトリーの野坂さ

んと、BSIZEの八木さんが紹介されました。

まずはトレジャー・ファクトリーの野坂英吾さんから・・・。

『トレファク』と言う短縮語が広がってるのもビックリでしたが、番組で紹介された店舗に

もビックリ。広い売り場と凄い品揃え・・・。全然リサイクルショップの暗さがない・・・。

関東中心に71店舗を展開していて9期連続で増収増益、売上は80億円なんですって。

リサイクルショップとして流行っていた『生活創庫』さんは今年の5月に破綻してしまった

そうですが、トレファクさんと何が違ったのでしょう。

リサイクルショップの成功の鍵は『販売』ではなく、『仕入れ』なんですね。

品揃えをよくするためには仕入れが出来なきゃならない訳で、リサイクルショップに私は

モノを売りに行ったことはないですけど、やっぱり明るい店内で元気なお店に売りに行った

方が気分もいいんでしょう。高額な和食器を仕入れたいと頑張る店長さんの姿を見て、

なるほどまずは数点の呼び水的な売りモノが陳列できると、それを見たお客さんが私も

売ろうと思える訳か・・・。

家電量販店の陳列品や、モデルルームからの引き取り品・・・なんて言う企業モノ仕入れ

ルートと言うのも、言われてみればなるほどです  

苦労して開拓されたんでしょうね。

また仕入れた品を一品一品バーコードで管理しているんですって。

仕入値、売り値、買取日と経過期間を管理することで、それぞれの商品の適正価格が

分かる様になって来る。より多く仕入れて販売して行けば精度が上がる。

つまりは適正価格の精度を上げることによって『価格決定権』を持つことが出来るんで

すね。自信を持ってより高く売りたい人から仕入れられるし、購買欲を削がないギリギリ

の線で売り値を設定出来る・・・と言うこと。

売りたい人も買いたい人もより多くお店に呼び込むことが大事なんですね。

その仕掛けがキレイで広い店内と、品揃えの充実なのか・・・。

この意識があれば、他のリサイクルショップとの差がどんどん開いてしまうのもわかる

気がします。

トレファク・・・一度お店を見学に行って来よう  

続いてBSIZE・代表の八木啓太さん。ひとり家電・・・としてガイアの夜明けやカンブリア

宮殿でも取り上げられていると記憶しています。

テレ東が八木さんをイチオシしているのかな。

八木さんが紹介されたのはストロークと言うパイプを曲げたデザインが素敵なスタンド

でした。太陽光のLEDライトで39,900円と言うお値段で、ひとりで設計から製造、販売ま

でを手掛けていると紹介されたのですが、1500台売れたんですって。

凄い数だと思います。

2011年創業で産まれて2年目。1月まではひとりだったのですが、奥さんと元パナの技術

者さんと3人の組織になったと言う事ですね。でも代表と言う肩書だとまだ法人化してい

ないのか・・・。

ひとり家電が出来るようになったのは、10年前なら1千万円以上したCADのソフトが今

では無料ダウンロードが出来るようになったからで、CADで設計した部品を、16万円で

買った3Dプリンターで立体成型出来てしまう。それを加工屋さんに発注したら部品は

出来る。電子基板なんてモノもこれまた無料ソフトで設計で来て、基板屋さんに発注す

ると数枚単位で作ってもらえる時代になっているんですって。

全国の工場の中には個人からの依頼で数点からモノ作りをしてくれる企業もあるから

しっかり探せばモノは作れる。

『家電』と言えども大規模な企業じゃなきゃ作れないってこともなくなっているのだそうで

す。ちょっとビックリしました。

番組を見ていて八木さんは元々は富士フィルムに居たそうで、富士フィルムはやりたい

事を自由にさせてくれる会社と過去に、カンブリア宮殿でも紹介されていたのになぜ起

業したのだろう?とちょっと思いました。

ジョブズさんに啓蒙された・・・とは言っておられたんだけれど。

飛騨の間伐材で作ったモバイル充電器が次に投入する商品だって紹介されましたけど

しばらく前のガイアでも同じように紹介されていたから、改良を重ねて苦労して新製品

を作っているのだろうけれど、他社の同様の商品を見たことがある気がします。

ライバルとの差がデザインだけだとちょっとキツイのかな。

小スタッフだから商品化に至るところが大変なのかな。

大企業との住み分けって話しをされていましたが、もっといろんな人と交わって分業した

り、ネタ作りをすればいいのに・・・と余計なおせっかいも感じちゃいました。

もっともBSIZEさんみたいな起業がどんどん出来ると明るくなりますね。

村上龍さんの編集後記です。

フィル・ルービンは、「お金が欲しい、偉くなりたい、自由が欲しい、そんな理由だったら起

業すべきではない」そう言った。彼によると、起業の唯一の正統な動機は「世界を変えた

い」ということらしい。野坂さんのリサイクルビジネスは、環境への負荷を減らすという意味

でも、「もったいない」という考え方を広めるという意味でも、ひょっとしたら世界を変えるか

も知れない。八木さんもラディカルだ。八木さんの起業は、「すべての人がクリエーターにな

れる」という、最先端の可能性を示している。今、わたしは、あのストロークの明かりの下、

この原稿を書いている。優しい光は、まるで、「世界は変えられる」と告げているかのよう

だ。

起業家さんたちの活躍を見ていると元気になるし、私も頑張らなきゃと明るい気持ちに

なりますね。おそらく大勢の視聴者さんも同じ思いだったのではないでしょうか。

でもBSIZEさんの紹介の項で取り上げられた3Dプリンターって脅威でもありますよね。

日本の金型の技術の高さが、土台からひっくり返される日もそう遠くないのでは・・・。

今はまだ精度が低くても一度世に出た技術と言うのは、このご時世あっという間にレベ

ルが上がりますからね。

BSIZEさんみたいな起業と言うのは、何も日本だけじゃなくて、世界各国で出来る時代に

なったと言う事なんじゃないのかな・・・と心配にもなりました。

日本も世界を相手に出来るだけ多くの芽が出て、それを促成させなきゃね。

工学の楽しさってのもしっかり教育して行くことも必要な気がします。

きっと土壌は肥沃なんだから、やればいっぱい芽が出ると思います・・・。

そう言う意味では今日のカンブリア宮殿は素敵なふたりのゲストだったんでしょう。

とても面白かったです 

それから近いうちに・・・トレファクしたいと思います 

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・コッコファーム 会長(創業者) 松岡義博さん

今回のカンブリア宮殿のゲストはコッコファーム会長の松岡義博さんです。

コッコファームって私は初めて聞きましたが、熊本県菊池市にある日本一の卵直売所を

運営している会社です。九州全域から卵を買い求めるお客さんが集まり、年間93万人

もの来客数を誇るらしい。

主力は朝取り卵で3キロ、1200円。40個入ってるらしい。1日千箱売れるそうで、それもそ

のはず、一人で何箱も買って行くんだから  

黄身がプリプリで新鮮だとか、エサが特殊で炭やニンニク、米ぬかなどを配合したエサな

んだそうですが・・・40個もの卵を調理出来るのかなぁ~。しかも何箱も買ってどうするの?

と心配になってしまいました。美味しい卵だから友人・知人に配って歩く・・・と言うことでし

たが、それでも自己消費は2週間くらいで使いきる・・・とのことでした。

コッコファームは通常の養鶏場が2日かけてやる選別・洗浄・殺菌などの作業を1時間で

やってしまうので、確かに朝取れ卵は食べると美味しいんでしょうね。

あれだけの消費者に支持されると言う事は、相当の違いがあってきっと誰もがその違い

を分かるんでしょう。

コッコファームは85,000羽のニワトリがいて、1日7万個もの卵が取れるんだとの事でし

た。

さてさて・・・集客の努力がないとそうそうお客さんは来てくれないですよね。

手作りアイデア商品として・・・たまごシュークリームや卵白のシフォンケーキ、玉子サン

ドなどのテイクアウト商品から、レストランでの『オムライス』・・・。卵を押す商品がズラリ

並びます。

養鶏場って1965年には320万軒もあったのが最近では2800軒にまで減って来たと言う

のか淘汰されてしまっているそうで、2800軒が物価の優等生を支えているというのは

凄いことの様な気がします。

松岡さんは温かい産みたての卵をお客さんに届けたいと言う一心で、自ら創業者とな

って・・・つまりは全くの素人からのスタートで養鶏を始めたと言う事でした。

スーパーに置かせてもらうところから初めて、お客さんが付くと『直売所』スタイルでの

販売にこだわりを持ってお商売をされた・・・。それが今に至るきっかけだったんですね。

アイデア商品として①規格外卵を3キロ800円で売ったり、②ヒビ卵は3キロ600円、

割れてしまった卵は袋に入れて1キロ300円で売ったりしているそうです。

卵詰め放題300円・・・小ぶり卵の殻の厚いモノをこうして売っているそうです。

これらの商品は朝にしかないから・・・お客さんが朝から並ぶんですね 

元々美味しい、違いの分かる卵を販売していて、朝から行列が出来る催しもやることで

集客の仕掛けを作る・・・なんとも上手な戦略ですね。

またレストランでは季節限定の商品を必ず投入しているそうです。紅白オムライスや

秋のこの時期だとかぼちゃのオムライスなんて商品を投入すると・・・毎月リピートして

くれる動機になるんですね。卵の素材がいいから、ちょっとの工夫でお客さんは感動で

きるんだと思います。

凄い卵を生産しているからこそ・・・なんでしょうけど。

素人からはじめて日本一の卵直売所になったのは『自信はないけど、思いは強かった』

からだ・・・とお話しされる松岡さん。

並大抵の苦労じゃなかったと思います。

『人生のスイッチを入れたらブレない・・・』と表現されておりました。

この後はコッコファームから農業仲間さんとの連携・連帯、コミニティーのお話しへと

広がって行き、『新道の駅構想』なんてお話しが出てきました。

農業は6次産業化しなければなダメだ・・・なんて言いますが、要は『価格決定権』を

持つことが大事であり、それには一人でやるより農家同士の協力があった方がいいと

松岡さんは言ってました。

コッコファームも物産館とレストラン、直売所の施設が有ってそれぞれが相乗効果を

持つことで集客出来るんですね。素材としての農産物は多い程イイわけで、価格決定

権を持てる程に美味しい野菜や乳製品、ハムやソーセージなどの酪農品が集まれば

どんどん集客が出来るようになり、さらに強固な価格決定権が保持出来る。

何も一軒の農家でやらなきゃ行けないもんでもないんですね。

連携・連帯すればいい 

地域コミニティーなんてのも上手に形成されて行きそうですね。

村上龍さんは農家へのリスペクトが必要なんだと言ってましたが、圧倒的な差異のある

農産物を生産し、それを美味しく、楽しく食べさせてくれたら自ずと農家へのリスペクト

は生じるのではないでしょうかね。

松岡さんは『自分の生産したものが眼の前で売れて行くと言うのは最高です』と話して

ました・・・。

今までカンブリア宮殿には6次産業化された農家さんはいろいろ取り上げられています

けれど・・・とても興味深く拝見しました。

物価の優等生の卵でもって、これだけの集客をしてしまうって凄い事だと思います。

言うならばどんな品でも消費者を感動させることが出来るんだよ  

そう言われている気がしました。

村上龍さんの編集後記です。

農業は、常に脇に追いやられてきた。工業化がその方向性を決定づけ、高度成長の恩恵

もほとんど受けず、IT技術の進歩とも基本的には無縁なまま、全体的には、徐々に、また

確実に、衰退しているように見える。松岡さんは「若者の就きたい職業ナンバーワン」に農

業がなるべきだと明言する。そして、農業はビジネスだと言い切る。その戦略は、「温かい

卵を直接お客に」という創業時から不変の理念に支えられていて、ぶれがない。「都会に

はあって過疎地にはないもの」ではなく「過疎地にあって都会にはないもの」に目を向けれ

ば、わたしたちは、きっと「過疎は宝」だと気づくはずだ。

なるほど・・・納得です 

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・ハウス食品グループ本社 代表取締役社長 浦上博史さん

今回のカンブリア宮殿のゲストはハウス食品グループ本社、代表取締役社長の浦上博史

さん。創業家のご一族だそうで48歳。慶応の理工学部卒で銀行に就職し、1997年にハウス

食品に入社、現在に至るとのことです。

カレールーのシェアはハウスが58%、S&Bが26%で2強。

ハウスにはカレーだけで450種類もの商品があるそうです。

ハウスは有名企業ですから今さら説明の必要は無いのかも知れませんが、売上2097億円、

従業員数は4968人。創業は1913年でちょうど100年企業なんです。

ハウス食品は今では総合食品メーカーで、カレーのシェアは3割程。

だけど、カレーから出発した企業として、今回のカンブリア宮殿では『カレー押し』で番組が

進んで行きました。

戦略①一生離しません戦略。

子供が小さい頃はバーモントカレーの甘口からスタートして、中辛、辛口と進化し、子供が

大きくなるとジャワカレーに進む・・・と言うサイクルが完成されています。また子供が出来

るとバーモントの甘口に戻るんですって  なるほどこれは良く分かる。

ハウスのカレーでぐるりと廻ってくるんですね。

戦略②味も変えています。

これはロングセラー商品ならどこもやっていることですね。バーモントカレーが世に出て

50年。その間に10回ほど味や色見を変えたそうです。

村上龍さんは『ハウスは美味しさの最大公約数を求め、しかも安く提供する』と上手な

形容をしてました。

ハウスが今に至るのは『カレー』に出会ったからで、日本のカレーの文化を作ったのが

ハウスの原点だと言う事でした。

21歳の浦上靖介さんのもとに『ホームカレー粉』を買って欲しいと言う依頼が来たのだ

そうですが、当時はカレーなんて世間の認知は全くない。

食品業界初の実演販売や音楽隊を率いて宣伝カーを全国に走らせPRするなどいろんな

ご苦労をしたらしい。

1963年にバーモントカレーが売りだされ、大人の味としてのカレーが子供の味に変わった

ことで大ヒットするんですね。売上は20年で46倍になったそうです 

またカレーだけでなく、我々世代には懐かしい1968年発売のシャービック、1976年のフル

ーチェなどのデザート・お菓子部門にも進出して行く・・・。

1965年制定の『ハウスの意(こころ)』と言う10条からなる社是も披露されました。

①自分自身を知ろう、②謙虚な自信と誇りを持とう・・・と続きます。

利潤は手段で目的ではない。目的は社会貢献であり、そのためには利潤も大事と書いて

あります。

1965年に既にこんな考えを持っているからこそ・・・100年企業になったんでしょうね。

この後はハウスが中国で取り組んでいるカレーを広める活動が紹介されました。中国で

はまだまだカレーの認知が低いのだそうで、短粒米文化圏にカレーを広め、これから先

100年のハウスの礎にしようと努力されているそう。

日本企業の社食に使ってもらったり、親子お料理教室などなど・・・。

村上龍さんは浦上さんに『海外進出は企業にとってマストの選択でしょうか?』と尋ねた

ところ、浦上さんは『マストではないかも知れないが、日本の厳しい市場で培った力で

新しい需要を作っていきたい・・・』と答えておられました。

ヨーロッパやアメリカに出るのではなく、まずは短粒米の文化圏を狙う・・・。

国によって事情が違うのであっと言う間に次の100年が経過しちゃいそうですが、人口が

多いエリアだから売上見込みも相応にあるのかな・・・。

今や3割のシェアでしかないカレーのお話しでここまで番組が出来てしまうハウスは偉大

ですね。

さて、村上龍さんの編集後記です。

ハウス食品の100年を支えたのは、「家庭の幸福に寄与する」という基本姿勢だ。創業者

・浦上靖介は、カレー粉の会社を引き受けてくれという依頼を受けるが、迷う。当時まだカ

レーは普及していなかったし、大きな資金も必要だった。だが、「やりなはれ」という夫人の

一言が、創業者の背中を押した。「夫婦が力を合わせたら実らんわけはあらしまへん」 夫

婦間の信頼が、ハウス食品の礎となり、「家庭・家族を幸福に」という揺らぐことのない理念

を作り上げ、「バーモントカレー」などのロングセラーが、その延長線上に誕生する。ハウス

食品の歴史は、信頼が幸福を生む、ということの証でもある。

カレーを広める中で今のハウス食品を作って行った。100年企業ですし、堂々とした売上

のハウスですが、私が子供の頃はまだ家族企業だった。

ハンバーカーなんかもそうですが歴史の新しい食品が、国民食にまで育つこともあるん

ですね。

カレーの場合はハウスの創業者・浦上靖介さんが本当にご苦労されたのでしょうけれど

ここまでカレーが広まるとは思っていなかったんじゃないでしょうか。

第2、第3のカレーを探すってのも面白いかも知れませんね。

当然、他企業もカレー業界に参入してきたんでしょうけど・・・一位で有り続けるって言う

のもまた大変な努力だったんでしょう。

バーモントカレーの存在が大・・・。

大人の味から子供の味に進化することで大ヒットする。。。

これは参考になった会社が随分あるんじゃないかなぁ~

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・グラフ 社長 北川一成さん

印刷業界の駆け込み寺・・・グラフさん。

どんな色でも作り出し、他所が断る仕事も受ける・・・。

元々下請け印刷会社だったのですが、脱下請けを敢行し、デザイン力と印刷技術の相乗

効果でイイ仕事をされているんですよ。

印刷業界は6兆円産業なんですが、大日本と凸版の2強がシェアの25%を占め、残りを

なんと2万社で分けている。この10年で残りの取り合いをしている会社が3万から2万に

減ってしまった業界なんだそうです。下請けは『価格競争』を強いられジリ貧の状況にある

のだけれど、なかなか下請けから脱せない。

グラフさんはポストカードの仕事を取って廻ったと言ってました。

ポストカードづくりで高いのは原盤作り。1枚の版下を16分割して、お値段を16分の1で営業

した。まぁ取れるわ、取れるわ。過去のナンバー1の営業の4・5倍の売上を取って来た。

そうなると昔の下請け仕事が邪魔になる。バカ社長の演技をしながら上手にお引き取りい

ただいてより儲かる仕事にシフトして行ったんだとか。

北川さんの頭の中は子供の頃からとてもユニークで、それを伸ばして行ったご両親も

偉いんでしょう。

たんたん、飄々として燃える情熱を感じにくい ( 失礼 ) タイプの方ですが、ゴールへ

の道を作るのがとてもお上手なんだと思います。これぞデザイナーなのかな。

『デザイン』の力なんてモノは私にはなかなか理解出来ません。

脱下請けをして行ったら、世界のブランドが仕事を持ってきてくれるようになった・・・、

と言うのは、序章とあとがきだけを読んでグラフさんを理解しなさいと言うのに似ていて

まず無理なんでしょうね。

北川さんがお話しする姿を見ていたら、なんとなく感じるオーラみたいなもんはありまし

たけど・・・ 

こんな時は・・・もう村上龍さんの編集後記に行っちゃいましょう。

北川さんは子どものころ、空にかかった虹を見て、「取ってこよう」と、自宅の裏山に登ろう

とした。お母さんがそれを見て、「これに入れておいで」とビニール袋を渡してくれたらしい。

美しく、ロマンチックなエピソードだ。北川さんは、おそらく今でも「虹をつかもう」としている

のだと思う。不可能なことに無謀に挑戦するという意味ではない。どうすれば、虹をつかむ

のと同じような効果と、充実感を獲得できるか、そのことを常に考えている。デザインと印

刷の両方の技法に習熟した北川さんとグラフ、まさに「虹の彼方」の存在で、他の追随を許

さない。

今回の編集後記はとても秀逸だと感じました。

なんか掴みどころのない話しだったんだけど『虹』でくくるなんて、村上龍さんも巧いなぁ。

脱下請けに汗を流していたはずが、他の追随を許さない所まで突き抜けちゃった印刷

屋さん・・・。

そんなグラフさんであり、社長の北川さんなのでありました。

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・良品計画 会長 松井忠三さん

良品計画さんと言えば『無印良品』。

衣食住なんでも揃うブランドです。7500アイテムの品数があり、住宅まであるそうです。

(番組で紹介された住宅は1869万円でした  )

時は1980年、西友のPBとしてのスタートで当初は40アイテムだったと言うから成長した

と言うべきなんでしょうね。

国内382店舗があって、来店客数は6500万人。堂々たる数字ですね。2012年度の売上は

1883億円だとのことです。

売れる理由

①いつの間にか進化 ②地球に無い色はダメ ③17万件のリクエスト と紹介されており

ました。17万件ものリクエスト?苦情?をちゃんと吸収して商品に活かす。それが結果と

して商品の進化に繋がる。また無印独特の落ち着いた色合いで商品化されるので、全体

として統一感が産まれるのでしょうね。

だから家に置くと全体がイイ感じになるんですね。無印を買いに来るお客さんは確かに

リピ率が高そうです。また良い客層をゲットしていると思います。

ライバルは文具なら100均やマツキヨ、家具ならニトリ、衣料品ならユニクロだと松井さん

は言ってました。それぞれの分野にはライバルはあるけれど、集合体としてみた時には

ライバルは無い。

それが果たしてイイのか悪いのかよく分かりません。やもすると全てに渡って一流に

なりきれない危険性が無いのだろうか?と思ったりもしますが、色使いなどに統一性

を持たせ、かつお値打ちなモノを提案し続けているから充分に専業小売り業者と渡り

あっているように感じます。

さて、良品計画ですが12年前に38億円の赤字になったそうです。

ここしばらくの上場企業の赤字の額がとてつもなく巨額だったので、38億円の赤字の

危機感がイマイチ掴みにくいですが、やっぱり赤字はいけません。

地味な色合いを辞め、カラフル路線に走って余計に固定客からの反発を買ってしまった

だとか、ユニクロ、ダイソーの台頭で競合が激しくなったことが原因だと言う事でした。

そこで良品計画が取った戦略が『勘や経験に頼らない経営』です。

当たり前のことを当たり前に出来る仕組みを作ろうと言うのです。

店舗レイアウトなど、従来は店長の経験に委ねていたのですが、平均水準以下の店長

が過半でずば抜けた職人店長なんて数人だった。その店長に委ねていい店づくりが

出来る訳が無いと言うのです。そこで打ち出したのが『マニュアル化』。

ムジグラムと言って13冊2000ページのマニュアルに全ての事が書いてある。危機管理

なんてのもありました。

マニュアルで研修も行える程にしっかりしたモノなんだと思いますが、きっとスタッフも

優秀なんでしょうね。よく出来たマニュアルを作るだけではなかなか浸透しないものだ

と思います。何度も何度も反復させ、チェックさせてまた徹底させる・・・根気が必要で

す。38億円の赤字も一期限りでそこからは黒字化し、直近期は197億円もの利益を

出していると言うから大したものです。

標準化・見える化と言った仕組みがしっかりしているからこその利益であり、松井さん

は仕組みが9割、残る1割は創意工夫だと言ってました。

なかなか凄い発言です。時代はこれだけ激変するのに・・・。

中国でも無印は躍進中なんだと紹介されていました。でも中国にマニュアルは難しそう。

お掃除の仕方が悪いと抜き打ち検査でチェックされ、店長がマニュアルでココに書いて

ある通りの掃除をしなさい・・・と指摘されていましたけれど、国民性等大丈夫かな?と

思いながら拝見しておりました。今では23の国と地域に200店以上進出しているとの事

なので、国民性なんて言ってられないのかな。

でも日本みたいにマニュアルを順守しようと言うスタッフが簡単に集まる国の方が

珍しいんじゃないのかな。

出来るまで徹底させる・・・と言うのが松井さん流なのかな。

最後にファウンドムジ青山と言う無印1号店で、琉球ガラスや織物などの伝統工芸品

を今流、無印流にアレンジしたモノを育てようと努力している取り組みもしていると紹介

されておりました。

この辺りはさすが無印良品だと感心されたところです。

村上龍さんの編集後記です。

「マニュアル」は創造性と相反するイメージがある。だが、小説が普段誰もが使う言葉を組

み合わせて書かれるように、創造とは組み合わせであり、空想的で身勝手なアイデアなど

ではない。しかも組み合わせ方には、スタンダード、つまり厳密な「標準」がある。松井さん

は、成功体験に縛られ身動きできなくなった会社を、「標準化」というキーワードで再生させ

た。温厚な印象の背後には、意識変革を促すために在庫商品を燃してしまうような強い信

念と、権威に屈しない反骨精神がある。現代は、過去の成功への依存を断ち切り、集団へ

の埋没を嫌う「反主流派の時代」なのだ、そう思った。

村上さんは難しくいろいろ語っていらっしゃいますが、『社会主義の国のトップに松井さん

みたいな人が就くと、成功したのかも知れない・・・』とラストでスタッフと語っていたのが

一番分かり易かったです。

元々スタッフは優秀だったんでしょう。でも奢ったから苦境に陥った。不良在庫100億円

分を燃やして意識改革を図った。その主軸がマニュアルだった・・・。

『仕組み』を厳格に固めてしまうと硬直化してしまいそうな気もしますが、やはりプランド

力からいいスタッフが集まって、上手に運営されているんでしょうね。

店舗管理で、従来はバックオフィスからの指示だったものが店長自らレジの後ろに立って

店内を隅々までウォッチし、レジが込んだら別のスタッフに入る様に無線で連絡を入れた

りと言ういい改編を上手にしておられる。

仕組み・マニュアルを崇めている訳ではないんですよね。

そこが社会主義国との違いなのかな。

松井さんのとても真面目な口調が印象的な良品計画さんのお話しでした。

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・おたふくソース 社長 佐々木茂喜さん

私は関西出身で、広島焼きは食べたことがないから・・・  

でもおたふくソースは大好きで、今もキッチンには1.8リットルのおたふくソースがあります

よ    

番組では広島風の方が焼くのが難しいので、『お好み焼き』を伝道するためのツールと

して、関西風お好み焼きセットを作って売ったって言ってましたね。

確かに・・・関西風はボールの中でこねてしまうから作るのは簡単ですわ。

肝心の味ですが・・・作るのが難しい『広島焼き』の方が美味しいんでしょうか  

今度一度食べてみなきゃあきませんわ~ 

おたふくソースはソース売上がトップなんですって。売上は218億円だそう。

関東では『ブルドック・中農』が、名古屋では『カゴメ・濃口』、関西では『イカリ・ウスター』

が売れ筋だと番組では紹介されておりました。大阪ではソースは『とんかつ』も必需品だ

し、お好み焼き・焼きそばソースもありますから・・・必ずしもウスター一本じゃないはず

なのに・・・。ちょっと不思議なデーターだなと思いましたけど、まぁここに紹介されていな

いおたふくさんがグングンとシェアと取っているってことを暗に言いたかったのでしょう。

東日本ではこの10年で売上が1.5倍になったと言う事でしたが、確かにスーパーの陳列

棚に並ぶおたふくさんは増えていると思います。もう今ではどこのスーパーにも置いて

ありますもんね 

昔は小さなマヨネーズと同タイプのソースしか売ってませんでしたが、1.8リットルサイズ

も置いてあるから重宝してます。

番組では『ウッドエッグ』と言うおたふくさんが作ったお好み焼きミュージアムの紹介から

ほぼ通して・・・広島風お好み焼きのPRに終始してました。

広島焼きが広がれば、またお好み焼き屋が繁盛すれば、おたふくも儲かる・・・。

その信念だと言ってましたね。

村上龍さんをお好み焼き2枚で落とし、所々でお好み焼きPR活動、またお好み焼き開業

スクール(3日間で3万円・・・これは破格) 、お好み焼き屋さんを集めた年1回の見本市

?レシピから新商品の紹介まで・・・、まぁおたふくさんの徹底した顧客主義の姿が放映

されておりました。

お好み焼き、広島焼きの地位が上がったから・・・おたふくさんの今がある 

お好み焼きはこれからも廃れることは無いでしょうから、本当にいい軸を持っている

会社だなぁ~と感心しますわ。

スゴイ 

カンブリア宮殿に取り上げられたのだから・・・もっとおたふくのPRをすればいいのに、

ここまで『お好み焼き・広島焼き』の伝道に徹した会社って・・・。

おたふくソースをPRしても所詮は小さな効果しかない。もっと大きなワナを仕掛けようと

思うと・・・お好み焼きのPR。イカリやブルドッグに売上貢献したって構わない。

一度顧客を取り込んでしまえば・・・断トツの味で、いずれお客さんはウチに来るってな

もんなんでしょうね。おたふくの余裕を感じました 

大したもんです。

おたふくソースの秘密①甘み・・・なつめやしを使って甘みを出している。②辛み・・・

石臼びきの黒コショウ。熱で黒コショウの風味を壊さないようにしている。③銘水・・・

安芸の酒どころの水を使って『酢』を作っているのだそう。もちろんその酢がおたふく

ソースの決め手になってます。

おいしいきゃべつの品種開発を農家さんと一緒に畑に出て栽培したりもそれているそう。

社員さんも楽しいでしょうね~。

一本の主力商品に頼るのはちょっと危険な気もしますが・・・お好み焼きに賭けたおたふ

くさんのサバイバルはきっとこれからもイイ感じになる気がするなぁ~。

村上龍さんの編集後記です。

スマホやタブレット型端末など新しいデバイスが次々に登場し、日常もビジネスもめまぐる

しく移ろい、変化に適応しろ、自らを変化させろ、変化に取り残されるな、そんなプレッシャ

ーにせき立てられる、それが、現代だ。だが、故郷の海や山々のように、いつも変わらずそ

こにあり、懐かしさを感じるものがなければ、わたしたちの神経は参ってしまう。「お多福ソ

ース」と佐々木さんは、お好み焼き一筋だ。他には目もくれない。ただひたすら、微妙で、

繊細な「甘さ」「味」を追求する。おいしいソースがかかったおいしいお好み焼きで人々を和

ませたい、幸福にしたい、佐々木さんは、それだけを考えている。

お好み焼きは1年で生産出来る具材だけを具材としており、低コストで出来るお料理でも

あるので、外国の方から『エコノミヤキ』と呼ばれているって言ってました。

なるほど・・・世界に出しても受ける気がするなぁ~。

そしたら・・・もっともっとおたふくは流行るなぁ~ 

世界で流行る前に・・・まずは一度、広島焼きを食べなあきませんわ~ 

| | コメント (0)

カンブリア宮殿・・・三井物産 社長 飯島彰己さん

売上10兆円。

事業数6万で、151拠点、4万人の総合商社。

商社不要論や冬の時代なんて言われた時もありました。

あまりに裾野が広いので、60分なんかで語れるものではなく、人材育成から三井物産を

眺める感じで番組が進行されました。

今回は番組をなぞらないで、私が以前働いていた銀行と比較してみたいと思います。

商社は復活して、銀行は衰退している。

私はそう思います。

商社は『国づくり』を追求していますが、銀行は銀行危機以降、金融庁の指導の名のもと

にただひたすらに銀行の事だけを考えている。商売人と金貸しの差と言うべきなのか、規

制されると競争力が弱るのか・・・。

復興についても事例が出ましたが、商社は雇用を作ろうとしているのに、銀行は貸し渋る

どころか貸し剥がしさえあると聞きます。

こんな環境下で育つ人材はと言えば、おのずと差も出てくるでしょう。

銀行は金融庁から首に鈴をつけられてしまったから堕落したのでしょうかね。

景気・経済を立て直すと言っても、全然銀行は踊りません。

メガバンクまで含めても、銀行は手に手をとって、同時にサービスを劣化させている感が

ありますが、商社は着々と努力していた。

バブル以降しばらくはカネと情報はしっかり銀行にも集まっていたのですが、今やさっぱ

り情報が集まらなくなったと言うお話しをよく耳にします。

銀行の地位が下がる訳ですね。

借入に依存しない経営が世に広まると、銀行はもはや衰退産業ではないかとさえ思う

のですが、銀行も『冬の時代』を認識して、本来果たすべき役割を果たすようにしなけ

れば・・・なのでしょう。

金融庁の締め付けなんかも早く解けばいい。

被災地の復興にも銀行がどんどん支援出来るようにならないと税金で救ってもらった

恩が返せないと思います。

もっとも・・・本来あるべき姿を判っている行員さんの世代はもう居ないので、新しく創造

しなければならないのだと思います。

体力があるうちに、しっかりした方向性を作って商社と覇権を競う様な立場にまた銀行

が戻ってくれればいい。

もしそんな時代が来たら・・・日本は自信を取り戻せることでしょう。

村上龍さんの編集後記です。

年商10兆円、従業員4万人という企業を統率するのはどんな人だろうと興味津々だった

が、飯島さんは、開放的で、謙虚で、話も非常にわかりやすかった。

だが、収録後の雑談で、その計り知れない一端を知った。実は明日からブラジルです、と

言われて、遠いから大変ですね、と応じると、いや楽しみなんです、という答が返ってきた。

「機内で休めるし、本も読めますから」ブラジルは地球の裏側で、どこを経由しても、とても

疲れる。だが、それが楽しみらしい。

どれほどの激務か、少しだけわかった気がした。三井物産は、戦後、新しい戦略とコンセプ

トで、国益に貢献しようとしている。

飯島さんと接して、「世界の中の日本」という確固たる視点に触れたような気がした。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧